KOJI THE KITCHEN×地方創生
今日はKOJI THE KITCHENプロジェクトに込めた、地方創生への思いを書いてみたいと思います。
豊橋・東三河におもうこと
私が豊橋や東三河に対して思っている根幹にあること。それは、子ども3人のうち誰かが跡を継ぐ可能性が高いですが、跡を継いだ子にとって、豊橋/東三河が「仕方なく残る場所」であって欲しくないということです。
「**ちゃんは、東京で楽しそうで良いな」とか、グローバルな世の中で「**ちゃんは海外で刺激に溢れる生活でいいな、豊橋は退屈だな」と思って欲しくない。
子どもたちが家業を継ぐ頃に、豊橋が、楽しいまち、残りたいまち、になっていて欲しい、と、心から思っています。
今、豊橋で300人、東三河で400人ぐらいの若い人、特に女性が、主に進学や就職で首都圏に流出しています。(入ってくる人との差し引きで、です)少なくとも、現状は、必ずしも豊橋や東三河は魅力的な地域にはなっていない、と、統計的には結論づけられます。
だからこそ、豊橋・東三河が「残る・帰ってくる魅力のあるまち」にしていきたい。
それは、種麹業を次世代に残していく上で、大切な基盤になることであり、親子三代にわたって商売をさせていただいている地域への敬意と恩返しになることだと強く思っています。
具体的には、会社の事業を通じて、ここを「東京やNYにも負けない面白い仕事があるまち」にしていきたい。そうすれば、人が集まって、自然にまちの魅力が高まるのではないか。発酵という魅力あるコンテンツを持つ立場だからこその貢献として、少しでも地域のためになりたいと思っています。
そのために、既存の事業の仕事にはもっともっとやりがいと創意工夫の面白さを、そして、今まで、この地域ではあまりなかったような面白い仕事を組み込める事業にも取り組んで、その取組を発信していくことが、生まれ育った地域のためになると思っています。
また、当社のビジネスは、基本的にはお客さんが地元の人ではないです。私は、それで良いと思っています。豊橋の経済の視点に立ったとき、我々の役目は、「豊橋の外、日本や世界に商品やサービスを提供して、外からお金を稼いできて、それを給料や、原料やサービスをなるべく地元に発注して、地域にお金を還元すること、そして、地域の経済を強くすること」だと思うからです。
豊橋にデザイン・アートなどのクリエイティブを入れたかった
私自身、京都芸術大学大学院で学んでいます。そして、当社の、ひいてはこの地域のポテンシャルを最大に引き出すため、「クリエイティブ」の力を導入することにし、株式会社ロフトワーク社(東京)の支援の元、「デザイン経営」をとりいれた、新プロジェクトとして、このKOJITHEKITCHENプロジェクトが発足しました。
このプロジェクトに当たっては、若手社員の中でも、愛知出身の地元採用、関東出身の技術者、マーケティング担当者を混成チームにし、プロジェクトとして発足しました。
私たちのような、伝統的なものづくり産業においても、「クリエイティブ」が職種として成立する、その雇用が増やせる、ということを地域に示したかったという思いがあります。
折しも、LIFULL HOME'S総研の研究で、地域の人口流出を食い止めるには、地域の「寛容性」が重要だということ。その「寛容性」は、”特に文化水準の満足度(音楽・演劇・美術など芸術文化に触れる機会が多いなど)の影響が大きい”という、統計的なエビデンスが発表されました。
当社の「デザイン経営」によるこのプロジェクトが、豊橋、東三河地域の「ものづくり」に「クリエイティブ」の力を導入し、雇用を生み出した先進事例となること。
そして、豊橋や東三河地域に「デザイン」「アート」の力を活かしたクリエイティブな文化産業が盛んになることに繋がっていけば良いと考えています。
最後までご覧いただきありがとうございました。 私のプロフィールについては、詳しくはこちらをご覧ください。 https://note.com/ymurai_koji/n/nc5a926632683