うつ病の友達にかける言葉がなかった件
友達から持病を告白された
毎回noteを書くとき、僕自身のことをうつ病無職中年オジサン友達0人です!て言ってますけど、厳密にはほんのちょーっとだけはいます(笑)
まあ四捨五入すれば0人ですから大体あってますし、そもそも僕は友達と思ってても相手がどう思ってるかは分からない…(悲しい)
友達って難しいよなぁ。友達関係を認める証明書がほしい。そんなことでしか友達関係を表現できない僕って…ぴえん。
さて、そんな人の気持ちが全然分からないyazuに珍しくLINEでやり取りしてる友達がおりまして。そんな彼から先日突然こんなことを言われました。
「うつ病と診断されてしまった」
えー!と声を出してしまったぐらい驚きました。毎日話をしてたから、まさかそんなことになっているとは思わなかったです。
彼は一部上場の商社勤めで子供がいる家庭ともあって、僕とは真逆のステージにいる人です。競馬繋がりで大学の時に友達になってから、随分長く仲良くしています。
僕がうつ病で長らくドロップアウトしていることを彼は知っているので、その関係で僕に発病のことを打ち明けてきたんだと思います。
「話せないか?」
という話をいただいて、早速競馬場であうことにしました(意味不明)
休職の理由を知らされる
川崎競馬場では、3500円で6.5時間も飲み続けられる天国のような場所があります。世も末のクソ野郎ども集結地です。長く話を聞くにはもってこいです。ぜひ皆さんも川崎競馬場に来てください(笑)
うつ病人間にアルコールはご法度なんですけど、まあそれはそれとして。だってあいつが飲みたい言うんだもん…僕も飲みたかったし…(意志薄弱)
ここで乾杯しておよそ30分ほど近況報告をしたのち、彼が言ってきたのはうつになった経緯である会社でのパワハラの数々でした。
やることなすこと全て上司に否定され、大声で叫ばれたり罵られたり。多くの人がいるなかで晒上げのようなこともされたようです。徐々に同僚からも距離を置かれ、誰も会社内で頼る人がいなくなって心の均衡が保てなくなったと言ってました。
「これからどうなるんだろうなぁ」
と彼は言ってました。どちらかというと自分の病気のことよりも家庭生活がどうなってしまうのかという不安が大きいようでした。優しいヤツや。
そのくせ僕のことを「太った」とかデリカシーの無いことを言いやがるのでその点は即刻修正のこと!!
それはともかく、会社にはしっかりとした福利厚生があるので当面は給料レベルのお金が支給されるようです。流石一部上場。
よって生活に支障が出るという感じではないのですが、それでも描いていたであろう人生設計に暗雲を立ち込めてしまったという感覚は理解できました。
「3カ月は当面休めって言われてさー」
「まあ、そんなもんだよな。休職って。大丈夫だよ、治るよ」
「yazuに言われてもあんまり信ぴょう性ないんだけど」
「なにぉーーー…あ、3こい!3差せ!!さ、さーーーーーーーーん!!!」(馬群に飲み込まれる3番)
とまあ、話をしてるのか、競馬しにいってんのか分からない状況でした(笑)
川崎競馬場のラウンジ、TVで実況中継してくれるのでお勧めです!
病気になったほうが負けである現実
「でもさー、おかしいよな」と彼が頭を垂らした後、言葉を続けます。
「別に俺はおかしいことをしているつもりはなくて。客観的に考えても上司が間違ってると思う。それでも俺は休職させられて、恐らく出世の道も閉ざされて。何でこっちがペナルティを負わなきゃいけないの?」
それは確かにそうです。別に僕たちは悪いことをしたわけじゃない。むしろ自分が正しいと思って(おそらく周囲的にも正解とされた道を辿って)、自分なりに頑張りを通して貫いた結果です。それがこういう末路というのは本当に正しいのかと思うと凄く悩ましく思います。
別に休学や休職が悪いわけじゃない。
様々な要因があって、たまたまその人は耐えられなくなって、最終的に病気になったから休んでるだけにすぎません。
医者から言わせればこれを「心の風邪。誰でも罹る」なんて軽く言うんだけど、実際うつ病で休職でもすれば多大なバツがつきます。
前の会社では休職すると年単位でランクが上がらなくなりました。これのどこが風邪レベルなんでしょうか。こんなことだから皆は心の病気を隠して生きるわけです。
バカの極地にいる僕は何も考えずに持病をフルオープンにしたから、転職活動でアホをみてるわけです(笑)なんか僕が悪いことでもしてるのかって話です。まるで犯罪者のような扱いです。
「そうよなぁ、これは日本の社会的な問題っていうかねえ」
僕自身、この問題の渦中にして影響をうけている人間ですから、何かいい答えを返せませんでした。ちびちびやってるワインがあんまり美味しくない。
「結局のところ、心の病気に罹らないために努力しろって話なんじゃないの」
「一生懸命仕事に取り組もうとしたヤツがメンタルブレイクして、逃げ回ってるヤツが評価あがるの?働くのがバカバカしくね?」
「そうとも言えるし、まあ、それを乗り越えられるヤツが取り立てられるともいえるし。体育会系のノリではあるわな」
「やだやだ、全くワケが分からん」
話をしていると彼は意外に元気ではあったんですが、時々ビール瓶を持つ手が小刻みに揺れてたりするのを見ると「辛いんだろうなぁ」と感じました。
てか、そんな奴を飲み屋に連れてっちゃだめだろyazu。ごめん、友達。
僕は彼に答えを伝えられなかった
「なんか、お前と話をしても解決案みつからないもんだなぁ。算数のように答えが分かればいいのに」
と言ったのは彼のつぶやき。おいおい、一応相談に乗ってる本人を目の前にしていうなや(笑)僕も笑いながら言ってやりました。
「完全には分かってあげられないっていうか、話を聞くぐらいしかできんからさ。相槌があるだけでもマシだと思えよ。僕がお前と結婚でもしてりゃ全力で支えてやるんだけど」
「気持ち悪いこというな(笑)既婚者だよ、こっちは」
「お前、優良物件だからな。好き♡」
「こっちから願い下げだわ」
yazu、男(既婚)にもフラれる…。もうまじ無理。
何度か書いてることではあるんですが、心の病気は基本自分でなんとかするしかない問題です。他人から答えが貰えるものではなく、どんな格好でも自分で折り合いを見つけるしかありません。
病気に罹った彼にとって、僕の答えは多分物足りなかったでしょう。それはかつての僕も同じでした。罹った当初は僕も答えを見つけるためにいろんな人に相談したし、本とかYoutubeとかnoteを読みました。
「なんで答えがないの?誰も僕のことを分かってくれないの?」
こればっかりでした。誰も僕の悩みにバシッとハマるアンサーはくれませんでした。
今だってこれは現在進行形。残念ながら僕は今彼へ渡せる答えは持ち合わせていません。多分、永遠にないんだなぁ。
「そんなもんなんだよ。誰も答えなんて持ってないからさ。周りが変わるか、自分が乗り越えるか、スルーするか、それとも逃げ出すか。どれかしかないんだわ。実際のとこ」
ようやくクソまずのワインを飲み終えて、僕は新たなお酒に手を伸ばしました。
「せめて減点方式にはしてほしくないよな。この病気については」
ため息をつく彼。やっぱり表情を見ると曇ったままでした。僕はグラスを彼の持つジョッキに軽くあてます。
「そうねえ。一回落ちると這い上がれない世の中だからなぁ。会社辞めるのはやめといたほうがいいよ」
「おー、無職が言うと重みが違う」
「うっせ(笑)」
彼はハハッと笑ってました。基本失礼なヤツなので、最後に冗談が聞けただけまだ余力があるのかなと思いました。
僕は彼に対してあんまり良いことは言えなかったし、実際悩みに答えてあげることはできませんでした。
仕方ない。こういう病気なんだから。
これからゆっくり休んでもらって、心のスペースを少しずつ空けてもらって。ちょっとずつ考えていってもらえればいいと思います。
最終的にだめなら僕のように逃げ出すことも仕方ないとは思うんだけど、彼の場合は家庭もあるし難しいでしょうね。その点、難しい戦いではあるんですが。
本当、人間はやっかいな病気を生み出してしまったもんです。誰もが「大したことねーよ」と笑いあえる世界があればいいんだけどね。神様がいるなら心の病気ってやつにどういう見解をもちあわせているのか聞いてみたいものです。
数時間に及ぶ川崎競馬場での秘密会議はこれにて終了。
微妙な表情ながらも最後に笑顔で別れた彼を見て、僕は元気よく手を振りました。
あー、僕も転職うまくいってほしいなぁ(自分のことしか考えてない)
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