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余白を作るため日記

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感情を外付けドライブに移します。
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2019年8月の記事一覧

夏の終りと、もう2度と会えない親友のこと

夏の終りと、もう2度と会えない親友のこと

何件も飲み屋さんをはしごして、それでもまだ寝てしまうには惜しい夜。コンビニで缶酎ハイを買って、ホテルに戻った。プルタブに指をかけ、缶を開けた瞬間に知った。

私の親友が死んだことを。地元に帰るといつも一緒に飲みに行くメンバーの1人が、ラインで知らせてくれた。午前2時、久しぶりにお酒を飲んで、少し酩酊していた。だから、そのラインの一文を見ても、何かの間違いだと思って、寝てしまった。

彼は、間違いな

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空が広い街

空が広い街

京都の大学に進学することがきまったとき、京都のマンションの家賃って結構高いんだなぁと思った。仲が良かった友だちは、大阪で一人暮らしをする。京都よりも街中で暮らす彼女のほうが家賃が安くて、うらめしく思った。

彼女いわく、大阪は高層階まで建築可能であるから、同じ土地に沢山の人を住まわすことができる。だから家賃が安くなるそうだ。それに比べて、私が住んでいたエリアのマンションはどんぐりの背くらべ。だいた

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魂の胃袋に引っ張られるように旅をする

魂の胃袋に引っ張られるように旅をする

ソウルフードってやつがある。その食べ物の姿を見て、匂いを嗅ぎ、口にすると体の中がジーンと鳴り、活力が湧いてくる。私に魂が喜ぶ料理。

ソウルフードはそれぞれが過ごした土地で、発見される。私の場合は、関西出身だからかな? 家で(店ではなく、家庭用ホットプレートで)食べるお好み焼き。タコではなくウィンナーを具にしたたこ焼き(ウィンナー焼き?)。それからあとは弘で食べる焼き肉と、鳥貴族あたりがソウルフー

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本日分の散文の短文1

本日分の散文の短文1

今日はこぽこぽ湧き出てきた、ことばの並びを置いてみます。何かここから偶然生まれるかもしれないし、意味なく置き去りにしてしまうかもしれない。

−−−

まだ明るいうちに電車に乗って、窓に顔を向けて流れる景色を見るんです。すると窓ガラスに私の顔が反射してて、透明になった自分と流れる景色が並走します。なんておもしろいのだろうと、いつも思っていた阪急京都線。

小学5年生のとき。胸が膨らんでいくのが怖か

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愛よりも、I miss youのほうが今は

愛よりも、I miss youのほうが今は

今朝、親友からメッセージが届いた。

I miss you

通知が鳴り、スマホの画面を見つめ、声に出す。アイミスユー。アイミスユー。そこから私の一日が始まった。

今日は朝っぱらから出かけて、遠路はるばる日本からハノイまで訪ねてきてくださった人たちと打ち合わせをした。今週やることも来年やることも、それから10年後やりたいことも話し合った。6時間くらいハノイの街のカフェとレストランをはしごしながら

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継続ではなく、再開のほうがもっと自信がついてくる

継続ではなく、再開のほうがもっと自信がついてくる

先週、ついに! 30daysスクワットチャレンジに成功しました。

これは1日目から少しずつ回数増やし、毎日スクワットを30日間するというもの。5年ほど前にアメリカで流行しました。ネット上でチャレンジに成功した人のビフォーアフターを見ると、みなさん足がすっきりとそしてお尻がぷっくり上がっている! こ、これは! と思いチャレンジをはじめました。

私がこの30daysスクワットに初めて挑戦したのは、

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不便さが「であるべき」からの逃げ場を作る

不便さが「であるべき」からの逃げ場を作る

ここしばらくのnoteを振り返ってみると、最近の私の意識の矛先は「逃げ場」なのだなぁと思う。毎日ただひたすらに思いついたことを、書き落としているので、面白いほどに自分の傾向が分かる。恥ずかしさ、あります。

ベトナム生活をはじめて、はや半年。新しい地に住むワクワク感、目に入るものすべてがキラキラして見える、恋のような気持ちは薄くなった。その代わり、日常がぴったりと異国に張り付いてきたように思う。

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便利な生活に、読点をつけてもらう

便利な生活に、読点をつけてもらう

ハノイ生活の中で遭遇するひどいスコール。日本でよく言われる「バケツを引っくり返したような雨」よりも凄まじいやつ。空の色は漆黒に変わり、肌に当たると痛いくらいの雨、横殴りの風、止むことない轟音を立てる雷。数年に1度レベルのスコールがこちらでは、毎日のように降り注ぐ。

ベトナムに来て約半年経つのだけれど、最近はこのスコールが来る気配を感じられるようになった。空の色が少し褪せるとか視覚的な変化ももちろ

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菊の紋章が入った小さなタバコ

私のおじいちゃんは戦時中、皇居の警備をしていたそうだ。戦争の話を始めるとおじいちゃんはもちろんのこと、おばあちゃんまでがどこか誇らしげになる。

おじいちゃんから戦争の話を聞けたのは、まだ私がウンと小さい頃のお話。まだ5歳の私は戦争がどんなモノなのか、これっぽっちも知識がなかった。

お盆におじいちゃんの家に行くと、戦争の話になる。そうするとおじいちゃんは、自分の部屋へ行き、菊の紋章が入ったタバコ

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選べることがもたらす、不自由さ

選べることがもたらす、不自由さ

選ぶことが多すぎるな、と最近思う。今日は何着て、何食べようのレベルではなく、もっと大きな人生ってやつを。

これからの「生き方・働き方」どいう題目で、日々新しい提案が私たちになされている。今いる環境が合わなければ、そこを抜け出して再選択が可能な世の中になった、と。

両親の世代は、幸せとはこうあるべきというルートが数少なかったらしい。目の前にある数種類の生き方から、みんながイイと言っているコレにし

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noteを200日更新してみました

noteを200日更新してみました

2019年1月15日から誰にも言わず、ひっそりとnoteを毎日更新していました。7割は1000字近くのエッセイ。あとの3割は写真だけだったり、ただのつぶやきだったり、ラジオだったり。眠りに落ちる前までが「今日」と設定し、コツコツと宣伝することもなく続けました。

私は去年まではライターといわれるお仕事もしていて。その多くは実益性の高い読んでタメになるもの。もしくはクライアントさんがいて、その場所を

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青春とは、初めての小さな背伸びを共有すること

青春とは、初めての小さな背伸びを共有すること

初めてスターバックスに行ったのはいつだっただろう? たぶん大学生になったころだったような気がする。その頃はまだスタバは当たり前に存在するものではなく、各地の一等地にいらっしゃる舶来の若きプリンスといった存在感を放っていた。

入店する前に、ネットで記事を読んだ。舶来のイケてるカフェだけあって、その内部で使われる言語は違うと聞いたからだ。入店からスムーズに注文をしたいと思い、記事を何度も読んでイメト

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逃避できる空間が、生活に溶け込んでいました

逃避できる空間が、生活に溶け込んでいました

ベトナム・ハノイの夏はとても暑い。外に出ると日差しがヒリヒリジリジリと、私の肌を焼いてくる。そして湿気。私の汗なのか空気中に含まれる水分なのか。10分外を歩けば判別不可能になる。加えてスコールよ。バケツの水をひっくり返したような雨という表現をよく聞くけれど、あれよりすごいやつ。雷神さんが大失恋をしたんだろうと思うくらいの、雷をともなった大雨がしょっちゅう降る。

という気候の特徴からか、はたまたフ

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また恋がしたいだなんて、とんだおかしい話なんだけど

また恋がしたいだなんて、とんだおかしい話なんだけど

昨日は昔からの友人と久しぶりに話した。お互いの近況の報告と、私の結婚生活についていろいろ質問された。

私の結婚生活は、あまり話すことがない。っていうのは、一緒に住んでいないから、夫のことも私たちの生活についても、全て把握しているわけではないから。夫のTwitterの様子から、色んな人と仲よさげに楽しく暮らしている様子なので、良い良いと思うだけ。友人はそんないい加減な結婚をしている私に、改めて驚い

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