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駆け抜けた「大叔的愛(おっさんずラブ)」に思う事

(この記事は同性愛をディスるものでも応援するものでもありませんが、私の率直な感じ方を記載しています。同性愛の方はもしかしたら不快な気持ちになるかもしれません。)

 「大叔的愛」(香港版「おっさんずラブ」)が全15話。

それはあっという間に駆け抜けるかのように幕を閉じました。
放送期間:2021年6月28日~7月16日

めちゃめちゃ面白かったです。

何せ始まってからは月~金で毎日放送だったので、全15話と言っても早かったですね。

ドラマの内容やキャストについては、こちら、いしゃーしゃさんの記事で既に詳しく書かれておりますので、そちらをご覧いただけたら、と思います。

実は私、今回初めてBLドラマというものを見まして、その感想と香港側の俳優さん達、そして同性愛について感じる事を述べたいと思います。

初めてと申しましても、BL漫画やアニメ、映画は見た事有ります。何とかマウンテンとか?(もう題名も覚えていませんが)

そういう同性愛をテーマにした作品、全然嫌いじゃありません。


この世に生まれて、本当に心から愛する人と出会い、一緒になれる人はどのくらいいるでしょう。世の中、何が起こるかわかりません。命の事も明日をも保証してくれません。

私のように異性と結婚しても子供が産めるとは限らないし、その子供が健康に成人→老人になれるかもわかりません。まして、何の健康上の問題もないのに自ら命を絶つ人もいます。

そう思ったら、同性同士でも愛し合える相手と出会え、相思相愛になれるという事はラッキーな事でしょう。

が、しかし!



それが娯楽作品ではなくて、現実社会の中で起こっている事象だと認識はしていながらも、正直どこか納得がいかない自分もいたのです。

頭ごなしに否定をする気はありませんが、私は理解者というわけでもなくて、ただ「他人の事に干渉をしない」と言う理由で肯定や否定というチョイスをしてこなかっただけです。

生物である限り、「種の保存」という事が何よりも重要ミッションとしてDNAに刷り込まれているハズなのに、どうしてそこを踏み越えて同性に性的な気持ちを抱くのかという疑問。

だから漫画やアニメなどではファンタジーとしてアリでもそれを現実、目の前のオッサンを目にして想像はしたくない、という気持ちでおりました。

だから映画やドラマはリアル過ぎるので今まで積極的に見ようとしてきませんでした。

でも「大叔的愛」を見て、「目をそむけたくなるような気持ち」や「気持ち悪いと思う気持ち」は一切湧きませんでした。

もちろん、コメディタッチで描かれていたから、明るく楽しく最後まで見れたというのが大きいと思います。

これは日本オリジナルも是非見なくては!と思いました。

そこには、ただ人間のドラマがありました。人を好きになって一喜一憂し、悩み、苦しむ姿には相手が同性か異性かという事は無関係なのか?と思いました。

とは言え、ドラマの展開は早く、第一話から早速男が男に恋心を抱いていて告白しちゃうので、え?今まで何十年も普通に異性と夫婦生活を送って来て、別にそちらの感情が破綻したわけでもないのに、突然男に恋心を抱くようになるプロセスには何があったの?!今まで築いてきた安定をぶち壊してもいいと思うくらいの価値を、その自分の世話さえできないような危なっかしい、しかも両想いでも何でもない若造のどこに見出した?!という所がぶっ飛ばされています。

「どうして妻を捨ててまで彼じゃないといけなくなってしまったのか」

私の一番知りたいところが、あっさりスルーされています。

気持ちの上で同性を好きになる可能性を考えると、それはゼロではないでしょう。

そこを肯定できるなら、次の段階として傍にいたい→触れ合っていたい→相手をもっと感じたい→・・・という流れにも不自然なところはないと思います。

全ては「心」と「縁」のせいかな・・・。


だって、そもそもこのドラマだって、もし知り合いが「このドラマの撮影にうちの店が使われたから見てね」と連絡をくれなかったら普通にスルーしていたはずでした。

そんなドラマがある事さえ知らなかったのに「縁」で知り見て、少し考えが変わる。知らない事を知り、興味がなかったものに興味を持つ。やろうと思ってなかった事をやる。「縁」にはそういう力があると思います。

ドラマでも、結局最後まで主人公が同性同士の「愛」についての感じ方がどう変化したかという点は描写されてはおらず、精神面での結びつきだけですが、そこは逆に切り離して考える必要もないのかもしれないな~と思いました。

「心」があるから、人はただ受動的に「変わる」だけじゃなくて能動的に自分を「変える」事もできる。

誰かに笑っていて欲しいから、このささやかな毎日を続けていきたいから、そういう事で色々乗り越えていけるでしょう。

正直それを合法化してもいいんじゃない、と言うところまでは思いませんが、愛のカタチとしては普通にアリなのかもしれません。

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こちらはドラマの制作特集です。

メインキャスト達がそれぞれこのドラマのオファーがあった時の気持ちを話したり、このドラマへの思いを語ったりしています。

この特集の中では、キャスティングの話も出てきます。

絶大な人気を誇るアイドルグループ「Mirror」の12人いるメンバーの内3人をメインキャストに器用。(Mirror情報は「いしゃーしゃ」さんの記事でチェック)

阿田役の 呂爵安 (Edanルイ)

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阿牧役の 盧瀚霆 Anson Lo

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Louis役の 邱士縉Stanley Yau

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アイドルグループのイケメン威力はもちろん大きかったでしょう。

アイドルグループのドラマ抜擢と聞いて、ちょっと先入観がありましたが、彼らの演技の自然さは本当に予想外でした。ホントにいい演技されてます!


しかし、このドラマの視聴率に一番貢献した俳優さんは、私は誰が何と言おうとKK役、つまり日本版の吉田鋼太郎ポジションのコノ人ではなかったかと思います。




黃德斌 (ケニー・ウォン)


香港映画に興味のある方であれば、この俳優さんを見た事ないなんて人はいないでしょう。

普段の役どころはこの渋くて男臭い見た目から、ハードボイルドで、寡黙で、で、冷静な役が圧倒的に多いです。その彼が今回このBLドラマのオファーを受けたのです。

これについて、この制作特集の動画の中でも1:10あたりから、ドラマでKKの妻フランチェスカ役を演じた簡慕華も、「最初、監督からケニーがこのオファーを受けたと聞いて、え?ケニーがこのオファーを受けた?!ホントに?!と聞き直したくらいビックリしたんですが、『ホントに受けた』と聞いて、じゃあもうこの役は絶対私がやろうと思いました」と興奮した面持ちで語っています。

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そのくらい、ケニーはこれまで誰から見ても男らしくて渋くてカッコいい俳優さんというイメージで定着していました。

このドラマでは、いい年こいて恋にルンルンする乙女チックな要素を求められ、見事にそれに応えています。

今この香港に押し寄せているらしいBLの波。

何だか「犬も歩けば棒に当たる」的な・・・「テレビをつければBLに当たる」???いや、まさかそこまでは・・ね?

私のブレインストームもまだまだ吹き荒れそうな予感です。


尚、香港版おっさんずラブは普通にYoutubeで公開されています。広東語ですが。



おかげさまで。

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