言葉の宝箱 1217【自分があるひとなんだな。己が持つ意志と思想に沿って生きているのだ。それに反する事柄には屈せず、自分を貫き通す】

『花屋さんが言うことには』山本幸久（ポプラ社2022/3/14）

『Ⅰ泰山木』『Ⅱ向日葵』『Ⅲ菊』『Ⅳクリスマスローズ』『Ⅴミモザ』『Ⅵ桜』『Ⅶスズラン』『Ⅷカーネーション』８話連作短編集

・人生が地味だから服も地味なのか、
それとも服が地味だから人生も地味なのか　P36

＊たいがいの切り花は導管に空気が入ったせいで、ぐったりしている。
これを取りだし、まずは下のほうの葉を取っていく。
葉は水に浸ると腐ってバクテリアが発生し、
その水を吸うと花が駄目になってしまうからだ（略）
切り花の茎を浸したまま、ハサミで五センチほど斜めに切る。
こうすれば導管に水が流れができて、花が生き返るのだ　P64

・男という生き物は、
本人にその気がなくとも女に対して威圧感があるものだ　P80

・つまらぬ憶測は、ひとに言い触らすよりも質が悪い　P179

・どうかしているのが、恋心というものなのだろうか（略）
言葉を交わさなくても気持ちが通じると思っていた私が莫迦だった　P216

・人生は一度きり。若いうちに自分のやりたいことに取り組まなくちゃ。
歳を取るにつれ、難しくなっていくからね。
おかげで私なんか後悔の連続よ。やんなっちゃう　P235

・後悔つづきの人生だった、でも間違ってはいなかった、
その証拠にいまの私は、そこそこ幸せじゃないかと思うわけ。
ただの錯覚かもしれないけどね　P237

・自分があるひとなんだな（略）
己が持つ意志と思想に沿って生きているのだ。
それに反する事柄には屈せず、自分を貫き通す　P269