夏の終わりの嵐

空は雷が光っている
窓には雨粒が当たり 溢れる涙のように流れてる
ピカッ
「1、2、3、4、5、6、7、8」
ゴロゴロッ
「まだ遠い」

御風呂上がりの君は
出窓のカーテンに入って雷雨の空をカウントしてる

カーテンの裾から見えるショートパンツの足

もう一時間
「飽きないの?」
「うん、オモシロイ」
「雷怖くない?」
「うん、オモシロイ」
テレビを見ない君なのに嵐の空は面白いのか

「外にいきたい。あの雨の中に入りたい」
止める間もなかった…。
激しい雨の中でピカピカ光る空の下
「ひやあ~!」
子供のように叫んでる
“生きてるワタシ”
って感じ。
ずいぶん見たことない笑顔

作り物のテレビドラマも情報番組も見ないわけが少しわかった

どこにも連れ出してあげられなかった
「はーあ」と連発の今年の夏

コンクリートの町の中なんて
トレンドの服も話題のアイテムも
芸能人の話もイベントごとも
君には退屈なんだ

来年こそは南の島へ行こう
そしてスコールに打たれよう
ショートパンツとおへそが見えるタンクトップを着て

written by 28.August.2018.

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