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非言語化された、意匠読解の術

先日、ぼくの周りのクリエイティブな方々と一緒に、大阪南港のATC内にある「デザインライブラリー」という場所に行ってきたんだけど、その名の通りデザインや芸術なんかの新刊から古書?までを主な蔵書とする図書館でして、最初に目に止まった「写真を読む夜」という本がとても面白かったんだ。

どんな感じだったかを簡単に書き留めておいた記事の内容と重複するんだけど、大事だなーと感じたことを、ここでも公開しておこうと思ったので、今回は、

デザインの読み方

について。


デザイン・芸術が全く別物である、という議論は、ここではしないでおくけど、どちらにも共通しているのは「作者・製作者」が存在しているということ。読み取りやすさに差はあれど、そこにはなにかしらの意図が前提にあるはずなんだ。例えば、

芸術であれば、作者が作品を通して表現したかった世界観、社会派のものであればその訴求内容・メッセージ性、あるいは制作時期の時代背景なんかもそうだと考えている。

デザインにおいてはそれが、課題解決のための機能性であり、見栄えの美しさであり、ギャルでもわかる具体的な効果が期待される内容のものが多い。

デザインや芸術というのは、作者の意図や背景が前提にあって、それを製作物として表現したもの。つまり、

もう少し抽象度を高くして置き換えると、
「言語」を非言語化してアウトプットしたものである、ということ。


そう、そこには必ず作者の意図が存在しているので、その意図や背景を理解、もしくは解釈することではじめて、デザインや芸術を「読む」ことができる、ってことなんだ。


とは言っても、あんまりピンとこないかもしれないんだけど、

実はこの部分にクリエイティブのおもしろさが詰まっているとぼくなんかは思っていて、デザインの意匠性やアートの世界観を読み解くことができた、今までは点だった情報同士がつながって世界が広がった時の感覚がとても気持ちよくて、思わず唸ってしまうことも多いんだ。

ぼくがクリエイティブの業界に身を置いたり、映画や音楽の鑑賞をやめられないのは、こうした「快楽」が存在していることを知ってしまったからなんだけど、

例えば、日本庭園を見た時に感動した話。

無鄰菴(むりんあん)という庭が京都の岡崎のエリアにあってね、ぼくイチオシだからぜひ行ってみて欲しい。

山縣有朋と小川治兵衛が手がけたこの無鄰菴の視点場(ビューポイント)から見る庭の景色の中には、京都の東山の景色そのものを組み込んだ「借景(しゃっけい)」という技法が使われていたり、細部にこだわった設計なんかもとても素晴らしいんだけど、

一番感動したのは、この茶室の縁側に腰掛ける視点場に居ると、見えない場所から水の流れる音が耳に届いてくること。

口頭で聞いた話だからちょっと理屈は曖昧ではあるんだけど、

視点場からは見えない場所で、水路に段差をつけて水の音を発生させ、その音が茶室の屋根の軒(のき)の部分に音が反射して、腰掛けている視点場にその音が届くように設計されている、

っていううそみたいな設計方法とこだわりを聞いて、むちゃくちゃ鳥肌がたったのを覚えてる。そこまでする?!どうやって!?っていう好奇心かもしれない。

こういうこだわりのことを「意匠」とぼくは呼んでるけ、それを感じられる場面が、人生で何度も経験できれば幸せだと思っているし、自分の感性を高め続ければ、そんな経験を通してもっと解像度を上げた状態で世界を感じられるようになるんじゃないかなと思って、日々たくさんの経験をすることにお金も時間も使うようにしているわけです。


感性を高める

とはつまり、前回も書いたけど、非言語を捉える力に相違なくて、その力を養うためには、上に書いたような「非言語化された言語」を読み解く訓練をすると良くて、


先日行ってきたデザインライブラリーに話を戻すけど、「デザインや作品の意図を解説している本」を読むことは、視点を得るためにも、ボキャブラリーを増やすためにも、非常に有効な方法だと思ってる。

感性が研ぎ澄まされれば、見える世界も、世界から得られる情報も、全く別物に変わる。

人生を変えたければ、感性を養おう。

そのために、たくさん本を読んで、映画を観て、旅をしよう。

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平成最後の更新となりました。
令和になった5月以降は、大阪を離れてたくさん出かける予定。
GW開けたら、東京、広島に行くので、予定合う人いたら声かけてね。


多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。