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三種の神器の謎を解く

「なんでも鑑定団」を見てて、いつも思うことがある。
もし、ここに三種の神器を出品したら、一体いくらの鑑定額が出るんだろうか、と。
歴代の最高額は5億とのことだが、それは軽く凌駕するだろう。
その100倍ぐらいいくかもしれない。
というか、神器ってホントに実在するんだよな?
そのパッケージは確かに確認されてるけど、中身はチェックしてないんでしょ?
中身の無事を確かめないなんて、天皇家も宮内庁も仕事が雑すぎる。
もし、この世にルパン三世みたいな怪盗がいて、既に中身が盗まれていたらどうするつもりなんだ?

警備部員「部長、部長」
警備部長「何だ?あ、お前、その手に持ってるのは八尺瓊勾玉が入った箱じゃないか!バカ、気安く触るんじゃない!」
警備部員「いえ、それが妙でしてね、この箱、異常に軽いんですよ」
警備部長「な、なぬー!」
警備部員「ちょっと軽く振ってみたんですけど、何の音もしません」
警備部長「な、なぬー!」
警備部員「確認の為、箱、開けちゃいましょっか?」
警備部長「ま、待て!昔、その箱を開けたら煙が出てきて、その煙を浴びた者がお爺さんになってしまったという噂が・・・」
警備部員「大丈夫ですよ。この重量なら、そんなガス噴霧装置が仕掛けられてることは100%ありませんから」
警備部長「・・・わ、分かった。じゃ、俺はちょっと離れてるから、お前、開けてみろ」
警備部員「分かりました。・・・・!」
警備部長「どうだ!?」
警備部員「案の定、中身がありません」
警備部長「な、なぬー!」
警備部員「中に紙が入ってます。えっと・・・お宝はいただいた、ルパン三世」
警備部長「おのれルパンめ~」
警備部員「僕、すぐに宮内庁に連絡してきます」
警備部長「待てっ!」
警備部員「はい?」
警備部長「こんな失態、俺たち確実にクビだぞ。俺には女房子供がいるんだ。娘が今年、受験でなぁ・・」
警備部員「分かりました。部長は隠蔽したいんですね」
警備部長「ま、まぁそういうことだ。要は、バレなきゃいいんだ」
警備部員「でも、この箱の軽さ、いずれバレますよ」
警備部長「そうだな、お前、何か代わりになる物持ってないか?」
警備部員「そんな勾玉の代わりになる物なんて急には・・・あ、ポケットにこんなの入ってましたけど」
警備部長「グミが5個か・・・。よし、これでいこう」

こんな事件が昭和にあり、以降、宮内庁は今なお5個のグミを神器と信じて厳重警備している。

という冗談はさておき、今回は神器について考えていこうと思う。
まず大事なのは、神器が一体いつから存在してるか、ということだ。
現代のテクノロジーならX線検査などで製作時期を特定できるはずなんだが、なぜか宮内庁はそれを許可しない。
日本で最も価値ある文化遺産にX線など論外、まず前例がない、という頭の固い役人ならではの対応だろうが、そもそも人に見せない文化遺産に一体何の価値があるというのか。
ぶっちゃけ、あれに霊力はないよ。
だから国の役に立てるなら、有料で一般公開して、その収益を国庫に入れればいいじゃないか。
と同時に研究者にも開放して、その成り立ちを学術的に解明すればいいじゃないか。
それができて、初めて文化遺産にも価値が出るってものだ。
なぜ、それをやらない?
ま、まさか、ホントに中身がグミに入れ替わってて、今さら出すに出せないってことじゃないだろうな~。
というか、よくオタクがラノベの新刊を買う時、わざわざ3冊買って、普通に読む用、人に貸す布教用、本棚に愛蔵する保管用で分けるっていうじゃない?
宮内庁は、この「保管用」しか考えてないのよ。
「読む用」→歴史研究者
「布教用」→一般公開
は一切無視してやがる。

という怒りはさておき、とりあえず、この三種の神器を個々に解説していこう。

【八尺瓊勾玉】
これは、三種の中で最も下位とされる神器である。
その証拠にレプリカが作られてないし、さほど霊力を怖れてないのか、普通に皇居で保管されている。
というか、勾玉というもの自体が縄文時代で既に装飾品として全国に流通しており、さほど珍しいものではなかったと思うんだ。
それがなぜ、八尺瓊勾玉だけが神器となったのか。
そこにポイントがある。
おそらく、この八尺瓊勾玉が希少な材質で出来ていたからだろう。
多分、翡翠で出来ている。
翡翠といえば日本の国石(2016年に選定)であり、主に北陸など日本海沿岸でとれるものだ。
古代の日本海沿岸といえば、出雲国、日本最古の王とされるオオクニヌシの勢力圏であり、おそらく八尺瓊勾玉はオオクニヌシに献上されたものだろう。
以降、オオクニヌシの家はこれを家宝としてたが、例の「国譲り」で天孫族にそれを奪われ、天孫族は国内最強の出雲族を支配下に入れた記念品として、敢えてこれを国宝にしたんだね。
あ、ひとつ言っとくけど、ここでいう天孫族=今の天皇家、とは決して断言しないからね。
というのも、卑弥呼が魏の皇帝への献上品として、翡翠の勾玉を贈ってるのよ。
私が思うに、これって八尺瓊勾玉をモデルに作ったレプリカだったんじゃないか、と。
つまり、私の中では天孫族=邪馬台国であり、つまり勾玉の所有権の移譲は
オオクニヌシ⇒卑弥呼だったという気がする。
結局、八尺瓊勾玉は色々な権力者の懐を転々としてたのよ。
そうやって転々とするうちに、そのもの自体の価値以上に周りが勝手に神格化するようになって、気がつけば神器に・・・。
八尺瓊勾玉自身は「いや~俺、ぶっちゃけそんな器じゃないんすけどね」と恐縮してる気がするよ。

【草薙の剣】
これも、明らかにルーツは出雲である。
日本神話、および出雲神話に「スサノオががヤマタノオロチを倒し、そのオロチの体内から天叢雲剣(草薙の剣)が出てきた」とある。
もっと厳密にいうと、スサノオが持っていた剣でオロチを斬ったらその剣が折れ、よく調べたら体内から別の剣が出てきたということ。
つまり草薙の剣は通常の剣よりめっちゃ硬くて、これを根拠に鉄製の剣じゃないかという説がある。
学界では銅剣説の方が有力なんだが、鉄製なら明らかに国産じゃないよね。
仮に鉄製なら出雲が半島あたりと交易してたってことだし、このへん、一度はっきりさせようよ。
とりあえず、スサノオはこの剣をアマテラスに献上したとされている。

スサノオ「アマテラス姉さん、出雲でこんな珍しい剣をゲットしました」
アマテラス「なかなか立派な剣ね」
スサノオ「この剣はめっちゃ硬くて、僕の剣が折れちゃいました」
アマテラス「な、なぬー!」
スサノオ「姉さん、これは鉄製かもしれませんぜ」
アマテラス「つーことはあれか、出雲の奴らは海外と交易してるんかいな」
スサノオ「ありえますぜ。あいつら、油断なりません」
アマテラス「よし、スサノオ、お前はしばらく出雲に潜伏してこい」
スサノオ「え~、また行くんですか~」
アマテラス「怪しまれないよう、お前は軽犯罪を犯して国を追放されたことにしよう。公安のスパイとして、定期連絡は欠かさないように」

という流れがあり、後の「国譲り」はこういう工作があったからこそ成功したんだよ。
出雲国は、実は最初から詰んでたんだ。
さて、スサノオが「珍しい」と言ったこの剣は、一体どういう形状のものだったのか。
後世、草薙の剣を実際に見た者は「魚の骨のような形状」と表現している。
魚の骨ということは、おそらく七支刀だね。

七支刀

ちなみに写真の七支刀は鉄製で、369年に百済からヤマト王朝に献上されたとされている。
かなり実用性に乏しい剣に見えるが、なぜか記紀によると東国の征伐に出るヤマトタケルに、叔母のヤマトヒメが「これ持ってきなさい」と渡してるんだよね。
少なくともこの時点で、草薙の剣は神器でも何でもなかったということだ。
あともうひとつポイントなのは、ヤマトヒメが伊勢神宮の人だったということ。
そもそも伊勢神宮とは八咫鏡を鎮座する為に造った宮であり、その建立責任者がヤマトヒメなのよ。
その人が、なぜ敢えてヤマトタケルに剣を渡しちゃったのか。
もともとヤマトヒメは呪いに詳しい人で、というのも、かつてに崇神天皇が八咫鏡の呪力を怖れて、皇居から離れた所に持ってけという命を受けた者の後継者がヤマトヒメなのね。
よって伊勢神宮というのは呪力を封じる結界としての宮であって、そのヤマトヒメが東国に行くというヤマトタケルに敢えて剣を託したのは、要するに鏡と剣を引き離したかったということだろう。
当のヤマトタケルはこの剣が何なのかよく分かってないというか、扱いが雑というか、最後に伊吹山の神を倒しにいくという大プロジェクトに際して、敢えて剣を嫁に預けて手ぶらで行ったのよ。

タケル「ミヤズヒメ、これ預かっといて」
ヒメ「これ、大事な剣じゃないの?」
タケル「一応叔母が貸してくれたんだけど、ぶっちゃけ実用性ゼロ」
ヒメ「なんか突起物がいっぱいついてるもんね」
タケル「そうそう、持ってると突起物が足に当たって痛いんだわ、これが」
ヒメ「あ~、ホントだ~、フトモモに傷いっぱいついてるじゃ~ん」
タケル「ぶっちゃけ俺強いから、ここまで無傷なのが自慢だったんだけど
唯一の例外になったのが、この突起物によるフトモモの傷」
ヒメ「叔母さんもひどい人ね」
タケル「だろ~」

この後、ヤマトタケルは伊吹山で死亡した。
戦闘による負傷からの死亡でなく、病死だという。
考えられる理由は、あれしかない。
フトモモの傷だ。
フトモモの傷が化膿し、破傷風で死んだと考えるのが自然だろう。
あるいは、これがヤマトヒメの計画だったのかもしれない。
兄の景行天皇に「最近調子乗ってるから、タケル殺してよ」と命じられ、
いい人のフリしてヤマトタケルに剣を渡した。
・・・王朝って怖いわ~。

あ、思わず馬鹿っぽいこと書きすぎて、あまりにも長くなりすぎてしまった。
ここで一旦締めましょう。
「八咫鏡」については、また次回に。

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