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SDH(健康の社会的決定要因)による病気にならない社会作り①@さいころゼミ

こんばんは❗️
今日もホテルに宿泊のため、夜の時間を活用して記事作りです😊
今回は前回のスピリチュアルケアの記事でも触れましたが、健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health:略してSDH)について書いていこうと思います。

まず最初に、人は何故病気になるのでしょうか❓
遺伝でしょうか?それとも、ウイルスや細菌でしょうか?はたまた生活習慣でしょうか?
これら全て正解ですが、これらはあくまでも最終的な結果論であり、その過程において、別の要因が隠れているケースがあります。

また「健康」とは何でしょうか❓
病気でないことでしょうか?病気とまでは言えないけれども、ちょっとした腰痛とか、心の苦しみとか、これらも決して健康とは言えないですよね💦

健康≠病気でない

健康は病気ではない状態ではないとなると何でしょうか?
WHO憲章 では以下のように定義されています。 「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱 の存在しないことではない。」
はい、出ました。肉体的や精神的だけではなく、社会的にも完全に良好な状態。
こちらはスピリチュアルケアのお話の中でも近い話が出てきました。

社会的にも完全に良好な状態ということが非常に重要なんです。
例えば、アルコール中毒の方がいらっしゃるとします。
この方は何故アルコール中毒なのでしょうか?
単にお酒が好きだからでしょうか?もしかすると、孤独で寂しいからかもしれません。もしくは仕事や家族を失ったショックからかもしれません。
このように病気には、時には何か社会的な要因が隠れていて、病院で病気を治療するだけでは、一時的な対症療法にしかならず、また同じ病気や異なる病気を繰り返してしまう可能性があります。

社会的に良好ではない状態を生み出す可能性のある要因

SDHを考える上で、健康を侵害する可能性がある社会的要因は10個あると言われています。
それぞれの要因を一つずつ説明していきたいと思います😊

社会格差

まず一つ目は社会格差についてです。
社会的・経済的に困窮している方の健康状態は、全く困窮していない方に比べて悪いと言われるとすぐに想像がつくと思います。
例えば通常、炭水化物を多く含む食品は、タンパク質を多く含む食品や野菜などと比較すると非常に安いです。
結果として、経済的に困窮している方の食事が炭水化物に偏り、十分な栄養を取ることができなかったりもします。

他にもこういった物質的要因だけではなく、心理的要因にも大きく影響します💦
例えば、明日の生活に困っている方はずっと大きな精神的ストレスを抱えることになります。こういったストレスは病気に発展する可能性が高く、健康を阻害する大きな要因になります。

余談ですが、この経済格差がどれだけその国の中であるのかはジニ係数と呼ばれる指標で表すことができますが、こちらについても今後書いていきたいと思います😁

ストレス

経済的格差の中でも記載しましたが、ストレスは病気を生み出す大きな要因の一つです。例え、経済的に困窮していなかったとしても、ストレスによって体を壊す可能性があります。
さらにそれだけではありません。ストレスが直接的作用するのではなく、間接的に作用するケースもあります。

例えば、ストレスから過食・拒食になった。ストレスから、お酒を飲みすぎたなど、ストレスから何らかの健康には良くない行動につながった結果、そこから病気になるケースもあります。

幼少期

この幼少期はあまりイメージがわかない方も多いかもしれません💦
様々な研究によると、成人の健康の基礎は胎児期や幼少期に形成されるそうです。

例えば、この幼少期に十分な栄養が取れなかったりすると発育不良になり、大人になってもその影響が続いたりするそうです。
また、胎児期に母親が飲酒・喫煙などを続けることによって、胎児に影響を与えるケースもあります。

このように胎児期や幼少期の環境は、その後の健康状態に影響があり、本人だけでは変えることができない要因の一つになっています😭

社会的排除

社会的排除は人種差別や蔑視、いじめなどのことです。
単にストレスを抱えるだけではなく、例えば、いじめにより不登校になり、勉強が充分にできず、社会に出ても良い仕事につけず、結果として貧困に陥る。そして経済格差のところで記載の通り、健康ではなくなる、というように社会的排除が直接的にというよりかは、間接的に影響を与えます。

こういった間接的に影響があるものは見落とされがちです。
また、その場ですぐに健康でなくなるということも少ないため、気づかない間に他者の健康を阻害してしまっているケースもあります😭
例えば友達の陰口を言うなどがそのケースです。
他者を社会的に排除しないようにしていくことは社会全体で考えていくべき重要な点だと思います。

労働

この言葉だけを見ると、「働くな」と見えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
実際、労働していない方は、労働している方と比べて健康状態でない方が多く、それは経済的困窮に繋がりやすいからです。

では、この労働とは何か?これは労働環境のことです。
例えば、会社内での人間関係や上司からの叱責など、労働環境によっては大きなストレスを抱え込むことがあります。
通常日本では、週5日、8時間と起きている間に非常に大きな時間をつかっている環境のため、ストレスを非常に感じやすい要因の一つとなります。

失業

失業はここまでのお話からすぐに想像がつくと思います。
失業は貧困に陥りやすく、またその状態に対してストレスを抱え続けるというところです。
この慢性的なストレスは後述しますが、アルコール依存などの依存症につながり健康ではなくなるケースも多々あります。

皆が働ける社会作りは非常に大切な一方、そういった社会を作るためには経営者の努力だけでは成り立ちません。
社員や街全体でしっかりと考えていくべき課題です。

依存(薬物・お酒・たばこなど)

日本においては薬物依存ということは考えづらいところもありますが、一方でアルコール依存やたばこ依存はすぐにイメージがわくと思います。
そして、言わずもがな、お酒やタバコの過飲は健康を大きく阻害します。

この依存は、単に好きだからというところだけではないケースがあります。例えば裏には何らかのストレスがある場合や、幼少期の環境で親が依存症だったため、それを見て育った人も依存になったり、もしくは現在の環境が周りが皆タバコを吸っているからなどです。

この依存を解決するためにはこういった裏の環境を解決する必要があり、こういった背景を洗い出すことが重要です。

食品

食品については2種類のお話があります。
1つは栄養状態について、2つ目は衛生状況についてです。

まずは栄養状態についてですが、経済的格差のところでも記載しましたが、経済的困窮に陥っている方、もしくはラーメンやご飯、お酒が大好きな方は炭水化物の摂取量が、他の栄養と比較して多く、栄養バランスが偏る、もしくは栄養が足りないという状態になります。
この状態は、病気になる可能性を高め、健康ではない状態につながりやすいです。

一方で、衛生については、日本ではかなり厳しい審査基準があるため、衛生状態が悪い食べ物を食べることはほとんどないと思いますが、世界的に見るとそうではありません。
汚染された井戸水で洗った野菜や、農薬まみれの果物など様々なことが原因で衛生状態が良くない食べ物を摂取することがあり、これが健康を阻害することも多々あります。

交通

交通と言われて、なかなかイメージできる方はいないかもしれません。
交通にも大きく分けて2つのお話があります。
交通手段と、交通手段による環境汚染についてです。

まず交通手段についてですが、例えば適度な徒歩や自転車による通学・通勤は運動にもつながり、健康にもつながりますが、一方で自動車や電車などによる通勤は運動量を大きく減らす可能性があります。
別に全く使うな、というお話ではなく、移動時には適度に徒歩や自転車など運動につながる手段も時には選択も必要だということです。
この運動不足は生活習慣病に繋がりやすく、健康を阻害する要因の一つになります。

また交通手段による環境汚染については、最近ではガソリン車を減らし、徐々に電気や燃料電池車に移行していきましょうという話があります。
しかしまだまだガソリン車が多く、大気を汚染し続けています。
こういった環境汚染の結果、病気になる方もいます。

社会的支援

ようやく10個目の社会的支援です。
この社会的支援はそのままの通り、社会的支援が大切だというお話です。

人が自立し、健康に向かっていくには、どうしても一人だけではできず、周りや行政のサポートが必要です。
ここで重要になってくるのは、どうやっても行政の支援だけでは成り立たない。だからこそ、周囲の人たち全員でお互いを支え合うことが重要だというところです。

さて10個の健康の社会的決定要因を書いてきましたが、重要なことはこれらを知ることだけではありません。
知った上で、皆でどういった社会を作っていくのが良いかを考えなければなりません。

SDHについてはWHOが2008年に委員会報告書を提出、翌2009年に総会決議し、そして2011年に国際会議を開催するなど本格的にも対応が始まっています。

これからの社会を作る上で重要なテーマになると思いますので、是非皆さんも考えてみてはいかがでしょうか。
僕の考えについてはまた次回の記事で書いていきたいと思います🙇‍♀️

↓↓次の記事↓↓

是非下のリンクから、過去の記事を見てみてくださいませ😁

こういったお話をしている無料のコミュニティ「さいころゼミ」

障がい者の方と幸せについて考えるコミュニティ「ゴジョノワ」

いしづかゆうすけの自己紹介


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