【考え事】早い検知はほぼ予測(ダイラタンシーxセンサー)
はい、今週はダイラタンシー週間なので、今日も元気にダイラタンシーしていきたいと思います。過去記事はこちら↓
■ ダイラタンシー流体
さて、ダイラタンシー流体の特徴について振り返りたいと思いますが、今回は小難しい特徴は置いておいてこの動画です。
これの何が凄いって、グーで殴った時に「強く行くぞ」って教えていないのにバッチリガードしていることです。液体表面で完全にガードしているので、内部へのダメージはほとんど無いと言っていいでしょう。つまりこれ、立派な防災装置ですよね。
■ 『相手が強く来たかどうか』はどうやって分かる?
「教えられていないのになぜガードできているのか」についてですが、前回記事で書いたこの画像が参考になると思います。
そもそも粒子(≒車)がある速度以上で動くことができないという制約があるので、それ以上の勢いで来た衝撃に対しては無条件でブレーキがかかるという便利機能です。だから速い・遅いの区別を見込んで(≒予測して)対応しているわけではなく、センサーで衝撃の速度を察知し、脊椎反射的に速い衝撃にブレーキを掛けられる仕組みですね。粒子側としてはびっくりして「痛てててて」となっている状況ですが、全体から見ると「どこからでもかかってきなさい。強く来たものは無効化してやるから。」という超強いキャラクターが言う状態になっているんですね。やっぱダイラタンシー流体強いな。
■ 早い検知はほぼ予測
このような仕組みは、結果的に外部からいつ来るかもしれない刺激に対してセンサーを張って監視しており、異常が現れた時に被害最小限で食い止めるという仕組みと見ると、防災設備と似ている点があると思います。
1. 緊急地震速報
例えば地震の緊急地震速報。地震予知はまだ科学的にできるようになっていないので、緊急地震速報は予測ではなく検知で動いています。地震波は大きく分けてP波とS波に分かれており、先にP波が来てから大きな揺れ(S波)が来るまでに少し時間が空きます(数秒~数十秒程度)。この時間差を利用して、P波を観測した瞬間にスマホを通じて全国民にアラートするという仕組みです。
2. 止水版
浸水時などに地下へ水が侵入しないようにする止水版も、今では水の力を利用して稼働するものが出ています。水位が上がった時だけ自動的に稼働する仕組みです。
3. 防火シャッター
火事の時の防火シャッターも、熱を検知したら火災が広がらないように自動的に閉まる仕組みのものがあります。熱源センサーと防火シャッターは別の装置ですが、「検知して遮断する」という働きとしては同じです。
4. くしゃみ
あと意外とくしゃみもそうかもしれないですね。鼻に異常な物質が入るとムズムズして反射的に外に出そうとする仕組みが働くので、人間にも備わっている防災機能ですね。涙、吐き気なども同じ機能だと思います。
5. 情報セキリュティ
情報セキュリティも一種の防災です。不正アクセスを瞬時に検知するIDS(Intrusion Detection System)という仕組みや、不正アクセスを遮断するIPS(Intrusion Prevention System)という仕組みがあります。
■ ビッグデータ時代の早期検知の重要性
これからはあらゆるモノがインターネットに接続され(IoT : Internet of Things)、市場に流通する情報量が今後30年で100万倍になると言われています。もはや人間が一つ一つのデータをチェックして異常を検知するのは不可能になるので、センサーからの監視データを機械学習で分類する異常検知の仕組みが重要になってくると思います。
また、どこかのセンサーで検知した異常をきっかけに、自動的に反応してくれるデバイスも普及してくると思います。(外で雨を検知したら自動的にベランダに屋根が出る、牛乳が切れたら教えてくれる冷蔵庫、など)
以上、ダイラタンシー流体の自動検知&制御機能は素晴らしいよね、というお話しでした。
【参考資料】
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