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言葉の宝箱 0269【細かいことなんて後で考えればいいんです。明確なゴールを求め、そこに行き着くためには、何が問題になるのか、どこを工夫しなければならないのか、そこに知恵を絞った方が、よほど効率的ですし、いいものが出来上がるはず】

『ドッグファイト』楡周平(角川書店2016/7/31)


 通信販売と運送会社との関係がよく分かるお仕事小説。
スーパーが撤退した高齢化した
過疎地の食、地域の安全を担うのは宅配業者かもしれない。

・商売ってのは、本来いかにして効率よく利益をあげるか。
利益を膨らませるか。そこに知恵を絞るものだろ(略)
だけどな、規模がでかくなると、今度はいかにして無駄をなくすか。
うちの場合だと、ターミナルの稼働率を上げ、車両の積載率を上げ、
従業員をフルに働かせるってことに眼がいくようになるんだよ。
どうせ車を走らせんなら空気運ぶより、
安い運賃でなんぼかのカネになった方がマシだ(略)
赤を出してるわけじゃないが、利益も出ない。
そんなのビジネスとはいえねえだろ。
こんな感覚で商売やってたら、
荷物取扱量と売上はでかくなっても、利益は一向に上がらねえ。
これじゃあ、誰のためにやってんのか、わけ分かんねえじゃねえか P72

・細かいことなんて、後で考えればいいんです。
どんなことをやりたいのか、どんなものを作り上げたいのか。
大勢で議論しながら積み上げていくよりも、
明確なゴールを求め、そこに行き着くためには、
何が問題になるのか、どこを工夫しなければならないのか、
そこに知恵を絞った方が、よほど効率的ですし、
いいものが出来上がるはずなんです P187

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