世界は闇で満ちている ⑩
「今度の日曜日時間ある?」
「どうした?いきなり。」
「サキちゃんと私でB級グルメに行こ!ユアも連れて行くし!」
なるだけ店以外で会わない様にしていたが
心を開いてくれたマリナの言葉が嬉しかった。
「いいよ!一緒に行こう!」
「なら時間またLINEする!」
と言いながらマリナは小走りに走って行った。
多分、ユアを預けている託児所だろう。
僕はタクシーを拾い家路に着いた。
タクシーの中でユアに会っていいのか…冷静に考えた。父親の存在を知らないまま育っているユアに、軽い気持