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Ankle sprain Update ~足関節捻挫の最新情報 part-2~

今回の記事は前回の記事の続きになります。前回の記事を読まれていない方は是非、合わせてお読みください!


今回の記事の内容は病期における進行の考え方、足関節捻挫の評価方法、介入を中心に記載していきます!


1.足関節捻挫の介入の基本的な考え方

足関節捻挫は受傷から1~2週間を急性期と考え、フォローアップ期間(12か月)を亜急性~慢性期と考えていきます。


基本的に足関節捻挫後の考え方として、仕事やスポーツへの早期復帰、足関節の機能改善、捻挫の再発予防を考え、評価・介入していきます!


その中でも、ベースとなるのはリハビリテーションになります。「初回足関節捻挫後に適切な治療(リハビリを含む)を受けたのか?受けなかったのか?」によって、再発のリスクや機能改善に差があることも報告されています。

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いくつかの報告を紹介すると、足関節捻挫後、スポーツへの早期復帰のために筋力、協調性、感覚トレーニング、機能障害を改善するために、管理された運動プログラムを推奨しています。


また、固定や安静などの標準的な治療にリハビリテーション(筋力、協調性、感覚トレーニング)を加えることで、受傷後7~12ヵ月間の再受傷を有意に減少させることも報告されています。

つまり、足関節捻挫後のリハビリテーションは早期復帰や再発予防の効果があると考えられるため、積極的な介入が必要になります。


しかし、介入において気を付けるべきポイントがいくつかあります。それは足関節捻挫の予後不良因子です。予後不良因子はいくつか存在しているため、注意して介入していく必要があります。

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少し詳しく見ていくと、年齢と足関節捻挫の重症度(Ⅰ~Ⅲ度)、体重負荷が完全に出来ないことは4週目の機能不全と相関しており、年齢と体重負荷が完全に出来ないことが機能不全と関連し、さらに”4週間後の内側触診時の疼痛と背屈時の疼痛”が、4ヵ月後の機能の最も価値ある予後指標であったと報告されています。


これから考えられることは、前回の記事にも記載しましたが、剥離骨節があるⅢ度損傷と考えられる場合やオタワアンクル―ルが陽性(骨折の可能性)の場合、介入をより慎重に行う必要性があると考えられます。

足関節の捻挫の分類
Ⅰ度損傷:前距腓靭帯の部分損傷
Ⅱ度損傷:前距腓靭帯の完全損傷
Ⅲ度損傷:前距腓靭帯、踵腓靭帯の完全損傷


私は組織の損傷が大きい場合、早期復帰を急がせないという事や組織修復を阻害しないためにリハビリテーションの負荷量を調整する必要があると考えています。


骨の修復であれば骨癒合の期間、靭帯の修復であれば線維芽細胞の増殖期間など、それぞれの組織の修復能力や修復期間は異なります。また、修復された後の適切な負荷量(optimal loading)も考えた介入が必要です。

詳しくはこちらの本が参考になります!


また、最近着目されている心理社会的要因(特に痛みに対する適応性)も捻挫の予後因子として考えられており、機能面だけでなく痛みに対する捉え方についても評価・介入する必要があります。

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足関節捻挫のリハビリテーションの重要性や予後因子について、簡単に説明しました。ここで、重要になるのはリハビリテーションの適応や予後因子を考えた介入を行うためには正確な評価が重要になります。


次の項では、リハビリテーションを行う上で組織の状態、機能、心理社会的要因の評価方法について考えてきたいと思います。


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