見出し画像

ガーナのコロナによるアジア人差別と青年海外協力隊の功績【後編】

JICA海外協力隊として、西アフリカのガーナで高校で音楽の先生をしている(していた)磯村要と申します。

この note は下の note の後編になります。



上の note では、アジア人差別がある中、日本人の印象が非常に良いという話を note にしました。



なぜ日本人の印象はいいのか...


画像3

高校の同僚の先生たち


ではなぜガーナにおいて、日本人の印象は中国人に比べてこんなにもいいのか...

様々な理由があると思います。


その中でも大きく貢献しているのが、長年に及ぶ「JICAによる支援」と「青年海外協力隊による活動」があると思います。


青年海外協力隊隊員は、駐在系の方々や海外旅行の人達が泊まることもないようなエリアで2年間住み、現地の言葉と現地の文化の中で生活していることが多いです。


画像3

村への道

画像4

高校の前

画像5

家の周辺


任地に寄り添った、お金に縛られない支援を多くの隊員がしています。


隊員によっては村のチーフ (村長的ポジション) になる人もいるぐらいに...w


日本の印象の良し悪しはその隊員の腕次第ですが、日本人を知ることには必ず繋がっていると思います。




またガーナでは英語を話せる人が多く、多くのビジネスの現場ではそれらの言語を話す事が基本になります。

ので、ビジネスでガーナにいる外国人は基本英語が話せれば、どうにかなります。


しかしより深い人間関係を作りたい時には、現地語を話す事がとても大切だと思います。

首都でも現地語を喋ると、笑顔になってくれるガーナ人が多くいます!

それは地方で揉まれながら生きている青年海外協力隊だからできるコミュニケーションだと思います。




青年海外協力隊の功績【実際の話】



実際に青年海外協力隊の存在が日本人の印象を良くしている場面がありました。


自分が日本に一時帰国する際、校長に「コロナウイルスによる差別でバスに乗れるか心配なんだよね...」と話したところ、



「ガーナ人は日本人の優しい心を知っているから大丈夫。

私も小学生のころ、日本人のボランティアに授業を受けたことがある。

なんの授業だったかは覚えていないけど、とても良い人だった。

だから校長になった今、JICAのボランティアをこの高校に呼んでいる。

多くのガーナ人は日本人の授業を受けたり、日本人と関わったことがあり、その人間性や性格などを知っているし、リスペクトしている。

だから今回も大丈夫。」


と言ってくれました。



また自分の高校の給食長のおばちゃんも、大学時代、その大学に青年海外協力隊で柔道を教えに来ていた人がいたらしく、日本人である自分の性格を踏まえて、凄く良く配慮してくれました。




長年青年海外協力隊が関わっている農家がある地域に行った際にも、その功績を感じました。


アフリカの田舎では、1歳ぐらい小さい子などは黄色人や白人を見ると泣き出してしまったり、2-4歳ぐらいの子供は遠くから様子を見るように警戒しつつも興味を持つことが多い。


しかし長年青年海外協力隊が関わっている農家がある地域に自分が行った時には、村全体に歓迎ムードがあり、子供たちも日本語を使って接してくれる事が。それは長年の活動の賜物だなと強く感じました。

画像2


青年海外協力隊の意義


青年海外協力隊の目的は、正式には3つあり

(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)異文化社会における相互理解の深化と共生
(3)ボランティア経験の社会還元

です。


青年海外協力隊は正直なところ、成果を出せない事業とも言われています。

国際協力の知識の乏しい素人隊員が、2年間という短い期間で何が出来るのか。

多額の国のお金を使い、成果を出せない活動になんの意味があるのか。

隊員自身もそこに悩み苦しみながら活動している人が多くいます。


ここでいう「成果」とは、現地の人たちの根本的な問題を解決したかどうか、経済的な効果があるのかどうかだと思います。

例えば住民の所得向上や水へのアクセス改善、保険医療の拡充などでしょうか。


確かに目に見える成果は大切であり、それを求めていかないといけないと思います。

そして日本にとっても、現地にとっても金銭的なメリットを創出していかなければいけないと思います、




ただそれとは別の成果として、



日本人を知ってもらい、日本人の印象を良くする



というのも大切な成果だと思います。



青年海外協力隊がただいてくれたおかげで、日本人に対していい印象を持ってくれてることが多くあります。

自分も昔隊員がいてくれたおかげで、村の人々が日本を知っていてくれたり、話しかけてくれたり、助けてくれたりするシーンが数多くありました。

またJICAのプログラムで日本で研修を受けたことがある教育省のお偉いさんや、日本の大学院に留学して、州知事になったりしてる人もいます。




日本への還元


このように、青年海外協力隊やJICAが作り上げた成果は、金銭的や数字的な部分だけでなく、「日本人への印象」という分かりにくい成果もあると思います。


それはJICAや青年海外協力隊が、日本人や日本人旅行客、企業などに還元できている成果ではないかと思っています。



東南アジアや中東、カリブ海、南米、アフリカを旅行した際に

日本人に良い印象を持ってる人がいたら、

それは前の旅行者や在外日本人、そしてJICAや青年海外協力隊の人達が

作り上げた遺産であることを忘れてはいけないと思います。


それは自分自身も

先輩隊員や、過去にその場所を訪れた日本人に

感謝して活動しなければいけないです。


ガーナに帰ることが出来たら、また日本人として恥ずかしくない、立派な活動をしたいなと、この記事を書いて改めて思っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?