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言葉の宝箱 0244【女に一途になれる男はいざという時も裏切らない】

『LIFE』本城雅人(双葉社2015/4/25)


幼い頃から共にボールを蹴ってきた修平、文雄、靖春の三人の人生は
高校三年のインターハイでのワンプレイをきっかけに一転する。
22年後、現役のプロサッカー選手として未だ戦い続ける修平の前に
文雄が姿を現したことに警察官となった靖春は警戒を強める。
文雄はサッカー賭博をシノギにしており、
中国の黒社会との付き合いも噂される捜査対象者だった。
修平のキャリアを守るため、
文雄を調べ始めた靖春はやがて22年前に端を発する殺人事件に辿り着く。
逃れられない過去に苦しみながらも人生に立ち向かう男たちを描く
クライムノベル(犯罪小説)。

・子供がいるからといって円満とは限らない。
愛情なんてものは、金庫の目盛りと同じだ。
一致する感性の周りには、無数の不一致が存在している。
だから目盛りが一つ動いただけで、好き嫌いが変わり、
今まで見過ごせたことが、気になって仕方なくなるのだ P30

・女に一途になれる男は、いざという時も裏切らない P42

・しつこく食い下がるほど惨めなものはない。
人は何かを一つ失うと、
さらにまた大事なものをなくしてしまうようだ P134

・互いに言わなくてはいけないことが言えない。
言ってはいけないことを口にしてしまう P242

・男の戦いは、幼い頃、友達と遊んでいる時から始まっている。
他人に嫉妬したり、羨ましく思ったり、不安になったり・・・
そんな小さな競争の積み重ねだ。
それでも悔しさを見せるわけにはいかない。
嫉妬も不安もすべて心の奥底にしまいこみ、
素知らぬ顔で通さなくては仲間から認めてもらえなくなる P309

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