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神影鎧装レツオウガ

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■総合目次 → https://note.mu/yokosimakoutaro/n/n4a2330bbfada?magazine_key=m552e021bd12d ■ 荒唐無稽…
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神影鎧装レツオウガ 第三十五話

神影鎧装レツオウガ 第三十五話

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Chapter05 重力 05 日乃栄高校翠明《すいめい》寮、男子棟三○一号室。
 土曜日、まだまだ静かな午前六時三十分。今日も規則正しく鳴る目覚まし時計を、辰巳《たつみ》はいつものように三度目で止めた。
「くぁ、ぁ」
 あくび、背伸び、それぞれ一回。しかる後ジャージに着替え、部屋を出る。日課のジョギングの時間だ。
 後ろ手に扉を閉めると、蝶番が酷く廊下

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神影鎧装レツオウガ 第三十四話

神影鎧装レツオウガ 第三十四話

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Chapter05 重力 04 風葉が書類整理で七転八倒しているのと同じ頃。
 イギリスの首都ロンドンの北西、バッキンガムシャー州ウェスト・ウィコム区。
 草原の中に立つ小高い丘の上に、ある一軒の教会が建っている。屋根の上に十字架ではなく金色の球体が取り付けられた、変わった教会だ。
 不敵にもキリスト教の象徴を取り払ったこの場所で行われていたのは、やはり

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神影鎧装レツオウガ 第三十三話

神影鎧装レツオウガ 第三十三話

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Chapter05 重力 03 すたすたと、天来号の通路を歩いて行く風葉と巌《いわお》。目指す先は転移室である。
 細身ながら、まったく芯がぶれない背中。相当な鍛錬を詰んでいるのだろう巌の背を見ながら、風葉は口を開いた。
「あの、前から疑問に思ってたことが幾つかあるんですけど、聞いても良いですか?」
「んー? なんだい?」
 ちらと振り返る巌。細い眼差し

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神影鎧装レツオウガ 第二十八話

神影鎧装レツオウガ 第二十八話

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Chapter04 交錯 05 時間は少々さかのぼって、風葉がおあずけをくらう少し前。
 農業校なので敷地だけはやたら広い県立日乃栄《ひのえ》高校、その地下。数十メートル単位の分厚い土とコンクリートの向こう側に、ある施設が存在する。
 正式名称、第二十番貯霊地。
 今まで何度か辰巳《たつみ》の話に出ていた、日乃栄の霊地がここである。
 この日乃栄霊地に限

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神影鎧装レツオウガ 第二十五話

神影鎧装レツオウガ 第二十五話

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Chapter04 交錯 02『地球は青かった』
 人類初の宇宙飛行士、ユーリイ・ガガーリンが残した有名な言葉だ。
 だがこの言葉が有名なのは、実は日本だけだったりする。なぜこうなったのかは諸説あるが、とにかくガガーリン氏は本来『空は非常に暗かった。一方、地球は青みがかっていた』と言ったのだそうだ。
 さりとて実際に地球を見上げれば、それも正確では無い事

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神影鎧装レツオウガ 第二十四話

神影鎧装レツオウガ 第二十四話

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Chapter04 交錯 01 日本でレツオウガがRフィールドを食い尽くしていた、丁度その頃。
 遙か西方、北極圏に位置する島国アイスランド。その首都レイキャビク。
 日本との時差は約九時間。整然と立ち並ぶ町並みは、未だ深夜の帳に眠っている。
 そうした、建物の内の一件。
 屋上。唐突に、電気とは違う光が瞬いた。霊力光である。
 光源は扉。少し錆が浮く蝶

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神影鎧装レツオウガ 第二十二話

神影鎧装レツオウガ 第二十二話

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Chapter03 魔狼 13 轟、轟、轟。
 もう幾度目かになる激突が、Rフィールドを激震させる。
「う、お、おぉぉぉっ!」
 嵐のごとく霊力を渦巻かせ、絶え間なく降りしきる剣閃、剣閃、剣閃。
 鋼の巨体が、二つの闘志が、キロメートル単位の空間を縦横無尽に乱舞する。
「は、あ、あぁぁぁっ!」
 レツオウガは霊力装甲を、オーディンはマントを。改めて霊力噴

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神影鎧装レツオウガ 第二十一話

神影鎧装レツオウガ 第二十一話

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Chapter03 魔狼 12 陣羽織を着込んだ鎧武者。
 それが、最も端的にレツオウガを表せる言葉だろう。
 当然ながら、素体であるオウガの形は一切変わっていない。しかして機体各所――すなわち肩、手首、胸、背中、膝、足首のEマテリアル上へ展開された霊力装甲により、その姿は群青と灰銀の二色に塗り分けられていた。
 鋼の身体を覆う、光の鎧。それだけでも相当

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神影鎧装レツオウガ 第二十話

神影鎧装レツオウガ 第二十話

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Chapter03 魔狼 11 光のカーテンが溶けていく。天来号、利英の研究室から送られた転移術式の残光だ。
 風にさらわれ、かき消える光の淡雪。
 その中心に、風葉《かざは》はいた。バイク型霊力武装レックウにまたがる彼女は、改めてハンドルを握り直す。素早く、周囲を見回す。
 場所は、どこかの民家の屋根の上。見渡せば、同じような高さの民家が道なりにひしめ

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神影鎧装レツオウガ 第十九話

神影鎧装レツオウガ 第十九話

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Chapter03 魔狼 10 そうして、風葉は利英《りえい》の研究室に帰還した。
「――、む」
 頭がぼうっとする。たっぷり寝たのにまだ足りない、日曜の昼過ぎみたいな感覚。
 気を抜いたらまたくっついてしまいそうな目を擦り、風葉は目の焦点を合わせる。
 最初に見えたのは、すぐ正面にいる冥《メイ》。抱き合う一歩手前くらいの距離に立つ冥は、風葉の意識が戻っ

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神影鎧装レツオウガ 第十八話

神影鎧装レツオウガ 第十八話

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Chapter03 魔狼 09 時間は少々巻き戻る。
『……たった今、オウガを自爆させる事が決定したよ』
 明日の天気は雨だそうだ。
 それくらい軽い語調で、巌はつぶやいた。
「え」
 二度、三度。まばたきする風葉《かざは》。
「そっかーならしゃーないなー。自壊術式の準備せんと」
 今までがウソのような無表情で、利英《りえい》はキーボードを叩き始めた。周

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神影鎧装レツオウガ 第十七話

神影鎧装レツオウガ 第十七話

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Chapter03 魔狼 08 オーディンが、動いた。
 陸上選手もかくやと身体を沈め、一気に解き放つ。クラウチングスタートに似た体勢から繰り出される突貫は、さながらロケットだ。
 リバウンダーに匹敵する撃力の塊となったグングニルが、オウガ目がけて唸りを上げる。
「オオッ!!」
 斬。
 真っ向からの薙ぎ払い。フェイントも何もない、愚直なまでの大振り。だが早い。恐ろしく。
「セッ

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神影鎧装レツオウガ 第十六話

神影鎧装レツオウガ 第十六話

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Chapter03 魔狼 07 圧倒的。
 それ以外に、この状況を表す言葉はなかった。
「ツ、ア、アッ!」
 裂帛の気合いとともに、辰巳はあらゆる攻撃を繰り出す、繰り出す、繰り出す。
 左腕コネクタからの操作に従い、ボロボロのオウガが間接を軋ませながらも、オーディン・シャドーへ攻撃を仕掛ける。
 クナイの連続投擲。ガトリングガンとミサイルランチャーの同時掃射。リバウンダーによる高

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神影鎧装レツオウガ 第十五話

神影鎧装レツオウガ 第十五話

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Chapter03 魔狼 06 所変わって天来号、酒月利英の研究室。
「ふほ、ほ」
 部屋の主である利英は、ぐったりと机に突っ伏していた。まぁ特注品である冥《メイ》の転移術式を、この短時間でRフィールド用に調整したのだ。無理はない。
「実際大したもんだよ、酒月」
「なぁーに、こんなこともあろうかと、ってヤツでござる」
 震えながらサムズアップする利英。何のかんのでまだ余裕はあるよ

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