言葉の宝箱 0531【おいしいものってすぐ幸せになれるよねえ。好きな食べ物をおいしく食べられるって、本当に幸せ】

『トッピング　愛とウズラの卵とで～れえピザ』川上健一（集英社2018/11/30）

岡山弁が飛び交う奉還町商店街で
あゆみは雑貨カフェ「セワーネ」を営んでいる。
一昨年に乳ガンが発見され、
手術も治療も順調だが夫の雅彦は心配でならない。
福男になりたくて西大寺裸祭りに参加するものの敢え無く途中で失神。
早く帰宅したいから部長を辞めさせてくれと社長に直訴。すべて妻のため。そして遂に“で～れえ（すごい）”ことを思いつくのだが、
大騒ぎする雅彦をばっかじゃねぇという顔で見る息子にあゆみはこう諭す。「生きているって、
何もないことや、悲しいこと、辛いことの方が多いんよ。
じゃから笑顔がうれしいの。
お父さんの明るい笑顔はみんなを救っているんよ。
ガンになってからも
お父さんの笑顔がどんな薬より身体にいいって思っとるんよ」
乳ガンを患う妻を元気づけたいために、
夫の愛の大暴走が加速するハートウォーミングな家族小説。


・おいしいものってすぐ幸せになれるよねえ。
好きな食べ物をおいしく食べられるって、本当に幸せ　P101