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週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~

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#股関節

股関節屈曲制限の原因はどこにある? ~基礎編~(軸・運動学的な視点)

股関節の屈曲可動域は立ち座り、足を組んだ座位、靴ひもを結ぶなどの日常動作で大きな可動範囲が要求されます。また、スポーツ活動ではジャンプ動作、蹴る、投げる、踏み込むなどの動作でかなり重要となります。 股関節はMobility関節であるため、本来は大きく動いてほしい関節ですが、動きが悪くなるとStabiility関節である腰椎や膝関節が動きを代償します。つまり、関節本来の役割が発揮できないので(作用が逆転)、腰椎・膝関節の障害発生の原因になると考えられます。 例えば、股関節屈

股関節屈曲時の前方つまり感を見るポイント

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FAIでは体幹の介入は必須

以前の記事「FAIの評価を徹底解説!」の中で、評価について解説したので、今回の記事では、FAIの治療について記載していきます。 FAIの治療は保存療法と手術療法の2パターンが存在します。基本的に保存療法から始めて、3か月経過しても改善が見られなければ手術といった考え方があります。 保存療法の文献をいくつか読むと ・理学療法と患者教育がFAI患者の症状管理に有効 ・股関節と体幹の安定化、股関節の筋肉のアンバランスの修正、バイオメカニクスのコントロールを含む理学療法が有効

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大腿筋膜張筋と腸脛靭帯は本当に悪者なのか?

大腿筋膜張筋(以下:TFL)と腸脛靭帯(以下:ITB)は臨床において、よく着目される、組織だと思います。よく悪者扱いされる組織ですが、本当にTFLやITBに問題が生じているのでしょうか? 例えば、THA術後などではTFLがパツパツに張って、痛みを訴える方も多くいます。あれは、本当にTFL事態が問題となっているのか、二次的にTFLが問題となる何かが背後にあるのかを考える必要があります。 今回の記事では、TFLとITBの基礎的な解剖と機能について考え、TFLとITBが「本当に

股OAと歩行 ~病態・殿筋群の活動から介入を考える!~

股OAは中年~高齢に多く発症し、痛みや歩行障害、酷くなると日常生活動作にも影響を与える疾患になります。股OAのほとんどが二次性の股OAであり、先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全によるものが約90%、圧倒的に女性に多いという特徴があります。 股OAの特徴としては軟骨変性や骨変形を生じることが多いのですが、股関節が不安定であるため、関節周辺の組織、特に筋肉の変化にも関与していると考えられています。 筋肉の中でも殿部の筋肉は、股関節を安定させる働きがあり、股関節の機能を維持するため

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梨状筋症候群から深殿筋症候群へのシフト

「梨状筋症候群」というと皆さんどの様なイメージをお持ちですか? ・臀部の疼痛 ・臀部から下肢にかけて痺れ ・歩行時に痛みが出現する などが挙げられると思います。 ”梨状筋症候群”は坐骨神経が梨状筋に絞扼されることにより、臀部や下肢の症状が出現するわけだから、梨状筋のストレッチや柔軟性を改善することが出来れば、症状も良くなると思って介入していました... ですが、梨状筋をストレッチしようが、等尺性収縮や反復収縮を用いてリラクセーションをかけようが全く改善しない患者さんを多く

深殿筋症候群 各論

前回の記事で臀部の疼痛や痛みは梨状筋症候群からより包括的な概念である、”深殿筋症候群”というと言葉が用いられるようになってきていることを紹介しました。 なぜ?深殿筋症候群が用いられているかというと、臀部の疼痛は梨状筋だけでなく、深層外旋6筋や線維性バンド、坐骨大腿部の病態など多くの原因があるため、”梨状筋症候群=臀部の疼痛”というか考え方では、症状を説明できない場合もあるためです。 今回の記事では、深殿筋症候群の概念や共通する症状を知っている前提で、それぞれの各論について

大腿直筋の勘違いされている作用

皆さんご存知の大腿直筋ですが、作用は膝関節伸展と股関節屈曲と覚えているかもしれません。これは、間違いではありません。 では、歩行時に大腿直筋の作用はどうなるのでしょうか? 最近の報告では”股関節伸展作用”と考えられています! かなり、驚きませんか?今まで知っていた常識と異なる作用は受け入れがたいですが、私は大腿直筋の伸展作用はかなり重要になると考えています。 では、歩行時の大腿直筋の作用について考えていきましょう! ~確認事項~ 記事の内容は論文に沿って記載しており

大腿四頭筋の肉離れ

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 大腿四頭筋(特に大腿直筋)はハムストリングに次いで肉離れが生じやすい筋肉です。これは、大腿直筋が羽状構造を呈しているため、強い力を発揮できることや二関節跨ることが影響していると考えられます。 今回の記事では、大腿直筋の解剖に着目して肉離れを考えていきたいと思います。 ~確認事項~ 記事の内容は論文に沿って記載しております。記事の内容には、論文を読んだ私なりの解釈も含まれています。詳細に関して

外閉鎖筋の重要性を知っていますか?

外閉鎖筋は股関節深層外旋6筋の内の一つですが、一つだけ浮ている筋肉だと思います。 走行を見て頂けると、他の外旋筋とは異なり、股関節下方に位置し、前方から後方に向かっている走行しています。また、後から説明しますが、体積も外旋6筋の中でも大きく、神経支配も異なっています。 深層外旋6筋のなかでも、特徴的な外閉鎖筋には他の外旋筋とは異なる役割があるのではないかと想像できますよね? 今回は特徴的な”外閉鎖筋”について、解剖・機能を深堀していき、エコー画像から考えられる、トレーニ

トレンデレンブルグ歩行 ~中殿筋は重要なのか?~

このテストは股関節の先天性脱臼の結果として生じる、臀筋の静的機能不全を評価するテストになります。 トレンデレンブルグテストにはいくつかのバリエーションがあり、現在は変形性股関節症と股関節外転筋群の衰弱をスクリーニングするために使用されています。 一般的に使用されている方法は、非立脚側の股関節を約 30° 屈曲し、続いて非立脚側の骨盤をできるだけ高く挙上します。骨盤を30 秒間最大挙上できない場合、股関節外転筋の弱化と見なされ、レンデレンブルグテスト陽性となります。 この

その股関節屈曲制限の原因は前方?後方?側方? ~後方編~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では股関節屈曲制限を後方の因子の解剖学的な要因に着目して、考えていきたいと思います! 股関節屈曲により、後方組織は伸張される為、組織の柔軟性の低下による可動域制限が生じるということは想像しやすいと思います。 では、股関節後方に存在し、股関節屈曲可動域制限に関与する組織は何があるかを知る必要があります。 股関節後方にあり、屈曲可動域の制限因子となる組織としては、股関節後方関節包、筋肉

腸腰筋の教科書 ~解剖・機能・トレーニング方法つめこみました~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では、一般的にも知られるようになった「腸腰筋」について考えていきたいと思います。 腸腰筋は体幹と下肢を繋げる唯一の筋肉で、体幹の深層にある筋肉です。腸腰筋は体幹の運動にも関与しますし、股関節の運動にも関与する筋肉です。 腸腰筋は股関節屈曲作用を持ち、股関節伸展位では前方の安定性を高めたり、腰椎においても安定性を高める機能があります。 つまり、腸腰筋は身体の中心に安定性を与える筋肉で

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その股関節屈曲制限の原因は前方?後方?側方? ~側方編~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では股関節屈曲制限を側方組織に着目して、考えていきたいと思います! 股関節屈曲は矢状面の運動なのに側方組織も関与するの? 皆さんはどう思われますか? 私は十分に股関節側方組織が股関節屈曲可動域制限に関与すると考えています!私の経験(症例報告)も含めて、記載していきたいと思います! (以前の記事で、前方と後方の股関節屈曲制限の因子について記載しました!そちらも、ご覧ください!)