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世界は闇で満ちている 11

サキの運転する車はB級グルメの会場から
やや離れた場所に着いた。
誘導する警備員の指示に従い停車した。
ここから5分くらいシャトルバスでの移動らしい。

車から降りてシャトルバスを待つ事に。
マリナはユアと手を繋ぎ僕を指さした。

「ユア見てメガネ」
「あ、ホントだ‼︎メガネ‼︎」

僕がメガネをかけているからか、あだ名はメガネになった。
あだ名をつけて僕とユアの壁を取り除く作戦。
マリナの母親の姿に少し感心した。

「ママ、抱っこ‼︎」

シャトルバスを待つ大人の人数が嫌なのか
ユアはマリナにせがんだ。
当たり前の光景だが、抱っこするマリナの姿が
か弱く見えた。
何も考えず僕はマリナからユアを引き離し
抱っこした。
ユアは何も言わず僕の背中に手を回し、顔を胸にうずめた。

「ユア良かったね。」

マリナの声にユアは顔をひょこっと照れ臭そうにあげた。

僕の中で母性が溢れた1日だった。
その日からマリナとユアは俺の標的になる。

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