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映画「アフターサン」

監督:シャーロット・ウェルズ

※書き終わった後に読み返してみたら少々ネタバレしちゃってました。すいません。これ以下読んでくださる場合ご了承ください。

20年前の夏。11歳のソフィが離れて暮らす父親カラムと過ごした夏休み、を振り返っている物語だと思います。
説明ない系の映画で父娘がトルコのリゾート地で遊ぶ姿がしばらく続くので途中少々退屈でした。二人の会話や振る舞いからカラムは離婚して母親側にソフィが引き取られていることやカラムの生活は苦しそうなこと、そして鬱なのか?精神的にも何かしら問題がありそうなことも伝わってくる。

ポラロイドや画質の悪いビデオカメラの映像に映るのは大好きだった父だけど悩める1人の人間としても見えてくる。当時気がつかなかった父カラムの実像に同じ歳になった今だからこそ。現在のソフィは時々インサート的にしか出てこず、20年の間に何がどうなったのかは分かりませんが、今の彼女のパーソナリティはぼんやり分かるんです。あの夏の父と同い年になり当時の映像を見て何を感じるのか。説明なくとも十分でしょう。11歳から31歳ですから。理解できることや想像できる範囲って当然変わってくるものです。

親であったり子であったりする観客はどちらかに自分を置いて見る気がします。近い境遇の人や親を亡くした方にはたまらない映画かもしれません。古いカメラの映像ってだけでノスタルジックだし、誰かとの思い出に浸りそうですね。

以上の映画の核心だけで見どころはあります。しかしですね、、
良い物語がゆえに見せ方はビデオカメラに残る映像+ソフィ主観の映像だけでグレーディング違いを作る、でやり切ったらもっと素晴らしかった気がしちゃいました。職業病でしょうけども。
ソフィとカラムの2人が映る映像ばかりで進行して「あら?これはどういう目線?」て中途半端というか、普通の映画になっちゃったなあと。。

ということで物足りなさもあったのですが、今回はあえてnoteにも書きました。観たら親子の大切な何かを思い起こす可能性あるし、行間を埋める想像はきっと観た方でそれぞれですから。ただ1点、どんな方であれクイーン&デビット・ボウイの「アンダープレッシャー」は印象に残るのでは。ありゃあズルいでしょw効果的で素晴らしい。


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