スクリーンショット_2019-07-06_18

デザイナーから見た、「せやろがいおじさんのここがすごい」

久しぶりに動画リンクが回ってきたから観てみたんだけど、「めちゃくちゃすげーな」と思ったので言語化しておこうと思いました。29階の家の中まで響く選挙カーの街宣には辟易している横田です。

特に、政治的立ち位置や、彼の主張に対する意見などを書くわけではなくて、あくまで教育者、デザイナーとして感じたポイントのまとめです。

すごいと思った、5ポイント

・わかりやすく、説教臭くならない言葉遣い
・具体例をふんだんに使った、理解を促す適切な言い回し
・動画一面を使ったテロップ
・視聴者を前傾姿勢にさせるテンポとテンション
・5分間の情報量の濃さ

伝えたい層(ここでは「Youtubeをみている、比較的若い層」)へのメッセージだと思うので、難しい専門用語なんかを省いた、わかりやすいワーディングにセンスを感じる。若者のことをよく理解しているし、ほんとによく考えてくれているんだろうなと思った。

彼がすごいのは、どうしても正論を用いて堅くなりそうなテーマの中で、しっかり主張はしているんだけど、それにも関わらず、説教臭さを感じさせないどころか、むしろ、観ていておもしろい内容を届けられていることなんだよね。

「教育」全般に言えることだと思うんだけど、正論を言ったからと言って、必ずしも相手に伝わるわけではない。っていうのはわかるかな?

というのも、多くの人は「何を言ってるか」よりも、「誰が言ってるか」を基準に判断をするものだから、例えば、正論でマウントしてくるような人の話なんかは、耳に届いてこないんだよね。

(「あいつのいうことはわかるけど、なんか信用できない」とか、「ずっと話してくれるけどよくわからないんだよなあ」とか、そんな状態で伝えたって相手には全く情報が入っていかないのは、イメージできるよね。)

そう、「相手に伝わる」という基準値をもって会話をすることこそが、コミュニケーションにおける基礎の基礎であり、かつ、最大の要点だと思っているんだけど、

せやろがいおじさんのすごいところは、

しっかり話を聞いてもらえるような話し方・キャラクター設定の中で、伝えたい相手が理解できるだろうわかりやすい言葉をセレクトした上で、動画内全体のテンポやテンション、文字情報の見やすさなんかが意識されていること、

つまり、コミュニケーション・クリエイティブの両領域で、徹底して洗練した「わかりやすさ」を提供できていることなんだ。

プロだよね。
TikTocのくだりなんかはほんとにわかりやすい。

エデュテインメント(英: edutainment)は、娯楽でありながら、娯楽と関係ない分野の教育として機能するようなエンターテインメントの形式である。テレビ番組、テレビゲーム、映画、音楽、ウェブサイト、マルチメディアソフトウェアなどといった一般的な娯楽の中に教育的要素を埋め込むことで、聴衆や視聴者を教育する。例えば、競合状態の解決を子供に教えるテレビゲームもエデュテインメントであり、ガイド解説付きツアーで野生動物の生態や生息地を学ぶのも一種のエデュテインメントである。

この「edutainment」っていう概念は以前から大事だなと思ってるんだけど、教育者やデザイナーを含む「伝える仕事」をするひとには欠かせない視点なんじゃないかな、とよく思っている。芸人さんなんかも、この辺りが天才的にすごいひとが多い。

教育を扱う人は、エンタメ能力を。
デザインを扱う人は、言語能力を。
どちらでもない人は、視点と感性を養おう。

画像1


この記事が参加している募集

多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。