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新卒でコンサルに行って後悔したこと

なんかカッコ良さそうだし給料もいいから。という猛烈に安易な理由でコンサルに入社した私は2年も経たずに逃げ出すように辞めてしまいました。それでも新卒でコンサルに入ってよかったと思うことは多く、前回「社会人10年目 起業して6年 新卒でコンサルに入ってよかったこと」を書きました。今回は反対に新卒でコンサルに入って後悔したことをまとめてみました。


目的もなく半端な気持ちで入社して後悔

 志望理由が「なんとなくカッコよさそうだし給料もいいから」というなめきった理由だった私は、入社してからも具体的に「こんな分野のこんなコンサルタントになりたい」とか「コンサルティング会社でこんなことを成し遂げたい」という思いはありませんでした。とりあえずは新人として任された仕事で成果出していけば、そのうち評判上がって昇格できるし給料もあがるだろうくらいに思っていました。思いも信念もそこにはありません。


 コンサルティング会社はなかなかの激務ですし、クライアントからもチームからも結果を求められるプレッシャーの大きな仕事です。半端な気持ちで入社した私にはそのプレッシャーに耐えられませんでした。

今は当時に比べれば労働時間などは改善されている(はず)と思いますが、それでも周囲から受けるプレッシャーはあると思います。なんとなく言われた通りにやっていれば自然と成長して自然と稼げるようになるという世界ではないと思います。なんのためにコンサルいくのか、自分にとってこの会社で過ごす時間や期間はどんな位置づけなのかは仮決めでいいから設定した方がいいと思います。


転職先の幅の狭さに後悔

もうコンサルなんて嫌と思った私は、転職活動にいそしみます。2010年の1月~3月頃のことです。リーマンショックの影響で超不景気の中、社会人経験が2年足らずの若造なんてどこも取ってくれない。と思っていたら、意外と転職活動は順調でした。エージェントに登録すればいくつか紹介してもらえるし、書類や一次面接も半分以上の確率で通ります。でも、なかなか決まりませんでした。理由は私が営業職を希望していたからです。


 転職エージェントに行くと、コンサル出身ということで別のコンサルティング会社やマーケティング系の会社をすすめられることが多かったです。マーケティング会社は人気なのかもしれませんが、当時の私は嫌だったのです。ここがコンサルの辛いところ。コンサル出身ということで逆に転職先が絞られます。もちろん、本人が希望すれば様々な職種に挑戦できますが、その時にネックになるのは年収です。


 私は転職活動をしたときは、ほぼどの求人も年収がダウンすることが前提。年収が上がる案件は外資系のマーケティング会社と外資系のMR職の二つだけでした。もっとも、当時のコンサルティング会社は残業代が一切でないので、計算上の年収が微減でも残業代出れば年収アップになっていたかもしれません。


 私のいたコンサルティング会社は業界内ではそれほど給料のいい会社ではありませんでしたが、それでも世間一般の水準から比べると高い方です(N●T系列から転職してきた人は「年収が100万下がった」と言っていましたが)。若いうちはいいかもしれませんが、結婚して子どももいてという状態での転職となると年収ダウンは大きなネックです。


視野を広げられなくて後悔

コンサルティング会社のときは、そりゃあもう忙しかったです。プロジェクトの切れ目のタイミングが重なって年末年始に10連休とったことはありましたが、基本的には休みが少なく、土日どちらも休みのことを「連休」と言ってました。出張も多いので日曜日の夕方には飛行機や新幹線で移動なんてことも少なくありません。入社一年目の6月~10月は毎週、日曜日に新幹線で移動 → 木曜日までクライアント先(木曜夜に東京帰り) → 金曜日は社内研修 → 土曜日AMはプロジェクト会議(月1くらいでPMに若手勉強会)という生活をしていました。8月頃から新幹線を見るとお腹が痛くなる体質になりました。


 そんな状態なので、基本的には自分の仕事で手一杯。趣味に時間を費やしたり、外部の勉強会で知見を深めたりというのはなかなか難しいです。社内での勉強会や情報交換の場は充実していますが、外部での知見を広げる機会はありませんでした。様々なクライアントと仕事ができるものの、会話の内容は仕事に関することに偏りがちなうえ、コンサルタントとしての発言ととらえられるため、あまり無責任な発言もできません。自由で闊達な意見交換というのは難しかったです。

 当時はSNSもmixiくらいしかなかった(一応Twitterなどもあったけど、まだまだ普及していない)ので、社外の人の様々な意見を聞く機会は少なく、視野が狭かったなと思います。コンサルティング会社の場合、論理を非常に大切にしますが、論理がぶっ飛んででもおもしろい意見とか、心が震えるような話しとか、仕事を離れて自分の人生を考えるとか、そういう機会があっても良かったかなと思っています。


 私は今、独立してコンサルタントをやっていますが、勉強会に大手のコンサルティング会社の若手が参加しているのをほとんど見たことがありません。たまに30歳前後の中途入社1~2年目の方と会うくらいです。事例や情報のキャッチアップは社内でもできるのだと思いますが、色々な考え方に触れるという意味では、若いうちからもっと外の世界出てもいいんじゃないかと思います。

ちなみに、コンサル出身で独立というと華々しいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。私の場合はこんなことになりました。


なんのためにコンサルに就転職するのか

コンサル業界は就活でも転職でも人気の業界と聞きます。確かにやりがいがあって面白い仕事です。ただ、私のように中途半端な考えでいくと後悔するかもしれません。なんのために行くのか、何がしたくて行くのかは仮決めでもいいから明確にすることをおすすめします。また、一言にコンサルティング会社といっても多種多様です。中にはコンサルタント職と言いながら飛び込み営業やっている会社や、ひたすら研修やセミナーの講師業だけやっている会社もあります。何をしたいのか、そのためにどんな経験を積める場なのかの見極めは慎重にしてください。

※今回の記事の内容はあくまで私の個人的経験によるものなので、コンサルティング会社がすべて同じ状況ではありません。また、人によって感じ方や考え方は様々ですので、一個人の意見として参考にしてください。


こんな私ですが、今は株式会社カイラボという会社の代表をしています。コンサルティング会社の時に心身ともにボロボロになった経験から「働きがいのある仕事、働きがいを感じる人を増やしたい」と思い、会社を立ち上げました。 → 株式会社カイラボのWebサイト





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