見出し画像

まちづくりに取り組む中、私がWHYにこだわる理由

鹿嶋へ移住し、鹿行・カシマのまちづくりに取り組む中で、これまでに学んできた中でいままで以上に意識し始めていることがあります。
それは「WHYにこだわり」それを「相手に伝える」ということ。

まちづくりをするということは、行政やその地域の事業者の方々、そして自分も含めた地域に住まう方々。みなバックグラウンドや価値観が異なる中で、自分のやりたいこと・プロジェクトを進行させるためには、「why」がとことん重要だということに気づき始めました。

whyの重要性を知るインプットフェーズが前職で終わり、それを活かしているんだな〜と感じ始めてます。
私の前職の経験で学んだことや鹿嶋でのまちづくりに取り組み始めた理由はぜひ前のnoteをご覧ください。

思考のゴールデンサークル

"ゴールデンサークル理論"という言葉をご存知な方も少なくないかと思います。マーケターであるサイモン・シネック氏が「TED talk」でプレゼンした『優れたリーダーはどうやって行動を促すのか』で提唱した理論です。

彼の理論について、まずはざっくりと説明すると
相手に行動を促すためには「Why:なぜ」→「How:どうやって」→「What:なにを」の順番に話すと、相手に意図がしっかりと伝わるよ。
というもの。

相手に何かお願いをする時に「〇〇を手伝って!」とどうしてもお願いしたいこと(What)のみで相手を説得しようとする機会はないでしょうか?

私が前職でインターン生や新卒社員には以下のような例を出していました。

突然ですが今から皆さんはゲーム好きな小学生です!!

友達とゲームしている時にお母さんから掃除するよう言われている図

どうでしょう。なかなかめんどくさいですよね。。
友達と楽しくゲームしている最中に、自分がいる場所とは関係ないリビングの掃除を頼まれたわけですから、「今はやめてよ!!友達とゲームしてるんだから!!」とめんどくさいわイライラするわで大変そうです。

しかし、このお母さんがWHYをセットで伝えてみたらどうなるでしょう。

掃除してもらいたい理由をお母さんがセットで伝え
掃除を子供に依頼している図

なるほど。。おばあちゃんがこのあと急に我が家に来るのか。。
しかもこれはちゃんと掃除してそれをおばあちゃんに伝えればお小遣いチャンスなのでは…?と子供たちも自分の利益となるチャンスにホクホクしていますね。
もしかしたらお母さんは策士で、おばあちゃんが子供たちにお小遣いを与える可能性があるということすらイメージして伝えたのかもしれませんね。

このように、背景にある理由や「なぜやりたいのか?」「なぜお願いしたいのか?」を相手に伝えることによって納得感がグッと高まる可能性がありますね。

↓サイモン・シネック氏の書籍はこちら↓

↓TED talkのプレゼン動画はこちら↓

価値観が異なれば異なるほど必要なWHY

これまで、私は会社の中で、採用により人材がスクリーニングされて、根幹となる価値観が揃っている組織の中で事業に向き合い、そして取り組んでいました。(俗に言う、ベンチャー企業であればあるほど、この色は強いのかもしれませんね)

しかし、地方に移住をし、そこでまちづくり/地域活性化に取り組むということになれば、いままで出会うことのなかった年代やバックグランドをお持ちの方、それに伴って価値観が異なる多くの方々と一緒にプロジェクトや事業に取り組み必要が出てきたのです。

価値観やバックグラウンド、前提の知識が異なれば異なるほど、より深くWHYの部分を話さなければ相手に自分の意図や想いが伝わらない可能性が出てくるのです。

2022年6月に友人とカシマサッカースタジアムでテントサウナイベントを企画しました。その例を使ってみたいと思います。(全てが実際に起こったというわけではありません。あくまで例です。)
↓Yahooニュースでも取り上げていただいているので良ければご覧ください↓

What①:スタジアムでイベントがしたい

サッカースタジアムはサッカーをする場所なわけなので、サッカー以外のイベントをすることは想像しにくいことです。
しかし、スタジアムを365日利活用できる、地域の方々の交流拠点にしていきたいという意図がありました、
この課題認識が揃っていれば説明不要ですが、そうでない方に対してはしっかり伝える必要が出てきます。

What②:テントサウナイベントがしたい

おいおい。となるわけです。テントサウナといえば直火になることは容易に想像つきますし、そもそもサウナと言えばスーパー銭湯などにあるイメージが強いので、テントサウナの文化に触れたことがない場合はビックリ!想像すらつかないわけですね。
そういった方にはテントサウナがどういったものなのか、安全管理はどう徹底するのか。こういった情報に加え、「なぜ、(テント)サウナを活用したいのか?」を伝える必要が出てくるわけです。
首都圏でサウナがどのくらい流行っているのか、急増しているのか、集客力になり得るのか。そして、直火が使えるカシマサッカースタジアムならではの価値であることをWHYとして伝える必要がありました。

人間というのは、新しいことや変化、工数や負担がプラスでかかることに対してストレスを感じる生き物です。仲間であっても相手は人間であり、他人。相手を説得させるためには、「なんで?」と聞かれる前にWHYを準備しておく必要がありますね。

皆が「なんで?」と問いてくれるわけではない

しかし、全ての方があなたの主張に対して「なんで?」と聞いてくれるわけではありません。
直感的にめんどくさいな・不安だな・価値がわからないなと思われてしまって、企画が頓挫してしまうことは山ほどあるはずです。

私が幸運だったのは、前職でしっかり「なんで?」と私の意見に対して問い続けてくれる先輩や仲間がいたことでした。
今でも忘れません。とある社内mtgで、私がプロダクトマネージャーになりたての時、エンジニアチームのMgrらに新たなアプリ内の開発方針について提案した時でした。自分の中では「この方針でやるべきだ」と思い、意気揚々と社内mtgに向かったわけですが…。

結果は撃沈。そのmtgでは、「なんでそう思ったの?」「なんで?」「なんでその機能が必要なの?」とひたすらWHY攻めをされ、そのほとんどに受け答えをすることができなかったのです。

その直後は、「なぜ相手に自分の意見が伝わらないのか」「相手がめんどくさがってるだけなんじゃないか」と自分の挫折を正面から受け止めきれずにいました。なかなか答えは見つからなかったのですが、このゴールデンサークル理論の考え方や、安宅和人氏著の「イシューからはじめよ」の読了、先輩上司の教え、普段の業務の中でWHYの重要性に次第に気づくようになってきました。
今でも企画や起案をするときは、そのエンジニアチームのMgrの顔を思い浮かべながら、あの人だったらどうつっこむかな?とイメージしながら検討をすることがあります。笑

あなたと一緒にプロジェクトや事業を進める相手・仲間の全てが、そう「なんで?」と問いてくるわけではないことに気をつけなければなりません。聞いてくれるのであれば、「ああ、それはですね…」とあなたのWHYを語る機会があるかもしれませんが、聞かれなければ相手が納得しないままあなたの起案は通らなくなってしまう可能性があります。

自分と相手にはどれくらい前提知識や向き合う課題に対しての距離感に乖離があるか。仮説を持って起案や説得に挑む必要があるわけですね。
(もっとも、丁寧すぎて相手が迷惑に感じることはないでしょうから、しっかりとWHYを語る準備をしておいても良いのかもしれません)

相手を巻き込むには「主張」と「根拠」がセット

さあ、WHYを語る準備ができ、いざ相手を巻き込む準備は完了!

と、思ったらまだちょっと気が早いかもしれません。
「私はテントサウナイベントがしたいです。なぜならサウナは流行っていて、集客力となるからです。」
と主張したとしましょう。これはWHYも伝えられていますよね。

しかし、相手がサウナがそんなに好きでなかったり、サウナが流行していることを知らなかったらどうでしょう?
この主張に対して相手は「本当に??」と疑惑の念を抱いてしまうでしょう。

従って、この主張を成立させるためには、「サウナが流行っている」という根拠が必要になってきます。
ビジネスの側面では客観的に見て納得できるデータ(サウナを楽しむ人口がどれくらい増えたか/サウナ施設増加の推移/有識者のコメントなど)が必要となってきます。
趣味レベルだったり、相手との距離感が一定以上近い・価値観が比較的すりあっている相手であれば、あなたの想いを温度感高く伝える・伝え続けることで突破できるかもしれません。
いずれにせよ、WHYがあればOKなのだというわけではなく、相手が納得しうる根拠や理由がWHYの裏付けに必要ということになります。

セルフモチベーションのためにもWHYは重要

プロジェクトや事業を進める上で、仲間集めや相手の説得のためだけではなく、プロジェクトを継続的に進めるために、セルフモチベーションコントロールのためにもWHYの言語化が重要だと私は考えています。
めんどくさいな、辛いな、と思っても自分自身が納得できるWHYを軸にしておけば、そこに立ち返ることができるはずです。

おわりに

周りの人たちを巻き込み、そして巻き込まれていくため、最終的に重要なのは「自身の熱量」。しかし、それだけでは相手に伝わらない。WHYにこだわりながらプロジェクトを進めていこう!と、自分への戒めのためにアウトプットした、という回でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?