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なぜか海外に流出してしまった日本のオタク用語五選

皆さん、こんにちは。

先日、英語圏の小説に特有の表現について記事を書きましたが、同じように海外のネット小説を読み漁る中で、日本のオタク用語がそのまま海外でも使われていることに気づいてしまいました。

オタク魂は世界共通なのでしょうか。まあ、逆は無いような気がするので、単純に日本人のオタク文化がオタクの最先端として優れている証かもしれません。

いわゆる「海外と比べて日本人ってすごいよね」コンテンツって欺瞞臭が鼻についてあまり好きではないのですが、日本のオタク文化と食文化だけは世界に誇れると思っています。

そこで、「これ海外輸出しちゃったの?? マジ?」と思ったオタク用語をいくつかご紹介します。

ヤンデレ(Yandere)

 いわゆる、病んだりデレたりするキャラクターに付与する属性ですが、小説を読んでたら突然説明に「Yandere」と出て来た時、純日本人オタクの私の何とも言えな気持ちときたら……。。

 よりにもよって、ヤンデレをそのまま海外で使うのですか? まあ、シチュエーションを説明するのに便利ですけどね、ヤンデレ。

 日本での使用例と同じく、「過剰に束縛的なキャラクター」「過激に愛を表現するキャラクター」に使われるようでした。

 まあ、一言でどんなキャラか伝わるので、便利なんでしょうね。。

 そもそも海外にはあんまりヤンデレキャラっていない気もしますが、ヤンデレを愛好したりときめいたりする気持ちは万国共通のようです。なんでしょうね。ところでレクター博士はヤンデレですか?

ツンデレ(Tsundere)

 ヤンデレが流れてれば、これも流れるんですね。リアタイでこれらの言葉が生み出されるのを見ていた世代ですが、ツンデレが先に出来て、ヤンデレは亜種だったと思うので言わずもがな。

 なお、クーデレとかのさらなる亜種は(知る限り)まだ流れていないようです。

ヘンタイ(Hentai)

 うーん、これは、なんですかね。言いづらいのですが、日本語でいう、「エロ」とか「エッチ」みたいな使い方をされてると思います。やや年齢制限が入るようなコンテンツに対して「ヘンタイ」とかつけてみたりして。

 なんでこれ輸出された?

 英語にはそれに相当する言葉が無いんだろうか? いや、あるだろう、NSFW(Not safe for work※職場で見るのに不適切な18禁コンテンツ)とか、Explisit(本や映画、曲などの描写が「露骨」で、汚い言葉や内容を含む)とか。なぜわざわざHentaiを使いたいのか。闇が深いと思う。

イセカイ(Isekai)

 そう、これも輸出されてしまったんですね。。

 いったい、どのコンテンツをきっかけに輸出されたのか分かりませんが、日本での異世界転生モノの根深い蔓延を経て、イセカイの概念は海外へ旅立ってしまったようです。

 そもそも異世界転生モノの流行は、日本社会の未来が見えない閉塞感、人生で躓くとリカバリできず、一生失敗を引きずって生きるしかない苦しさに下支えされていると思うのですが、海外でも共感されるところがあるんですかね。

 国ごとの社会情勢や置かれている立場にもよるんでしょうが、これも闇が深いです。

【番外】トラック転生

 そして驚いたことに、異世界転生はトラックに轢かれて始まるという概念も一緒に輸出されているようです。

 何かの小説を読んでいる時に、「トラックに轢かれた記憶も無いのに、異世界に来てしまったのだろうか」みたいな文章を見かけました。私は頭を抱えました。

 ちゃんと「異世界」が流行り出す以前の世界を覚えている私ですが、本当にトラックで転生が始まった有名作品をもう覚えていません。なんでしたっけ? リゼロとか無職転生がトラックでしたっけ?

~思い出話~
 「小説家になろう」は覚えてる限りだと二十年前にはもうありましたが、当時は異世界転生モノばかりがランキング上位を占めるなんてことはありませんでした。

 むしろ、商業小説デビューを目指す人たちのコミュニティで修行場代わりに盛んに使われていたので、商業小説に近いものがメインで投稿されていたように思います。

 当時は「俺の〇〇が〇〇になった」みたいなタイトルで内容がパッと分かるような形式が流行る前だったので、商業小説のようなフワッとしたタイトルの作品が多かったですね。

 そもそも、「俺の〇〇が〇〇になった」の流行り始めは、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」あたりだったと思います。

 出始めは説明的すぎて倦厭されるきらいもあったのですが、商業小説と違ってランキングという形式で人気不人気が一見して分かる「小説家になろう」では、一人が流行ると他が一気にマネする傾向があり、瞬く間に広まって、商業ラノベもそれをけん引する形で広まって今の形に落ち着いたと思います。

 私は今でも「説明的すぎる」と思っていますが、特に無名の新人による小説を読んでもらう場合、タイパ的に合理的であるという利点を認めています。

虚淵(Urobutchered )

 最後に、シナリオライター・虚淵先生による悪意の威力も輸出されていました。いわゆる、「まどマギ」や「PSYCHO-PASS」なんかのアニメ作品でものすごい鬱展開、かわいいヒロインもかっこいい敵もボンボン死ぬ、絶望的に死んでいくという展開を生み出す虚淵劇場が、海外でも猛威をふるっている証拠でしょうね。

 数年前に、虚淵先生は「バッドエンドしか書けない」ことが悩みだという噂を聞きましたが、今はどうなんでしょう。むしろバッドエンドばっかり書いてると辛くなって来ない? と思ってしまう私はだから一般ピープルなんでしょう。先生がバッドエンドを極めた結果、珠玉のバッドエンドを生み出せるようになったと思うと感慨深いです。

 ゲーム「ドラッグオンドラグーン」や「NieR:Automata」で「ハッピーエンドは無いのかよ!!」と全プレイヤーを泣かせた鬱展開を描く「ヨコオタロウ」さんもそうですが、どこまでも残酷な悲劇を描く作家さんたちには熱狂的なファンが居て、その名前だけで恐れられる傾向がありますよね。恐怖は平和に勝るということでしょうか……。

最後に

 ここまで見てきたように、様々なトレンドを発信し続ける日本人のオタク文化やサブカルチャーに対する感覚は優れていると感じます。これからも全世界のオタク文化をけん引するオタク大国日本としての道を歩んで行って欲しいです。

 アイドルやドラマコンテンツで覇権を取った韓国のように、国策としてアニメーターやクリエイターを優遇し、エリートオタク教育を推進してはどうかと思いますが、むしろ野放しにしているからこそ今の繁栄があるのではないかという気もするので悩みどころですね。

 さて、ここまでの流れを見て予想すると、次に海外で流行るのは、「胸クソ(Munakuso)」かもしれません。

 ところで「ハンニバル」は胸クソ展開ですか?’(※いいえあれはただのグロ展開です。最近見た胸クソ展開作品では、鉄血のオルフェンズが嫌でした。登場人物がひどい目にあう展開は好きですが、死んだり救いが全く無いのはあんまり好きじゃないYeKuイェクです)

 これからも日本では個性的なオタク文化が養われ、海外に輸出されていくと良いですね。私はそれを見守りつつ、常に「昔は良かったのう」などとつぶやく老害としてしっとりと息をしていこうと思います。


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