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たのしい英語の小説表現5選

皆さんこんにちは。

訳あってここ数か月で百万字くらい英語のネット小説を読み続けているYeKuです。

翻訳家が訳す前の英語の小説は今まであまり読んだことはありませんでしたが、日本にはない独特の慣用句や比喩が面白いので、いくつかご紹介したいと思います。

(なお、ニュアンスは私が文脈から読み取った内容、およびGoogle先生とのコラボです)


じゃがいもの袋(like a sack of potatoes)

ニュアンス:無造作、不格好、不器用なイメージ。

例:
彼は私をじゃがいもの袋のように持ち上げた。
彼女の服がじゃがいもの袋のように見えたとしても、依然として魅力的だった。

日本語に訳すなら:一部はそのまま、イモ臭い、イモっぽいで代替可能。上の例なら「ずた袋」で完全に代替できそう。

日本でもイモに対しての野暮ったいイメージはつきまといますが、英語圏でもそうらしいですね。

イモに対する人類全体の冒涜なのか、むしろ英語圏⇔日本で文化交流の結果イモは無様だというイメージが定着してしまったのでしょうか。

他の言語圏におけるイモの役割が気になるところです。

イモに何の罪があるというのでしょう? 栽培が容易で美味しく、料理もしやすいイモという万能食材をもっと崇め奉るべきです(イモ好きなYeKuイェクは語る)。

なお、派生なのか、「小麦粉の袋のように」という表現を一回だけ目にしました。ニュアンスは一緒のようです。

作者の国籍は分かりませんが、何となくこうした表現を使うのは土地が広くて農業が盛んかつイモ大国のアメリカ人が多いのではないかと想像します。

日本の小説でじゃがいもの袋って言われても、ピンと来ないもんですもんね。米袋とか米俵だったらまだ分かるけど。

ラグドールのように(like a rag doll)

ニュアンス:無力で、意のままにされている状態。

例:
私は哀れなラグドールのように振り回された。
彼はラグドールのようにその丘を転げ落ちて行った。

日本語に訳すなら:そのまま「人形のように」で代替可能。

ラグドールはこんな人形

ラグドールは画像のような、子ども用のくったりした布の人形で、柔らかいためこういう比喩があるらしいです。

多分子どもが実際によく振り回してるんでしょうね。

最初、猫のラグドールと混同して、「なんで猫を振り回すの? 猫可哀そうだよ?? 英語圏の人ひどくない?」と勝手に憤慨していましたが、憤慨されるのは私でした。

卵の殻の上を歩く(walk on eggshells)

ニュアンス:細心の注意を払う。気を遣う。慎重、用心深さ。

例:
私に対して、いつまでも卵の殻の上を歩くようにされるのはごめんだ。
あの人は気難しいから、ずっと卵の殻の上を歩かないといけない。

日本語に訳すなら:薄氷を踏む、玻璃の上を歩く(おしゃれ)、壊れ物を扱うように。

物理的な物事にも使えるようですが、どうやら対人間に対してめちゃくちゃ気を遣う時に使われるのが、より一般的なようです。

それにしても、「卵の殻の上を歩く」って発想が面白くないですか? そんな状況、「薄氷の上を歩く」よりもどうしてそんな状況になったのか想像し辛いですよね。アメリカなどで畜産が盛んだから出る発想なのでしょうか?

それに、そもそも、卵の殻はもう割れてるから、踏んで割っても特に問題なくない?

【番外】ペトリコール(Petrichor)

慣用句ではないのですが、オシャレなので採用してみます。

割と小説の中でもオシャレな文脈で使われるのですが、「雨が降った時に、地面から立ち上る匂い」のことらしいです。

日本語にそれを指す名前は無いですが、アスファルトや土が湿って独特の匂いを放つ匂い、なんだか分かりますよね?

さりげなく小説の中に登場させたいです。

押しつぶされるような都会の空気だった。止まらない足音。人いきれ。立ち上るペトリコール。

なお、雨上がりの香りはゲオスミンと呼ぶそうです。ゲオスミンは語感がいまいちなのか、小説の中で見たことがありません。

カナリアを飲み込んだ猫のように(like the cat that ate/got/swallowed the canary)
クリームを舐めた猫のように(like the cat that got the cream)

ニュアンス:何かを達成したことで、満足げ、誇らしげ、幸せそう、うぬぼれ。(使われる文脈からすると、ちょっと傲慢で、鼻持ちならないニュアンスもある気がしました)

例:
彼は私のぶんのチョコレートをむしり取り、カナリアを食べた猫のように見下ろした。
私は念願の満点を取って、クリームを舐めた猫のように微笑んだ。

日本語に訳すなら:(文脈によるが)鼻高々に、ドヤ顔で、ニヤニヤと、にんまりと、チェシャ猫のように、誇らしげに。

この表現は頻出するのですが、色々疑問があります。

そもそも向こうの猫はカナリアを食べるのでしょうか。

カナリアはどこにでもいる鳥ですか?

飼ってるカナリアをよく食べちゃうよねーという悲劇的な事故について語っているのでしょうか?

そして、「クリーム」とはなんですか? 猫のエサってカリカリとかウェットフードでも固形物だと思っていたのですが、猫はクリームを舐めるのですか? 何のクリーム?

そういえば派生で、「クリームのボウルを見つけた猫のように」という表現も見かけました。ボウルに入ってるクリームのことらしいです。もしかして生クリーム作ってたら舐めちゃったみたいな、そういうこと……?

猫を飼ったことがないせいでしょうか。何も分かりません。

よく出てくるわりに、日本人からすると直観的ではなく、出てくるたびに「ん??」と思ってしまう私です。向こうの人は納得してこの表現を使ってるんでしょうか。不思議ですね。

最後に

というわけで、小説に出てくる興味深い英語表現を紹介してみましたが、いかがでしょうか。

見たことのない言い回しを見ると面白いし、刺激的で、興奮しますよね。

読者の皆様も、面白いと思った表現があったら、教えてくださいね!


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