青海波と千鳥を合わせた模様、波千鳥。 結んだ際に青海波の天地が合うように斜めに模様を配置した。刺し子風呂敷は染風呂敷と違って、糸を刺し通す分布が歪みやすい。これは約50cmと小さいサイズなので、なんとか許容範囲の仕上がりになったと思う。 刺し子風呂敷はこれまでもたくさん作ってきた。多くは布全面になるべくバランス良く伝統模様を配置した、刺し子のための刺し子風呂敷。なんか変な言い方だけれど。 もう一つ、私の中に「染めへの憧れの刺し子風呂敷」という分類があって、今回の
写真は本文と全く関係のないある日のおやつ。半分こおやき。 少し前から、何か一つ作るごとに一枚の紙に記録をとっている。忘れっぽくなり、色々自信を持てなくなってきているので、その対策。振り返るとちょっと前の自分がぼやーっと霞んでいて、恐ろしいったらない。 それまではどうしていたかというと、一応一冊、刺し子用ノートを用意していた。制作中のこと、今後作ってみたいもの等々を、思いつきで記したもの。でも思い付きなので、ほとんど役に立たっていない。後で見返しても知りたいことはほぼ
私には長く刺し子を教えて頂いた先生がいる。数年前にお稽古は終了したけれど、今でも折々に連絡を取っていて、今年はもう師走でばたばたしているから、年明け早々にお会いしましょうという事になった。先生からのメールには「まだまだ色々な模様がありますし」と書かれていて、私は先生のご自宅の棚にびっちり納まった模様の下書きを思い出して嬉しくなった。もう課題は出ないけれど、見せてもらう、聞かせてもらうという事も大切なお稽古だから。 先生と話していると、自分の手の届く範囲は、ずっと変わらな
Threadsのほうが気が向いたときに気軽に書き込めるなあと思い、しばらくあちらにいました。 でもThreads、開いたときに目に飛び込んでくるおすすめが、なかなかの確率でものづくりをする人の愚痴か病気の話なのがしんどい。私が刺し子をしていて、販売もしていること、そして、年齢。この二つに引っかかって来るのだろうけれど、愚痴も病気も現実ですでに満腹。不用意に見たくないなあ。 と思ってnoteに戻ることにしました。今日までごめんねnote。気軽に静かに、主に刺し子の話を書い
首こりでぐぬぬぬぬとなっていました。 肩こりを通り越して首、さらに通り越して耳、登りの終点、頭に到達した後、一気に脇に降りてきたコリでした。こり過ぎて肩と首からはギシギシと音がして、耳はどくどくと脈を打ち、頭痛と車酔いのような不快感まで出現し、仕方なく整形外科へ。痛み止めと筋肉の緊張を緩和するお薬を出してもらいました。数日服薬して、こまめに軽いストレッチをして、ようやくましになってきたところです。ましになれば良い。ましな程度で通常運転なのです。 「刺し子を休めば治る
あれから5枚刺しました。 どの布も大体20~30㎝のはぎれだから、一日1、2枚は刺せるだろうと思っていたのに、途中から畝を出すことにはまってしまい、気づけば一枚一枚になかなかの時間をかけているのでした。 でも、というか、そのおかげでというか、試してみたい刺し方を思いついて、今やってみているところです。想像に近い出来になれば主軸になってくれると思う。大きな布にもきっと活用できると思う。そして念願の、洋服作りにも取り入れられると思う。 実は、服に刺し子を取り入れた
布のはぎれは、小物作りや試し刺しに使うつもりで籠に入れてあるものの、小物はごくたまにしか作らない。試し刺しは、はぎれで試せるのは一目刺しで、模様刺しとなると事足りず、そもそもあまり新しい一目模様を刺さないので、滅多に使わない。藍木綿の2、30cmのはぎれがどんどん溜まっていきます。もう限界。山盛りです。先日風呂敷が完成して、今は下書きした大きな布がない時期なので、重い腰を上げてはぎれに刺し子をすることにしました。サイズに合わせて、模様を書いたり書かなかったりしながら刺してい
去年から、組子細工の欄間のように模様を繋いだ刺し子風呂敷を作ってみたいと思っていました。素敵な欄間の写真を見つけてはぽちぽちとpinterestに保存して、時々それらを眺めては、麻の葉模様は必ず入れるとして、他にどんな模様を組み合わせようかと考えていました。 ところが、頭の中でまとまる前にうっかり大きな布に別の模様を刺し始めてしまい、しかもそれに半年も費やしてしまい、計画は先送りに。年が明けてから再開し、先週ようやく仕上がったというわけです 大きな布とは少し前の記事に
現代の装飾を目的とする刺し子には、伝統模様(またはそれをアレンジした模様)がよく使われます。私が師事した先生は、「初めての模様はまず方眼紙か斜眼紙に描く」を基本とされていたので、私はお稽古でたくさんの模様を紙に描きました。それをコピーして貼り合わせ、晒しの間に挟んで写したり、布の上に乗せて鉄筆でなぞって写したりするのです。コピーする際に拡大縮小すればある程度希望のサイズになります。ある程度ですが。「そうやって、晒しだけでなく色んなものに刺してみてね」とよく言われていました。
藍木綿の刺し子風呂敷、麻の葉模様部分が縫いあがりました。これから上下に別の模様を刺していきます。 濃色の布に模様刺しをする際は、白色で下書き線を書きます。 が、白の下書きペン、どれも粉状なのです。 刺し子は縫い縮みをおさえるために糸こきをたくさんするので、表面に乗っているだけの粉は、すぐに飛んで薄くなってしまいます。刺しながら、消えたところはもう一度引きます。 麻の葉模様は、組子でいうところの「三つ組手」の線まで刺してしまえば、あとは交点を頼りに消えた線を
ひとつ前の記事で、 と書きました。今日はその後のお話です。 自分の刺しやすいリズムが掴めて、なんとなく針目が揃ってくると、次はそれを軸にして「いつもより少し変える」ことが出来るようになります。「いつもより少し」は数値で言うと1、2mmくらい。模様刺しの針目は人によりますが一目2、3mmが多い。目視で「2mmで刺そう」「今日は3mmにしよう」と狙って針を入れ続けるのは、やったことがありませんがおそらく難しいのではないでしょうか。感覚に任せる方がうまくいくように思います。
刺し子風呂敷を作っています。生地は藍木綿、糸は生成り。今は麻の葉模様の段を刺しています。 模様になる前の線は、足跡のようだと思う。濃色の布に生成りの糸の組み合わせは特に、夜中降る雪の上を誰かが通り過ぎていくようだと思います。雪が足音を吸い込んでいくような。 だから、「針目が静か」と思えたらまあまあ気分が良い。逆に「何かがちゃがちゃしているな」と感じたら、一旦考え直そうかとなります。私が思うがちゃがちゃの原因は大抵、 必要のない箇所で針を抜きがちで、針目の流れが分断さ
先日販売した刺し子ふきん。中心に模様刺しの麻の葉、上下に一目刺しの祭り提灯、田水。気に入っている組み合わせで、一つの模様のように捉えています。 一目刺しは手法上、独特の模様が多いです。模様刺しよりもこぎん刺し寄りなイメージがあります。祭り提灯と田水は前回の記事でご紹介した、 書籍 徳永幾久/刺し子の研究(1989年出版)/衣生活研究所 に載っています。まず地刺しをして、その目に糸を通す。糸通し刺しやくぐり刺しと呼ばれる手法です。祭り提灯はinstagramに載せる
年に1枚は、挑戦と言えるような作品を作ることにしています。2022年は飛島刺し子でした。 こちらの本に載っている飛島刺し子の女性もののドンザ(漁師の着物)。その背部分のアップの写真の美しさに憧れて、私は110cm×150㎝のグレーの綿生地の全面に、紺色の刺し子糸で刺しました。作業できる日もできない日もありつつ、製作期間は模様の下書きに1か月、刺し子に4か月。これまでで一番時間がかかったという意味でも、思い出の一枚になりました。 山形県酒田市飛島でドンザ(漁師の着物)
※こちらの記事は、2022年6月21日にSTORESのNEWSに書いたものです。 https://sashiko-tane.stores.jp/ 二幅の藍木綿に二重丸を刺した風呂敷を作りました。 まるの風呂敷は2016年から作っています。 「中心に二重丸、一隅を扇状に刺し、三つ編みの房を付ける」 この三つは共通で、他の細かいところはその時々決めています。布の面積や、糸の種類、私の気分。 このまる風呂敷の発想の元は、明治期、山形県の紅花商家の妻女達が刺した家紋入り
※こちらの記事は、2022年6月12日にSTORESのNEWSに書いたものです。 https://sashiko-tane.stores.jp/ 竹格子という一目刺し模様の大津袋を作りました。 ころんとした形に竹格子がとても合っていると思います。もう一つは竹格子の裏に出る模様です。名前はありません。 刺し子の一目刺し模様の刺し方は、現在は方眼線やドットを下書きして、それに沿って配列を工夫して縫い進める方法が殆どだと思うのですが、この竹格子は方眼線が目安程度の働きしか