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文学フリマin東京で買ったものレポ

こんにちは、いかフライです。
5月に「文学フリマ東京36」に訪れ、何冊か本を買いました。
文学フリマ自体初めて訪れたのですが、出店数と来場客の人数に驚きました。本が好きな人が一体どれほどいるのか普段生活をしていてもあまり分かりませんが、ジャンルに特化しているイベントに行くと、どれだけ多くの「好き」な人がいるのか良く分かります。
売る側も面白そうですし、書いてみたい題材もあるので、「お客」と「作る側」の2つの目線でブースを見ていました。
少し時間が経ってしまいましたが、購入した本を一通り読んだため、購入本と感想を書いていきたいと思います。

1、「推しの8冊」「ポラリス」「ヒムカと空」/ のはら 著(星空書房)

小説を読んでみたいけど、少し買う勇気がないな…と思っていたとき、
偶然目に留まりました。1冊100円という買いやすい値段で、薄くて読みやすそうなところに惹かれました。「ポラリス」は4編の短編小説で、全て女性が主人公です。どのお話も日常に寄り添うものでしたが、中でも「ハナニラ」という短編に感動しました。ある理由でスーパーのバイトを辞めた女性が元同僚に会いに行くお話ですが、日常の風景である街の描写が美しく、読後に余韻が残る作品でした。
「ヒムカと空」は『月間神様』という架空の雑誌の編集者が主人公で、「海の神様」と「言葉の神様」に取材に行きます。神様に会いに行くまでの道中も書かれていて、全30ページもない短いお話でも、物語の世界に引き込まれました。「推しの8冊」は読書エッセイで、「本を案内する本」にとても興味があるため、大変参考になりました。紹介された本はどれも読んだことが無いため興味がありますが、特に『白暮のクロニクル』というコミックスは気になりました。
購入時に数分悩んで2冊を手に取ると、「2冊購入した方には1冊プレゼントします!」と声をかけていただきました。3冊読むことができてとても良かったです。

2、「日常採集」記憶をめぐる物語/ 工藤亜由美 著

写真エッセイを探しているときに、工藤亜由美さんの本を見つけました。ページをめくると花や木、海といった美しい自然の写真が載っていて、質感がとても良い上品な冊子でした。「記憶を採集して残した本」という説明にも興味を引かれ、購入を決めました。
全部で8つのエッセイが掲載されていますが、良い思い出もあまり思い出したくないような思い出も、日常から採集し、丁寧にエッセイに落とし込んで
いらっしゃると感じました。その場ではとてもインパクトがあった出来事の記憶は、日が経つごとに薄れてしまい、よく思い出せなくなってしまうことが多くあると思います。「日常採集」では、その当時は気がつかなかった友達の異変や、今でも思い出す恩師の言葉などが書かれていて、作者の記憶であるにもかかわらず、鮮明に追体験をしているような感覚になりました。
良い思い出も、シミのように心から離れない苦い思い出も、いつか書いてまとめてみたい、と思いました。

3、「日々短歌 」/ 佐藤のび 著

文学フリマは小説やエッセイだけではなく、短歌や詩といった、短いテキストの作品も多く販売されていました。 ブースをぐるぐると巡っていると、濃い緑色の小さな冊子を見つけました。佐藤のびさんの「日々短歌」は、2024年1月~3月の間に毎日書かれた短歌の中から著者が厳選をし、短歌に短いエッセイが添えられています。エッセイがあることで短歌が詠まれた背景が分かるため、とても面白く読ませていただきました。特にワイヤレスイヤフォンを無くしてしまったときに詠まれた短歌が、無くなったものが自分の意志で離れているのではないか?という思いで書かれていて、多くの人が共感できるような面白い短歌だと感じました。最近、日々生活をしていて無性に文章が書きたくなったときに、詩のような日記のようなものを書いています。日々感じたことを文字に置き換えて書いていると、頭の中にしかなかったものが形になり、素直な自分が出てくるめとても面白いと感じます。短歌は更に短いテキストに凝縮をしたものですが、著者を見習って自身も書き続けたいと思いました。

他にも購入をした本、作品をご紹介します。
どの作品も写真やテキストが美しく、大事に読ませていただきました。
・「青と茜と砂漠の国」/ 風野湊 著(呼吸書房)
→モロッコ紀行文。写真がとても綺麗で、美しいばかりではない旅の記憶がまとめられている。
・「歌うゆびさき小さな旅」第一歌集 / 片渕ゆり 著
→旅の短歌と写真を掲載。淡くてやさしい色合いの写真が印象的で、旅好きに刺さる短歌。
・「あのとき、確かにあった」台南 / as human footprints
→台南旅行の写真とエッセイを掲載。表紙の提灯がとても印象的。
写真の質感や色がとても綺麗で、写真冊子のお手本にしたい作品。
・ポストカード / デザイン 塚原奈緒さん
→宇宙の湖?にぷかぷか浮いている女の子のイラスト。家に飾ります!

個別に感想をお送りする代わりに、noteに感想を書かせていただきました。
個人的に、冊子を作る計画も立てていけたら…と夢が膨らんでいます。
また、文学フリマのブースを訪れたいと思います。





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