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言葉の宝箱 1106【未来を見れば、不安になる。過去を見れば、後悔する。今だけを見るといいよ】

ひねもすなむなむ』名取佐和子(幻冬舎文庫2021/10/10)

自信のない若い僧侶の仁心は岩手県の寺の住職田貫の後継として高知県からやって来た。田貫は供養の為ならゲームもやるし、ぬいぐるみ探しもする少々変わった僧侶。面倒に巻き込まれつつも師として尊敬し始める仁心だが、田貫には重大な秘密があった。後悔のない人生なんてない。
今を生きるための力を伝える僧侶のお仕事小説。


・死は特別なことじゃないよ(略)
だからこそ、誰もが誰かの死を抱いて生きている。
死はどれも違っていて、どれも尊く、せつない。
僕ら僧侶はそのことさえ胸に刻んでおけばいいと思うんだ。
いろんな人の死に、頻繁に接する仕事だからね P37

・未来を見れば、不安になる。過去を見れば、後悔する。
今だけを見るといいよ P58

・人を赦すって苦行だからねえ。簡単にできることではない P74

・仏教の教えは、今を生きる智恵だ。
だから死者を弔うことで、正者を救えるときがある。
僕らはそういう仕事をしているんだ P77

・煩悩をなくすという意味での“成仏”は、
なにも死んだ人間だけが目指すことではないですよ。
生きているうちに成仏できたら、どれほど楽なことか P101

・あいつを赦さねえことで、自分を保ってたからよ P105

・逝く人も遺される人も、後悔のない死は難しいのかもしれない P109

・親の一番の望みは、子どもの成長を見ることなんだ。
子どもを忘れるなんて、一生できないんだよ。
その子と離れてどれだけ時が過ぎても、
その子との距離がどれだけひらいたとしても P165

・自分の心に素直になればいいんだよ。言葉はあとからついてくる P180

・世の中は苦しみだらけって大前提を持つ
仏教の教えには、厳しい側面もありますね。
けんど、仏教は人生を受け入れるための智恵でもあるんや。
過去を正すことはできんけど、
今どうしたら正しい道をゆけるか考えて、
心を安らかにすることはできるはずです P207

・先に逝く人は、残された人達のために、
生きてた頃の自分に化けるんだ P239*死化粧、エンゼルケアのこと

・生きているとは変われるということなんだ P244

・死があって、そこから動きだす感情や関係ってあるよな P274

・赦せないままだと、自分を傷つけてしまうから。
自分が進むために赦すんだ P294

・仕事を楽しめる者は強い P345


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