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すーこ
2022年1月9日 19:17
彼と最初に出会ったのは、一年前。営業所に定期点検で新しくやってきた「明石」と名乗る彼は、初々しさの残る人懐っこい青年だった。 彼はこう語った。「台風の日に留守番をしていたとき停電して、泣きそうになったとき、ぽっと灯りが点ったんです。早く復旧させてくれたあの灯りに、僕は温かさを感じました。そんなこの街の灯りを絶やさないよう、僕も一員としてがんばりたいんです。」 彼のきらきらした目が眩しかった
2021年12月30日 21:14
飛び起きると、辺りはまだ暗闇に包まれていた。時計を見れば、深夜二時を回ったところだ。寝直そう。いつもならそう思うのに、胸がざわざわと落ち着かない。顔を洗い、コートを羽織り、鍵と財布を握りしめ、玄関のドアノブに手をかけた。 外はしんとして、冷気が満ちていた。月も星も雲に覆い隠され、周りの家もみな灯りが消えている。ぽつぽつと点る街灯の先にある、ぼんやりと光を放つ電話ボックスへ、吸い込まれるように向