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言葉の宝箱 0464【過ちを認めるのに、遅いも早いもありまへん】

『鴨川食堂③いつもの』柏井壽(小学館文庫2016/1/9)


食にA級もB級もありまへんけど、
人間にも一流も三流もありまへん。みな同じです。
京都・東本願寺近くで鴨川流、
こいし親娘が営む食堂では思い出の「味」を捜してくれるという。
食が呼び覚ます温かな記憶にふれ、
依頼人は明日への一歩を踏み出してゆく。シリーズ第3弾。
6話連作短編集。

『かけ蕎麦』
親にとって、子どもは幾つになっても子ども
『カレーライス』
人間に、一流も三流もありまへん
『焼きそば』
食捜しはするけど、人捜しはせえへん
『餃子』
罪を許された日の、まかない料理
『オムライス』
好物だったのに、見ると吐き気がしてしまう
『コロッケ』
過ちを認めるのに、遅いも早いもありまへん


・本物と本物が合わさったら、
どっちが勝って、どっちが負けるてなことにならへんのですなぁ。
うまいこと調和しよる。
我が我が、てな主張はしよらんのです P42

・継ぐということは、決して職業やら形やない。心なんや。
子どもがどんな仕事をしてようが、伝わってきた心は継いでほしい。
どこの親でも、そう思うてるのと違いますか P44

・食にA級もB級もありまへんけど、人間にも一流も三流もありまへん。
みな同じです P98

・女てね、心底恋した人のことは忘れへんもんですよ P169

・夫婦っちゅうのは不思議なもんですなぁ。
赤の他人どうしやのに、親子兄弟以上に気持ちが通じるようになる。
どんな隠し事をしとっても、すぐに見透かされる P182

・過ちを認めるのに、遅いも早いもありまへん。
懺悔なさってるあなたのお気持ちは、十分通じると思います P278

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