マガジンのカバー画像

神影鎧装レツオウガ

193
運営しているクリエイター

2019年4月の記事一覧

神影鎧装レツオウガ 第三十三話

神影鎧装レツオウガ 第三十三話

戻る  総合目次 | マガジン | 進む

Chapter05 重力 03 すたすたと、天来号の通路を歩いて行く風葉と巌《いわお》。目指す先は転移室である。
 細身ながら、まったく芯がぶれない背中。相当な鍛錬を詰んでいるのだろう巌の背を見ながら、風葉は口を開いた。
「あの、前から疑問に思ってたことが幾つかあるんですけど、聞いても良いですか?」
「んー? なんだい?」
 ちらと振り返る巌。細い眼差し

もっとみる
神影鎧装レツオウガ 第三十二話

神影鎧装レツオウガ 第三十二話

戻る  総合目次 | マガジン | 進む

Chapter05 重力 02 きんこんと鳴るチャイム。よいしょと教卓を降りる温井先生。わやわや騒ぎ出すクラスメイト達。
 いつもの風景、いつもの日常。眠ってしまいそうなくらい平和な眺めだ。
「はふ」
 あくびを噛み殺しながら、風葉《かざは》は小さく背を逸らした。おしりが少し痛い。
「座りっぱなしだからなぁ」
 教科書類をしまった後、風葉は辰巳《たつみ》

もっとみる
神影鎧装レツオウガ 第三十一話

神影鎧装レツオウガ 第三十一話

戻る  総合目次 | マガジン | 進む

Chapter05 重力 01『なーるほどね、事情は理解したよ』
 日乃栄高校付属翠明《すいめい》寮、その男子棟の三○一号室。
 机上に浮かぶ立体映像モニタ越しに、辰巳《たつみ》と風葉《かざは》は巌《いわお》へ諸々の報告を終えた。
 二人とも鎧装は既に解除し、元の制服に戻っている。
 しかして、二年二組へはまだ戻れずにいる。時間がかかりすぎたためだ。
 

もっとみる
神影鎧装レツオウガ 第三十話

神影鎧装レツオウガ 第三十話

戻る  総合目次 | マガジン | 進む

Chapter04 交錯 07「GIIIIIIIlッ!」
 竜牙兵が再び吼えた。骨でありながら近代の軍隊に似た戦闘服を着込む兵士達が、徒党を組んで殺到する。辰巳達に襲いかかる。
「GI、GIIッ!」
 左、右。閃く骨兵どものコンバットナイフ。中々の動きだ。だが二人には通じない。
「シッ!」
 まず辰巳側。斬撃の隙間を絶妙にかいくぐりつつ、放たれるカウンタ

もっとみる