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5つの神経だけ考えてもわからない隠れた足部の痛み

みなさん足底部の痛みはどのように評価されていますか?特定の症状がある疾患であれば、評価は簡単に行うことが出来ますよね?

例えば...
・足底腱膜炎であれば、踵骨内側突起の圧痛
・モートン病であれば、第3~4趾間の圧痛
・ジョガーズフットであれば、母趾外転筋の圧痛

などが挙げられると思います!


では、はっきりとした症状が無い場合(違和感や広範囲の疼痛・痺れ)はどのように評価されますか?この様な症状がある場合、神経支配や走行を考えて評価することが多いと思います。


では、足底の神経支配を考えてみましょう。

図43

足底の支配神経は
・内側は内側足底神経と伏在神経
・外側は外側足底神経と腓腹神経
・踵は脛骨神経

によって支配されています。


足部のどの位置に違和感や疼痛が生じているのかを評価することで、どの神経の影響なのかをおおよそ判断できます。どの神経が判断出来たら、神経に生じているストレスを評価し、取り除くアプローチが必要になります。

図2


ここまでの評価で上手く原因を見つけることが出来ればよいですが、実は上手くいかないこともあります。


評価が上手くいかず、原因がわからない場合この5つの神経以外にも考える神経があります。それがBaxter's nerveです。


今回の記事では、Baxter's nerveについて、掘り下げて考えていきます!


それではいってみましょう❗️


1.Baxter's nerveの解剖

Baxter's nerveのは坐骨神経からの分岐です。


坐骨神経はL4-S4の腹枝から構成されており、大腿遠位部で脛骨神経と総腓骨神経に分岐します。脛骨神経は下腿の深層コンパートメントを通過し、遠位まで走行します。

図44


脛骨神経は膝窩筋の表層を通過し、腓腹筋やヒラメ筋よりも深層を走行します。そして、脛骨神経は足根管を通過し、内果の遠位で外側足底神経、内側足底神経、内側踵骨枝に分岐します。

図46


その分岐した、外側足底神経からBaxter's nerveが分岐し、母趾外転筋・足底方形筋の間を走行し、外側へ曲がり、最終枝を出します。


Baxter's nerveにはバリエーションが存在しています。
・外側足底神経から分岐するものが82%
・脛骨神経から分岐するものが12%
・外側足底神経・内側足底神経の共通の幹から分岐するものが4%

とされており、絞扼される部位が異なる可能性もあります‼︎


2.Baxter's nerveの感覚と運動神経 

図47

解剖はこの程度にしておきます。それでは、なぜBaxter's nerve(下踵骨神経)が絞扼・障害されてしまうのかを考えていきたいと思います!


3.Baxter's nerveが絞扼・損傷される原因!

Baxter's nerveが絞扼・損傷される原因をまとめたものを表にしました!

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