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連載「ヨコビ の“かお”」第五回 山梨県南都留郡 道志村 「ひゃくしょう会」 杉本秀明さん、佐藤光男さんと「株式会社SORIN」水越由香理さん

皆さまこんにちは!「横浜ビール」です。私達は、昨年20周年を迎えた老舗の地ビール会社です。地域と人を大切に「街のビール屋」としてワクワクを届ける事を目指しています。これまで「横浜ビール」が取り組んできた活動の軸には「人を伝える」という事があります。

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私達の中には、こだわりのビールを醸造するブルワーや、地産にこだわったお食事と新鮮なビールをお届けする直営レストランのスタッフ、乾杯をより楽しんで頂く為に演奏を奏でる「ムービングプロジェクト」など多くの人が携わっています。そんな訳でnoteでは「横浜ビール」を語る上で欠かせない大切な一杯の先にいる「ヨコビの“かお”」をご紹介します。今回は山梨県南都留郡 道志村「ひゃくしょう会」 杉本秀明さん、佐藤光男さん、「株式会社SORIN」水越由香理さんから道志村についてお話頂きました。

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⑴道志村との繋がり

道志村は山梨県と神奈川県との県境に位置する人口約1,700人の村です。村面積の約9割を占める森林に囲まれており、その真ん中に「道志川」が流れています。横浜市は明治30年代頃、開港以来120年に渡って 水を通じて道志村と繋がっており、森林の保水能力を活用した「水源林」から生まれる水が横浜市の水道水の一部となっているのです。かつて横浜港に降りたった世界中の船乗りが横浜の水を汲んでは「赤道を越えても腐らない水」と称賛していたのだとか。


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道志村には、美しい滝や天然温泉、キャンプ場、民宿や旅館が数多くありアウトドア地としても人気です。また、室久保川の川底には「的様」という一枚岩があり源頼朝が周辺で舞踏訓練をしたという伝説など、他にも数多くの伝説があるそう。

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また、道志村はスーパーフードと呼ばれるキクイモを生産される方が多いのです。キクイモは糖質の「イヌリン」という成分を豊富に含んでいることから、最近では美容や健康面から注目を集めつつある野菜の1つです。道志村へ行った際には是非、キクイモを体験してみては如何でしょうか。

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⑵道志野菜と食の循環(フードループ)

先ほど、横浜市と道志村は「水」を通じて繋がっているとお話しましたが「横浜ビール」は、道志村の野菜栽培において醸造工程で排出されるとある物を再利用して頂いています。それが「モルト粕」です。

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ビールの醸造工程では、麦芽(モルト)をお湯でグツグツ煮込むと糖化液が出来ます。その液体を濾過すると、麦汁と分離された「モルト粕」が排出され、廃棄物の収集運搬・処分等を行う「横浜環境保全 株式会社」が「モルト粕」や、横浜市内の飲食店から排出された食品残渣を堆肥にします。

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そうして、道志村の農家グループ「ひゃくしょう会」に提供された堆肥を使って野菜を栽培、その野菜を使った料理を「横浜ビール」直営レストラン「驛(うまや)の食卓」や、横浜市内の飲食店にて提供し皆さまに食べて頂くという「食の循環(フードループ)」が形成されています。この堆肥は「ハマのありが堆肥(たいひ)」と呼ばれ、現在も継続されています。この取り組みを始めて約2年。少しずつメディアでも取り上げてもらえるようになったそうです。

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このフードループという取り組みは、単に循環させる事だけが目的ではなく過疎化する村の人口減少にも役立つ仕組みになればと「横浜ビール」は考えています。村に移住し、農業を始める若者が増えているものの、売り先がなければ継続することは大変です。なので横浜から道志村に野菜の発注をかけて、仕事を依頼し、雇用を生む仕組みになるように、横浜の企業、飲食店舗やそれを利用する人々など道志村の方々と横浜を繋げる関係性を増やしたいと考えています。

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「横浜ビール」メディア・マーケティング部の横内勇人は、道志村の印象を「道志村には何度も足を運びました。初めて訪れた時の印象は空、森、水がとにかく綺麗、心が洗われるような気持ちになる素敵な場所。そして何より初対面でも家にあげてもらい漬物やお茶を出してくれ、これ持ってけと野菜のお土産まで渡してくれる温かさ。とっても優しい方ばかりです。」と話します。また、道志村の方々への想いを「道志村の方々と会うたび、世間話を自然と出来るようになり、道志村を好きになり、道志村と横浜が繋がっていることをもっと沢山の横浜の方に知ってもらいたいと思うようになりました。」と語っています。

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⑶「道志の湧水仕込」というビールとSORIN

皆さまは、水道から流れる水が何処からやって来たのかご存知でしょうか。「横浜ビール」は2016年より道志川の源流の湧き水を使ったビール「道志の湧水仕込(ゆうすいじこみ)」を醸造しています。

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「道志の湧水仕込(ゆうすいじこみ)」は、ビールの本場ドイツ・ケルン地方で愛されるケルシュスタイルのビールです。口当たりやわらか、すっきりみずみずしい飲み口ながら、ホップの豊かなアロマと麦芽の旨味を味わうことができます。水のように飲み進めやすく、誰しもが楽しめる味わいです。

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このビールは道志村の天然水「doshiwater」を製造・販売している「株式会社SORIN」さんに、道志村から醸造前日に600Lもの水を運んで頂き翌日に醸造しています。「株式会社SORIN」水越由香理さんは「ビールになる事は嬉しいです。道志村のビールだよって皆に自慢していますよ。」とお話頂きました。

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道志村の水は、後味がスッキリしていて飲みやすく、氷にすると透き通って美しいのだそう。また、天然水の製造について「工場はサウナ状態で暑いので大変です。」と水越さんが言うように、水を70度以上に加熱殺菌する工程がある等体力を要するハードなお仕事のようです。それでも「スタッフ皆で楽しくやってます。皆、思いやりがあって良い職場だなあと感じています。」と笑顔で話して頂きました。

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道志村の魅力について「水源の方は涼しくて気持ち良いので散歩がてら行く事はあります。これって言うほどの娯楽は道志村には無いかもしれないですけど、それが良いのかもしれません。」と教えて頂きました。道志村には美味しい水、気持ちの良い自然、野菜、足を運ぶ度に温かく迎え入れて頂く村の皆さまがいます。私達のビール「道志の湧水仕込(ゆうすいじこみ)」をきっかけに横浜と道志村との繋がりを再認識し、興味を持って頂けたら幸いです。

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ひゃくしょう会

blog:https://ameblo.jp/foodloop/
facebook:https://bit.ly/31dtD6D

株式会社SORIN

HP:http://www.sorin-info.com/

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