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大腿四頭筋の肉離れ

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。


大腿四頭筋(特に大腿直筋)はハムストリングに次いで肉離れが生じやすい筋肉です。これは、大腿直筋が羽状構造を呈しているため、強い力を発揮できることや二関節跨ることが影響していると考えられます。


今回の記事では、大腿直筋の解剖に着目して肉離れを考えていきたいと思います。

~確認事項~
記事の内容は論文に沿って記載しております。記事の内容には、論文を読んだ私なりの解釈も含まれています。詳細に関しては論文をご自身で確認して頂きますようお願い致します。


1.大腿直筋の解剖

大腿直筋の解剖はこのように記載されていることが多いです。

図2

実際に、起始は上前腸骨棘だけでなく「direct hesd」と「Indirect head」に分かれて、寛骨臼上縁からも起始しています。なので、基本的には起始が異なると別々の筋肉として考えられます。別々の起始を有していますが、停止部は四頭筋腱を介して脛骨粗面に付着します。


また、起始が別々であるため、股関節の屈曲角度の変化により作用や働くフェーズも少し異なってきます。


・股関節屈曲-伸展0°の場合は、大腿直筋のdirect headが大腿骨軸に対して直線となり、indirect headは大腿骨軸に対して垂直に交わります。
・股関節屈曲90°ではdirect headが大腿骨軸に対して垂直に交わり、indirect headは大腿骨軸に対して直線となります。

図3

簡単に言うと
・屈曲0°ではdirect headが働きやすく(Indirect headは弛緩)
・屈曲90°ではindirect headが働きやすい(direct headは弛緩)

可能性があると考えることができます。


大腿直筋は股関節伸展時に肉離れが生じることが多いため、解剖学・運動学的に考えるとdirect head由来の線維が肉離れを起こしやすいのではないかと推察することができます。


起始停止以外にも、もう1つ大腿直筋の解剖学的特徴が肉離れに関与していると考えられるものがあります。


それは「筋線維構造(筋線維走行)」です!


大腿直筋のdirect headとindirect headの筋線維走行は少し異なります。また、direct headは起始腱膜に分かれ、そこから始まる筋線維の走行も異なります。

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