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大腿直筋の勘違いされている作用

皆さんご存知の大腿直筋ですが、作用は膝関節伸展と股関節屈曲と覚えているかもしれません。これは、間違いではありません。


では、歩行時に大腿直筋の作用はどうなるのでしょうか?

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最近の報告では”股関節伸展作用”と考えられています!

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かなり、驚きませんか?今まで知っていた常識と異なる作用は受け入れがたいですが、私は大腿直筋の伸展作用はかなり重要になると考えています。


では、歩行時の大腿直筋の作用について考えていきましょう!

~確認事項~
記事の内容は論文に沿って記載しております。記事の内容には、論文を読んだ私なりの解釈も含まれています。詳細に関しては論文をご自身で確認して頂きますようお願い致します。


1.大腿直筋の解剖と機能

まずは簡単に大腿直筋の解剖について復習します!

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一般的に記載されている内容は上記の内容が多く、私が持っている解剖学・触診の本をすべて見ても大腿直筋に股関節伸展の作用があることは記載されていません。


歩行において大腿直筋の作用を調べると、「観察による歩行分析」には”大腿直筋は股関節を屈曲する可能性”があると記載されています。また、Perryは大腿直筋の刺激は膝関節屈曲の減速と初期の股関節屈曲の作用があると報告しています。

解剖学書や歩行の参考書にも大腿直筋の作用は股関節屈曲と書いてあるので、やっぱり股関節伸展の作用はないと考える方もいらっしゃると思います。ですが、歩行の筋電図を見てみるとおかしな点に気づきます。


2.歩行時の筋電図

歩行周期は立脚期(62%)と遊脚期(38%)に分けられます。

立脚期
・初期接地(Initial Contact:IC):観測肢の接地の瞬間
・荷重応答期(Lording Response:LR):IC から対側爪先離地まで
・立脚中期(Mid Stance:MSt):対側爪先離地から対側下腿下垂位まで
・立脚終期(Terminal Stance:TSt):対側下腿下垂位から対側 IC まで
・前遊脚期(Pre Swing:PSw):対側 IC から観測肢爪先離地まで
遊脚期
・遊脚初期(Initial Swing:ISw):観測肢爪先離地から両下腿の交差まで
・遊脚中期(Mid Swing:MSw):両下腿交差から下腿下垂位まで
・遊脚終期(Terminal Swing:TSw):下腿下垂位から IC まで

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