田中洋平_

映像プロデューサー。川崎市在住。副業で訪問介護を始めました。 映画は年間平均200本鑑…

田中洋平_

映像プロデューサー。川崎市在住。副業で訪問介護を始めました。 映画は年間平均200本鑑賞、リアリティを感じる家族モノなどを好みます。 野球は35年くらい阪神ファン。サッカーW杯は現地観戦派。毎週末は競馬場。 noteは気分で備忘録的に活用しよかと思っております。

マガジン

  • 田中Pの身勝手な映画感想

    鑑賞して好みだった映画だけ感想を書いてます。限りなく備忘録です。すいません。

最近の記事

映画「違う惑星の変な恋人」

監督:木村聡志 美容室で働くむっちゃん(莉子)は先輩のグリコ(筧美和子)と仲良くなる。グリコに復縁を迫るモー、グリコの知り合いでイケメンのベンジー、、4人の恋の矢印がグルッと絡み合う物語。 恋愛群像笑劇を好む演出家たちが嫉妬しそうな脚本!絶妙にいそうでいない人々による会話がいちいち面白いやつ。セリフの言い方とか間も良いのじゃろうけど、会話のセレクトというかネタが秀逸。長回しで会話を楽しむって観点からだと舞台化したら面白そう。この恋愛たちには答えを出さないでずっとグルグルとや

    • 映画「瞳をとじて」

      監督:ビクトル・エリセ ビクトル・エリセの31年ぶり長編映画。みなさん楽しみにしておられたのではないでしょうか、私もです。期待に違わぬ169分でした。生きて映画を見続けた者たちへのご褒美なのじゃろか。 あらすじこちら→「別れのまなざし」という映画の撮影中に主演俳優のフリオ・アレナスが失踪してしまう。状況から自殺と見られたが遺体はなく、、22年が経つ。映画の監督でフリオの親友だったミゲルはこの未解決事件の謎を追うTV番組に出演することに。出演に際して当時の関係者に再会し自身

      • 映画「VORTEX」

        監督:ギャスパー・ノエ 心臓に持病を抱える夫と認知症が重くなってきた妻。老老介護の末に人生最後が近づく2人のドキュメントのような物語。 12/8公開の今作ようやく観てきました。これは凄い!観た方がいいって言いたくなるヤツです。タイミング遅いですが。 凄いと言いつつも。最初に書きますが、この映画は誰かの批評や感想を気にするもんではありません。観た人の環境・状況で感じることが異なりすぎるはずなので。私の感想はあくまで私の背景での感想。人間ドックD判定の45歳独身おっさん、仕事

        • 2023年_ベスト映画

          大晦日の午前中に大掃除するのがルーティーンになってきまして。気がつけばなんとなく。掃除機かけて拭き掃除して映画のDVDとパンフレットの棚を拭いていると、、脱線。年末だし寅さんに会いたくなって"男はつらいよ"の第何作を見ようかな〜って展開に。で昼飯に蕎麦食べにいって午後ゆったりと「男はつらいよ第10作 寅次郎夢枕」を見ちゃう。最高ですね。 今年もいい映画見れたなって気になるからお安いご用。 2023年は5月にフリーランスを解消して会社に加入したこともあり、鑑賞本数は自ずと減っ

        映画「違う惑星の変な恋人」

        マガジン

        • 田中Pの身勝手な映画感想
          61本

        記事

          映画「モナ・リザ アンドザブラッドムーン」

          監督:アナ・リリ・アミリプール 12年間精神病院に隔離されていたモナ・リザ。 ある満月の夜、突如として特殊な能力が身につき病院から脱走する。12年ぶりの外の世界で彼女はどうなっちゃうのかって物語。 チラシのビジュアルから想像つかなかったけど意外と痛快な映画でした。 ズラした設定(特殊能力)は1つだけにして脱走した先の世界や登場キャラはめっちゃリアルなのがいい。リアルタラしめてるのはニューオリンズってロケーションかも。ストリッパーとか用心棒とかヒト癖あるキャラがほんとにいそ

          映画「モナ・リザ アンドザブラッドムーン」

          映画「ほかげ」

          監督:塚本晋也 終戦直後、半焼けになった小さな居酒屋で一人暮らす女。体を売りながら絶望の淵で生きていた。ある日から家族をなくした子供と復員兵が店に入り浸るようになる。 日曜日の夜に萎えたなあ、、なるべく短く書こう。95分の尺でどっと疲れる映画でした。終戦後を描く塚本監督の角度が秀逸な上に役者の強い演技が圧となって見る者にのしかかる映画だから。 趣里さん素晴らしいですよほんとに。 戦争の悲劇を描いた今作は戦場ではなくそこらの街の片隅に生きながらえていた人々の姿に焦点を合わ

          映画「ほかげ」

          映画「まなみ100%」

          監督:川北ゆめき ボクは器械体操部のまなみちゃんという平凡な女の子を好きになり、高校〜大学〜現在でいくつかの恋愛を経てもずっと好きだった。そしてまなみちゃんは自分ではない誰かと結婚する日が来る。淡い10年の物語。 冒頭に言ってしまうと、、、この映画の主人公が全然好きじゃないです。軽くて、ノリでうまくいっちゃうこともあるやつ。監督ご自身の回顧物語なので書くの心苦しいですが、映画の中のYUZUくんはどうにも好きじゃない。それでも今作はなかなかに響きました。ずっと好きだったまな

          映画「まなみ100%」

          映画「あしたの少女」

          監督:チョン・ジュリ 実習生として大手通信会社のコールセンターで働き始めた高校生が3ヶ月後に自死した。2017年韓国の全州市で起きた事件。ダンス好きの明るい少女ソヒがなぜ自死に至ったのかを2部構成で追及した映画。 報道と創作について学べる映画でした。実際の自殺が起きた時は世間に注目されていなかったそうで、ある人権活動家が記事にしたことをきっかけに事件が明るみに出てコールセンター側が労働環境の改善を発表する。その後も実習生が死亡する事件が相次ぎ、2023年3月に現場実習生の

          映画「あしたの少女」

          映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」

          監督:オレシア・モルグレッツ・イサイェンコ 1939年。同じアパートに住むウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族が第二次大戦に巻き込まれ翻弄されながらも子供達を守ろうと必死に生きる物語。 ソ連軍やナチス軍に侵攻される様子は現代のウクライナとも通ずるのです。 民族や信仰が異なっても子供たちを愛し、守ろうとする心は同じなので家族同士が団結するんですね。今後戦争というものが無くなるとしたらこの心情に帰結するんじゃなかろうか。 演出・脚本は極端に振ってます。善悪と悲劇をくっ

          映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」

          映画「アフターサン」

          監督:シャーロット・ウェルズ ※書き終わった後に読み返してみたら少々ネタバレしちゃってました。すいません。これ以下読んでくださる場合ご了承ください。 20年前の夏。11歳のソフィが離れて暮らす父親カラムと過ごした夏休み、を振り返っている物語だと思います。 説明ない系の映画で父娘がトルコのリゾート地で遊ぶ姿がしばらく続くので途中少々退屈でした。二人の会話や振る舞いからカラムは離婚して母親側にソフィが引き取られていることやカラムの生活は苦しそうなこと、そして鬱なのか?精神的に

          映画「アフターサン」

          映画「セールス・ガールの考現学」

          監督:センゲドルジ・ジャンチブドルジ 国立大学生で原子力工学を学ぶサロール。同級生に頼まれてアダルトショップでバイトを始めることに。ショップオーナーのカティアは高級住宅に住む金持ち熟女でどうやら有名人。サロールは1日の売り上げをカティアに届ける内に親密になり、今まで親の言うとおりに生きてきた自分がこのままで良いのか考えると共に性についても目覚めてくる。モンゴル映画。 これは発掘感ある。都会が舞台ってだけでもうモンゴルのイメージから遠くて新しい。随所にシュールな笑い。アダル

          映画「セールス・ガールの考現学」

          次に会うのはきっとあの世

          2023年4月。縁あって約3年ぶりにフリーランスを解消して会社員になることに。ドローイング&マニュアルという映像制作会社に加入しました。 それによって2年間パートで週1.2日働かせてもらった訪問介護事務所も退所することにした。スケジュールが読めない映像制作仕事をしながら介護職の副業はそもそも難しいのです。身体介護は徹夜明けで出来ない仕事ですし。フリーだから騙し騙しやってきたけど会社員になるとね、、中途半端にしたくないので一旦介護職は離れます。 ドローイングの方と2月に最初に

          次に会うのはきっとあの世

          映画「トリとロキタ」

          監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ アフリカからベルギーへ渡った17歳のロキタと12歳のトリは道すがら姉弟と偽り、支え合って暮らす。ビザのないロキタは祖国にいる家族に送金するためにドラッグの売人を手伝い、さらに危険な闇仕事を始めてしまう。 ダルデンヌ先生やってくれちゃった、という感想です。先生が時々選ぶ手法。心にデカい重りをつけられちゃうやつです。誰の何が原因でこんなことになったのかを考えちゃいますね。ロキタ自身か、トリの存在か、家族か、仲介業者か、運び屋をさせ

          映画「トリとロキタ」

          映画「死体の人」

          監督:草刈勲 死体役ばかり演じるうだつの上がらない俳優吉田広志(奥野瑛太)。ある日家に呼んだデリヘル嬢のカナ(唐田えりか)が忘れていった妊娠検査薬を何気なく使ってみるとなんと陽性反応が出る。 あらすじを読むと飛ばした設定のSF恋愛コメディか?と想像しちゃってた。が、、いい意味で裏切られた!というかある意味ではファンタスティックなコメディかもw ジャンルなんてどうでもいいか。 "友達"とか"恋人"みたくツルッと言い表せるモンじゃなく、ザラついて巧く言い表せない人間関係が見れ

          映画「死体の人」

          映画「オマージュ」

          監督:シン・スウォン ヒット作を出せず行き詰まっている映画監督ジワン(演じるはイ・ジョンウン!パラサイトの家政婦役でお馴染み)に1960年代の女性監督ホン・ジュウォンの「女判事」という映画の欠落している音声を吹き込んで欲しいという依頼が来る。ジワンは作業を進めるうちに音声だけでなく一部のフィルムも欠落していることに気づきジュウォン監督の家族や関係者を訪ね映画を復元しようとする。 シン・スウォン監督の実体験がベースの物語。 いわゆるミステリアス社会派映画愛ヒューマン無常モノで

          映画「オマージュ」

          映画「いつかの君にもわかること」

          監督:ウベルト・パゾリーニ 窓拭き清掃員のジョンは33歳にして病に侵され余命宣告されている。4歳のマイケルを育てるシングルファーザーである彼は残された時間でマイケルの養子先、新しい家族を探そうとする。 チラシであらすじを読んでこれはマズイぞ泣けてしまうぞって想定しとったけど。むしろ泣きに来たお客さん多数かもですね。肌感ですが3/4くらいの方が涙をすすってました。これは仕方ない。 パゾリーニ監督は前作もそうでしたがとても抑制を保つ監督です。設定で十分泣きそうな物語だからって

          映画「いつかの君にもわかること」