見出し画像

『最近聴いてる音楽の話』 #7月

暑い。暑い。それにしても暑い。7月ってこんなに暑かったっけ?毎年言っているような気もするけど、それにしても暑くないか。要因としては気候変動だったりさまざまな影響もあるだろう。きっとそのおかげで、人々の聴く音楽の嗜好性や、食文化や行動まで僕らの生活スタイルも少しずつ変わっていくのだろうと思う。だから社会全体もそれにちゃんと適応していかなくてはいけない。アイスをバカみたいに食っても良いとか、各駅に流れるプールを作るとか、会社に水泳の授業を設けるとかそういった類のものだ。夏を全部休みにしたっていい。3ヶ月くらいくれ、夏休み。
そんな7月。音楽を聴いていても気温が下がったりすることはないけど、音楽があることで違う角度で夏を演出できたりするものだ。最高のグッドミュージックと共に夏を楽しもうじゃないか。


SONG


阿佐ヶ谷ロマンティクス "阿佐ヶ谷音頭"

■夏の茹るような暑さに負けそうな仕事終わりの夕方に、最近のリリース曲を聴きながら街を歩いていたら唐突に耳に飛び込んできた祭囃子に心がフワッと宙に浮いた。阿佐ヶ谷ロマンティクスの緩やかでのんびりとした楽曲に夏が楽しみになる。ドドンガドンの太鼓のリズムと和音階のメロディが聞こえてきたら自然と懐かしさで心が解けていくのはきっと日本で暮らしてきたからだ。両親が若い頃に暮らしていた街、阿佐ヶ谷。今年の夏はちょっと遊びに行こうかな。


almost monday "life goes by"

■こっちも夏!夏だ!爽快感のある歪んだギターリフから始まるalmost mondayのサマーアンセム。阿佐ヶ谷ロマンティクスとは打って変わって、サンディエゴ出身のバンドが送る「THE西海岸」のカリフォルニアのビーチの風が吹いてくるような楽曲。Circa Wavesの1stアルバム『Young Chasers』を思い出すような軽快なギターロックが楽しい。海にドライブ行くならalmost mondayを連れて行こう。


NiziU "LOOK AT ME"

■またも夏だ!夏だ!7月は夏の楽曲がたくさんリリースされて楽しい。色んな角度の夏が描かれるので自分に合う曲が見つかる。NiziUの2ndアルバム『COCONUT』に収録されたサマーソング。夏の曲ってキャッチーであればあるだけ良い、その自分の考えを理解されているほどキャッチーな楽曲。BONNIE PINKの"A Perfect Sky"を彷彿とさせるような爽やかな青空が似合うキラキラ感…めっちゃ平成!カッティングギター、シンセの音、メロに至るまでこのY2Kではない2005年くらいの平成感が最高に良くて懐かしい。


えんぷてい "TAPIR"

■夏の夜に見る夢のようなこのドリーミーなサウンドが愛おしく感じる。名古屋で結成された3人組インディーロックバンドえんぷてい。靄がかかったように揺らめいたサウンドには、夜になっても冷めない夏の街の温度を感じる。今間違いなく観ておきたいバンド。


Claire Rosinkranz "Screw Time"

■カリフォルニア出身、TikTokで話題になった19歳のシンガーソングライターClaire Rosinkranzのデビューアルバム『Just Because』に収録される楽曲。聴いた瞬間から何もかもが好き。ビート、ギターリフ、透き通る歌声。サーフロック、インディーポップからの影響を感じる。10月にリリースされるデビューアルバムからどんな音楽と共に新たな才能が世界へと発進していくのか楽しみだ。


ALBUM


思い出野郎Aチーム / Parade

思い出野郎Aチーム / Parade

■しょんぼりした日、どうにも上手くいかない時、朝日でも見に行こうやとドライブに連れ出してくれそうな気のいいあいつら。それが日本のソウルミュージックバンド、思い出野郎Aチームだ。僕らの生活に寄り添いながら身体や心を揺らしては共に歌ってくれるナイスガイ。そんなナイスガイの4枚目のアルバム『Parade』。世界で起きていること、社会のしんどい空気、僕らの生活の中にある窮屈さ、それを彼らは一緒に歌って叫んでくれる。明日が少しでもいい日になるように彼らのパレードは続いていく。"今日もいつか思い出したら笑ってしまう夜にしよう 通り過ぎていく毎日のなかで忘れてしまうことばかりだから"



NewJeans / NewJeans 2nd EP 'Get Up'

NewJeans / NewJeans 2nd EP 'Get Up'

■今、NewJeansの話をしなかったら嘘になっちゃうなと思うほどNewJeansの音楽はかっこいい。鮮烈なデビューを飾った1stアルバムから1年が経過して、世界中でも少しずつその存在感を表していく5人の次のステージとしてリリースされた2nd EP『Get Up』。ゆったりとしていた前作に比べると、よりY2K感の強いハウスや2stepなどのテンポの速い楽曲が多く並び、よりクラブカルチャーに届いていきそうな感じがする。特に彼女たちの存在を知らずとも楽曲やトラックの強さだけで勝負できる体制に仕上がっている。死角がなくなりつつある彼女たち。本当に強い。かっこいいね。困っちゃうぜ。でもどうか健康で楽しく活動していてほしいなとおじさんは願っているよ。



Blur / The Ballad of Darren

Blur / The Ballad of Darren

■前作『The Magic Whip』はBlurとして12年ぶり、さらにグレアムを入れたオリジナルメンバーとしてのアルバムとなると16年ぶりと大きな話題となったが、そこから8年の実質的な活動休止の時を経て待望の最新作『The Ballad Of Darren』のリリースと共にBlurが復活した。今回の再結成はウェンブリースタジアムでの公演を含め、日本でもSUMMER SONICでの来日公演など精力的な活動を見せるBlur。これこそが完全な再結成だ。何よりそれだけでなく今回のアルバムは4人で作られた音がするのだ。4人がライブで見せる充実した雰囲気からも今のバンドの良い空気感が伝わってくる。過去のBlur像を追い求めるのではなく、今の4人にできる音を追求した結果が今作には詰まっていて、だからこそファンにとっては大きい喜びとなっているのだ。来日公演が楽しみで仕方がない。


久石譲 / A Symphonic Celebration - Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki

久石譲 / A Symphonic Celebration - Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki

久石譲がアメリカ・ビルボードで「Classical Albums」と「Classical Crossover Albums」で初となる1位を獲得した今作。『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』など、これまでの宮崎駿監督作品への提供曲をアレンジし直して収録した作品。宮崎駿の最後の作品として公開されている『君たちはどう生きるか』でも楽曲を提供している久石譲。僕はジブリが好きなのか、宮崎駿が好きなのか考えた結果、久石譲の音楽が好きなのだというところに行き着いた。このアルバムではジブリというブランドや作品性とは別に、久石譲の作るフックの印象的な楽曲の美しさなどを堪能できる。夏といえばジブリ。耳からジブリの世界に入り込んでみるのもおすすめ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?