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肩関節不安定性と肩甲骨の関係

肩関節不安定性がある場合、皆さんはどこから介入していますか?


私は問診や整形外科的テスト、可動域を評価した後、必ずと言っていいほど肩甲骨から介入します。


では、”なぜ肩甲骨なのか?”というと、肩甲骨は肩関節の土台となる重要な部分だからです。


みなさん「家」を考えて下さい!家は基礎の部分、いわゆる土台がしっかりしているから、建物がその上に建てることができ機能的に働くことができます。しかし、建物を田んぼや沼の上に建ててしまうと、家は傾いたり、沈んでしまいます。


私は肩関節でもこのようなことが起こっていると考えています。なので、”肩甲骨の安定性が肩関節の安定性に繋がる”と考えています。

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そこで、今回は肩甲骨の役割を考えて、肩関節不安定性との関係性について記載していきたいと思います!

~確認事項~
記事の内容は論文に沿って記載しております。記事の内容には、論文を読んだ私なりの解釈も含まれています。詳細に関しては論文をご自身で確認して頂きますようお願い致します。


1.肩甲骨の役割

肩甲骨の役割は大きく分けて3つあります。この3つの役割が揃うことで肩関節の機能的な動きが出来るようになり、肩関節の安定性の向上、ストレスの軽減に関与すると考えられます。

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では、それぞれの機能について説明していきたいと思います!


2.空間に関節窩を動的に維持する

少し難しく書いてありますが、簡単に言うと”肩関節の動きに対して、肩甲骨が連動して動き、効率的な動きが出来る”と考えると良いかもしれません。


例えば、肩関節のglenohumeral angleいわゆる”safe zone”は上腕骨の長軸と関節窩の上下の縁を結んだ線の角度が30°となる位置です。機能的にも、適合性を考えても、肩関節の最適なポジションと考えられています。

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glenohumeral angleが30°であれば
・剪断力が最小限となり肩関節へのストレスが少ない
・関節窩への圧縮が最大になるため肩関節の安定性が向上
・最小限の筋活動であり、過剰なストレス、エネルギー効率が良い
などの肩関節においては最高の環境になると思います。


ですが、glenohumeral angleが30°で活動し続けることは難しいです。なぜなら、肩関節屈曲・外転に伴い、上腕骨は移動し、glenohumeral angleの角度は変わり続けます。この変わり続ける角度(上腕骨の動き)に肩甲骨がしっかりと追従し、肩関節を安定させる必要があります。


つまり、”肩関節の運動に伴いglenohumeral angleは変化し続ける”必要があります。


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