ドラマ"大豆田とわ子と三人の元夫"のかごめのファッションが素晴らしい
先日最終回が放送されて幕を閉じた話題のドラマ、大豆田とわ子と三人の元夫。
キャスト、音楽、脚本、映像など、圧倒的なセンスとユーモアのある素晴らしい作品でした。
ただ、その中でも僕が衝撃的だったのは、タイトル通り、1人の登場人物の衣装。
今回のこの記事は、ドラマのストーリーに関する内容ではなく、登場人物の1人である「綿来かごめ」のファッションについて着目してみたいと思います。
そもそも誰がスタイリングを手掛けているか？
ドラマ全体のスタイリング担当は伊賀大介さん。(とわ子は杉本学子さん)
もちろん共にスタイリストの方ですが、伊賀大介さんは、僕がよく読んでいたMEN'S NON-NOでも大活躍されていた有名スタイリストです。
2000年代は、スタイリストの方がよくクローズアップされて誌面に取り上げられることが多かったのですが、伊賀さんはその中でも頻繁に登場していたのを覚えています。
ちなみに伊賀さんは古着好きとして知られている方で、以前は僕が働いているお店にも何度か来ていただき、衣装を購入してくれていました。
以下、伊賀さんについての面白い記事を載せておきます。
こちらは本作のインタビュー。
こちらを読んで頂けると、より深く衣装について理解できます。
そもそも誰が演じているのか？
かごめ役を務める肝心の女優さんは、市川実日子さん。
僕の中では、圧倒的な存在感を放つ名脇役な女優さんのイメージ。
独特なオーラを持っていて、もちろん演技力もあり、マスと言うよりはコアなファンが多い女優さんなのではないかと思います。
最近ではシン・ゴジラのイメージが強く、助演女優賞も受賞しています。
そして、モデル出身のためスタイルも抜群。公表169cm。
そもそも服が似合う体型... 羨ましいですね...笑
僕が感じたかごめのファッションにおける5つの注目ポイント
①ヘアースタイル
②ビッグサイズ
③プリントTシャツ
④タートルネック
⑤ビビットカラー
僕の視点では、上記に挙げた5つのポイントがかごめのファッションの特徴となっていると思います。
まずは①ヘアースタイル。
本来はストレートボブの印象が強い市川さんですが、本作ではくるくるパーマの髪型で、これまでと随分イメージが違います。
独特な感性とゆるい性格のかごめにぴったりの髪型で、これがファッションの見え方に大きく影響しています。
やはり髪型は本当に大事で、スタイリングにおいて大きく影響を与えることがわかります。
そして、全コーディネートを振り返ると、トップスは②ビッグサイズの物が多い。
ゆるいビッグサイズのカーディガン。
インナーのTシャツもメンズXL以上はあるサイズ感。
ジップアップパーカーは上と同様でXL以上ありそうです。
その他、劇中の衣装のほとんどのトップスがオーバーサイズです。
基本的にビッグサイズのトップスはだらしなく見えるため、着る人の雰囲気やスタイルによって見え方が違ってきます。
かごめの場合は、髪型から既にゆるいルーズな雰囲気が出て個性がハッキリしていること、また頭にボリュームがあることでビッグサイズのトップスでもバランスを取ることが出来ています。
キャラにおいても着こなしのルールにおいてもばっちりハマっています。
また、基本的にこのようなスタイリングは、古着に馴染みのある方しか出来ないと思います。
何故なら、新品ブランドの服はシルエットが整っているし、数種類のサイズ展開の中から自分に合う物を選ぶことが出来るため、ジャストサイズに落ち着きやすい。
古着は、気に入ったとしてもそこにある物のみでサイズが選べないことがほとんど。
それでも工夫して取り入れるのが古着の面白さでもあります。
このようなスタイリングが出来るのは、伊賀さんが古着に精通していること。そして、かごめのパーソナリティーを活かせているからにほかなりません。
そして、最も印象的なアイテムが③プリントTシャツ。
このTHE SMITHSのTシャツが最高！
80年代に活躍したイギリスのバンドで、音楽好きにとっては馴染みのあるバンドですが、日本での知名度は低い印象です。
ロック好きにはたまらないチョイス。特にイギリス贔屓の僕には。
スタイリストの伊賀さんもUKロック好きということは、当時の誌面でも、上記リンクのインタビューでも確認できます。
そして、THE SMITHSは、イギリスの労働階級出身のバンドであり、ボーカルのモリッシーが書く歌詞は、ひねくれていて、情けなくて、でも優しい。
メインストリームというよりは、マスに溢れたティーン向けの曲に共感出来ないような若者から好まれたバンドがTHE SMITHSです。
横断歩道を渡るのが苦手なかごめの手を握るとわ子。手を繋ぎながら2人で横断歩道を渡るシーン。
スミスのファーストシングル、HAND IN GLOVEの歌詞と重なるとの説も。
もし、そこまで計算されてるならすごい....
いずれにせよ、かごめにTHE SMITHSのTシャツを着せたのは、パーソナリティーと重なり合う部分があるからに間違いありません。
続いてはこちら。
ダイレクトで棘のあるメッセージがインパクト大。
独特なフォントで癖のあるデザイン、そして"うるせえ"というキラーワードは、一般社会に馴染めないかごめにぴったり。
上に挙げた２着のような大判のプリントTシャツは、ボディのサイズが大きければ大きいほどプリントが強調されます。
古着業界で昨今人気の90'sのプリントTシャツは、大きめのサイズの方が人気があります。
上手く活かせているかごめのファッション、流石の一言。
全体に共通しているもう一つのキーアイテムが④タートルネック。
ビッグサイズのプリントTを着てくるくるパーマ。
これだと男の子っぽくなってしまうところ、フリルのタートルネックを挟んで、だらしなくなりすぎないような工夫がされています。
少女漫画を描く役柄なので、程よく女性らしさを衣装で表現されているのではないでしょうか。
タートルネックのおしゃれな着こなし。
誰もが真似したくなるようなスタイリングに脱帽です。。
良い意味で一般女子とは程遠いアーティスティックな雰囲気を放つかごめらしいポイントとして、⑤ビビットカラーの多用。
ビビットカラーは、誰にでも似合うものではなく、人を選ぶ物。
アーティスティックで個性のある方は色物が似合う傾向があると思っていて、他人と違う感覚を持ったかごめはまさにそう。
いつもイエローベースのスニーカーを履いているのが印象的。
トップスにも鮮やかな色を取り入れていたり、アクセントカラーがとても上手く使われています。
普通ではなかなか選ばないチョイスや色の散りばめ方ですが、さすが市川さんと伊賀さんのコンビ。
天才的ですね、、
衣装について、こちらのページで細かく紹介されているので、是非。
服が好きな方は、ドラマや映画はストーリーやキャストだけではなくファッションに目がいってしまうもの。
僕も沢山の影響を受けてきましたが、日本のドラマでファッションを真似したくなったのはあまり記憶にありません。
紹介したのはかごめだけですが、とわ子を筆頭に他のキャストの衣装も素晴らしいです。
良いドラマに巡り会えました。
THE SMITHSのTシャツ欲しいな....笑
では。
Instagramではヴィンテージ古着をメインとしたコーディネートを載せているので、是非チェックしてみてください。
👉🏻 @ykky12
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