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深殿筋症候群 各論

前回の記事で臀部の疼痛や痛みは梨状筋症候群からより包括的な概念である、”深殿筋症候群”というと言葉が用いられるようになってきていることを紹介しました。


なぜ?深殿筋症候群が用いられているかというと、臀部の疼痛は梨状筋だけでなく、深層外旋6筋や線維性バンド、坐骨大腿部の病態など多くの原因があるため、”梨状筋症候群=臀部の疼痛”というか考え方では、症状を説明できない場合もあるためです。

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今回の記事では、深殿筋症候群の概念や共通する症状を知っている前提で、それぞれの各論について考えてきたいと思います!


なので、前回の”深殿筋症候群”の記事を読んで頂くと、より理解が深まると思います!


1.線維性バンドによる神経絞扼

正常な状態では、坐骨神経は股・膝関節の動きに伴う適度な伸張や圧迫に対応することが出来ます。しかし、線維性バンドが存在すると、坐骨神経が固定、または圧縮されてしまうため、動きが制限されてしまいます。


神経の動きが制限され、過剰な圧縮・伸張ストレスが生じる臀部痛や痺れが出現すると考えることができます。


線維性バンドによる神経絞扼には3つのタイプがあると言われています。

・Compressive or bridge-type bandsと呼ばれる、坐骨神経を引き上げる、または圧縮するようなタイプ
・Adhesive bands or horse-strap bandsと呼ばれる、坐骨神経を下方・側方に固定するタイプ
・Bands anchored to the sciatic nerve with undefined distributionと呼ばれる、バンドが不明瞭で多方向に坐骨神経を固定するタイプ


線維性のバンドがあることにより、坐骨神経の動きが制限され、臀部痛や痺れが出現する可能性があります。坐骨神経の絞扼がある多く場合、関節鏡で線維性バンドが確認されており、少なからず坐骨神経の絞扼に影響があると考えられます。


私は何度か線維性バンドの影響も坐骨神経障害に関与していると考えられる症例に出会ったことがあります。


セラピストが線維性バンドの有無を評価するには、エコーが必須です。エコーで評価すると、坐骨神経周囲、または坐骨神経自体の輝度も上がっていることを確認できます。

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