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言葉の宝箱 0575【わたしなんか無理だと思うなら、ひとの二倍でも三倍でも努力して無理でなくしなさい。わたしなんか無理、だから何もしないというのは、謙虚でも何でもない、ただの傲慢だよ】

『花のお江戸で粗茶を一服』松村栄子(ポプラ社2017/11/9)


『雨にもまけず粗茶を一服』『風にもまけず粗茶を一服』の続き、
弓、剣、茶の「三道」を伝える〈坂東巴流〉の嫡男・友衛遊馬、二十歳。
家出先の京都から帰還するが
家元でさえ副業しなければ家族を養えない貧乏流派。
働き口を探してこいと言われ、
建造が始まったスカイツリーの警備員に収まるが、
周囲からは「あそこの跡継ぎはダメだ」と後ろ指を指され、
ガールフレンドとの仲も行き止まり。
冴えない日々の中、曲者ぞろいの茶人武人にやりこめられながら、
遊馬は自分の進むべき道をぐるぐると探しつづける。
明日が見えない笑えて泣けて元気になれる物語。


・茶道も武道も、できる人間は礼儀を重んじるもんです P81

・素人は瑣末なことにこだわるので厄介だ P89

・何だろうと問うことは大切なことだ。
問わずにたどりついた正解と、問うて迷ってたどりついた正解では、
同じ答えでも重みが違うものだ P91

・わたしなんか無理ですと言うのはやめなさい。
ほんとうにわたしなんか無理だと思うなら、
ひとの二倍でも三倍でも努力して無理でなくしなさい。
わたしなんか無理、だから何もしないというのは、
謙虚でも何でもない、ただの傲慢だよ P179

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