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映画「ほかげ」

監督:塚本晋也

終戦直後、半焼けになった小さな居酒屋で一人暮らす女。体を売りながら絶望の淵で生きていた。ある日から家族をなくした子供と復員兵が店に入り浸るようになる。

日曜日の夜に萎えたなあ、、なるべく短く書こう。95分の尺でどっと疲れる映画でした。終戦後を描く塚本監督の角度が秀逸な上に役者の強い演技が圧となって見る者にのしかかる映画だから。
趣里さん素晴らしいですよほんとに。

戦争の悲劇を描いた今作は戦場ではなくそこらの街の片隅に生きながらえていた人々の姿に焦点を合わせている。海外の僻地でのドンパチよりもある意味身近な出来事に思える気がします。「この世界の片隅に」と同じことですね。終戦直後ってこんな絶望が普通に街中に溢れていたんだろうなと。

今日1日をなんとか生きながらえる者、トラウマから抜け出せない者、死に場所を探す者、、それぞれの絶望があって。この映画見たらガザのニュース映像や憲法改正や辺野古への見方も変わるでしょう。なんと愚かな歴史なのかと呆れて。劇場に響くあの乾いた音は塚本晋也を通して70年前の人々が鳴らす警鐘のように思えました。

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