見出し画像

40代になったら ~ライフキャリアデザインの視点から~

今年に入って、キャリアの話をするために、多くの社員のみなさんの前に立たせていただいています。大変ありがたいことです。これまで、新入社員、30代、50代とおこなってきて、次は来月から40代向けにお話しすることを控えていて、これで一通り世代の線がつながります。本当は、入社3~5年目と60歳定年後再雇用の方向けにも用意をしたいとは思っていますが…、会社と社員双方のニーズを掴みつつ焦らずにやっていきたいものです。

 *

 さて、40代のライフキャリアデザインを考えた時に、「人生の正午」をどのように生きてゆくか、ということが大きなテーマになると思います。「中年の危機」とも言われたりしますが、それは何なのかを40代の社員のみなさんには考えてもらいたいと願っています。

 会社生活においては、第一線に立って実務を取り仕切り、後輩の育成も期待され、はたまた人によっては上司と部下の間に立つマネージャー職に就く頃でしょうか。実生活においては、会社以外にも多くの役割を抱えて、マネーの面でも精神的支柱の面でも一家を支える大黒柱で、子育ても佳境に差し掛かり…というような、多忙な時なのではないかと思います。

 そのような状況の中で、思いがけない「転機」にみまわれ、自分自身のキャリアを見つめ直さざるを得ないような混乱と苦悩を味わう、ですとか、見込んでいた「転機」が来ない…ということで、キャリアの停滞(キャリアプラトー)に陥り、モチベーションの後退やアイデンティティの拡散による何ともし難いモヤモヤを抱える、などが十分起こり得るだけに、自分の中に十分な構えを築いておきたいところです。

 ついつい、目の前のことを何とかしようとするあまり、「これまで~今~これから」の視点が抜けてしまいがちですので、時間軸とキャリア発達軸の二軸を意識的に活用できるように注意を促したいと思います。このくらいの年代になると、「時間」がアッという間に過ぎてゆき、気が付いた時には50代。「ああ、40代の自分はこの10年一体何をしていたんだっけ?」「気が付いたらあと10年で定年じゃないか!」ということが(私自身の実体験も踏まえつつ)起こってしまうのです。怖いことです。

 40代のできるだけ早いうちから、キャリアの内なる声と外なる声(E.H.シャイン)の両方を吟味し、自らのキャリアを状況に適応しつつ築き進んでゆけるパワーを育んでゆきたいものです。

 *

 ライフキャリアデザインの視点においては、ファイナンシャルプランニングの面も点検します。一般的に、出費が最も多くなるのが40代です。住宅費や教育費は外せませんし、昨今の物価(サービス含む)の上昇トレンドは食費や水光熱費など家計をじわじわと圧迫していることと思います。では収入面はどうかというと、これまでとそれほど変わらないなあ…という実感を持つ方が多いのではないでしょうか。つまり、収支はマイナス方向に向かいがちである、と。

 40代ともなると、今まさに家計の収支とストックを把握し、定年後をも見据えた今後のマネープランを構築できる最後のタイミングと言っても過言ではありません。え?ちょっと早くありませんか?とおっしゃる方もいるかもしれませんが、インフレ基調の中で「貯蓄から投資へ」の流れはますます大きくなりますから、しっかりとしたリターンを得て資産形成・資産防衛するための投資にかけられる「残り時間」はギリギリなのです。

 忙しい中かもしれませんが、「家族会議」をおすすめします。マネーに関すること全部テーブルの上に載せることが重要です。ほったらかしの貯金や、加入以来一度も見直していない生命保険、ムダなサブスクリプションや会費、維持費が負担になっているクルマ、等々いろいろ見つかるはずです。収支とストックが把握出来たら、未来づくりです。ご家族あるいはご両親も含め、どのようなライフイベントが待ち受けているのかを真っ白な紙に時間軸を一本引いて書き出してみるのがおすすめです。(本当はこれワークショップとしてやりたいですが…フォローアップの仕方を考えます。)

 *

 キャリアの面とファイナンスの面が相互に交差して、色々なことが見えてくるはずです。自分や家族が実現したい未来は何か、今からできることはどんなことがあるのか、私の話すことを媒介にして、社員のみなさんがご自身のライフキャリアデザインを前向きに考える気持ちになっていただけるような場をつくってゆこうと思います。

 今回は、40代になったら、についてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!