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知らない先生の授業を受けた朝


テレビを観ている夢を見た。
50代くらいの男性中学教師に密着する番組。

その先生は少し白髪が混じっていて、
おしゃれとはいい難い古風な眼鏡をかける
優しい顔つきの先生だった。

どうすれば飽きない授業ができるか、
生徒に寄り添った授業をするから慕われていた。


ある日の授業で先生は言った。

これからは見てもらう授業はやめる、
君たちには推察する力を持ってほしい。


みんな何を言っているのかわからない
というような顔で先生を見ていた。


授業が終わり、
一人の学生が先生に近づいた。

その学生は泣いていた。

野球部だろうか、坊主頭で。
部活で使うであろうタオルで涙を拭いていた。

そして先生に言った。

よい週末をお過ごしください。

先生は嬉しそうに
その学生の坊主頭をポンと触った。



そこで目が覚めた。

先生が言っていた言葉を考える。

これからは見てもらう授業はやめる、
君たちには推察する力を持ってほしい。

生徒が理解しやすいよう考えつくされた授業は
生徒の考える力を奪っている、
先生はそう考えたのかもしれない。


最後に近づいた学生は何を思い泣いて
何を思いあの一言を伝えたのか。

どちらにせよ、

この言葉の意味を考えることこそが
先生の言う「推察する力を持ってほしい」
の第0回のようなもので、

その第0回は野球少年のお陰で
成功と呼べるものになったのかもしれない。



会ったことも見たこともない先生の授業を受け
考えさせられた朝の話でした。






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