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『人は話し方が9割』が売れた理由の9割【年間1位の秘訣に迫る】

2020年ビジネス書ランキング1位
累計販売部数60万部

2020年に大ヒットを記録したのが「人は話し方が9割」です。

60万部も売れていれば、読んだことがある方も多いと思います。

さて、ここでちょっと質問なのですが
この本はどうしてここまでのヒットを呼んだのだと思いますか?

2020年のビジネス書ランキング1位になるほど人気を得たのは、内容の面白さだけでは語れない秘訣が隠されていると思います。

今日は、「人は話し方が9割」が大ヒットを呼んだ3つの理由について迫っていきます。

1 「話し方」というより「聞き方」の本

タイトルのとおりこの本は「話し方」の本です。

しかし、この本は「話し方」と言うより「聞き方」の本なんです。

読んだことのない方からすれば何を言ってるんだと思うでしょうが、本の中でも「話し方は聞き方が9割」と書かれています。

内容についても、話し方のテクニックよりもどうやって相手の話を聞くかに多くのページが割かれています

実は、会話で一番重要なことは「いかに相手に気持ちよく話してもらえるか」です。

一度、自分が気持ちよく話せた思えた時のことを思い返してみてください。

話を聞いてくれた相手に対して、好印象を持っているのではないでしょうか。

人間は自分の話を聞いてくれる相手に好印象を持つようになっています。

会話するシチュエーションは様々ですが、「相手と楽しい時間を過ごしたいから」「相手と仲良くなりたいから」会話をすることが多いのではないでしょうか。

つまり極端に言ってしまえば、会話の目的は「相手の気分を良くすること」であり、そのための方法が「聞くこと」なのです。

そういった意味で「話し方」の本で「聞き方」を解説することは非常に真っ当なことなのですが、ここに大ヒットを生んだ理由が隠れています

さて、話し方の本を手に取る人ってどんな方でしょうか?

恐らく、話すことに対して苦手意識を持った方が多いですよね。

世の中には多くの話し方の本がありますが、「どうやって話すとよいのか」など話し方に焦点が当てられるものがほとんどです。

しかし、話すことが苦手な人にとっては、話すテクニックを教えられても「話す」という行為自体がハードルが高いのです。

そのため、読んだ時は「なるほど」と思っても実践に繋がらない人も多くいます。

一方、聞くことならどうでしょうか。

「話すこと」が苦手でも「聞くこと」ならできる
そんな方が多くいるのではないでしょうか。

つまり、話すことが苦手な人でも実践がしやすい「聞き方」に焦点を当てた本であること。

話すことが苦手な人に寄り添った内容が大ヒットを生んだ要因です。

2 キャッチーなタイトル

僕は本屋でなんとなく本を眺める時間がとても好きです。

面白そうな本がないか眺めているのですが、タイトルがキャッチーな本にはいつも目が止まってしまいます。

この本が売れた理由2つ目は、「人は話し方が9割」というキャッチーなタイトルです。

僕のように意識的に本を眺めていなくても、一度は目に止まったことがあるタイトルなのではないでしょうか。

ものを売るうえでタイトルは非常に重要です。

例えば、この本のタイトルが「話し方を学ぼう」だとしたら、恐らくここまでのヒットは生まれてないでしょう。

売れるかどうかはタイトルが9割といっても過言ではないと思います。

実はすばる社の編集者の方がnoteに作成秘話を残してくれています。

なんとタイトル案を100個も考えた結果、生まれたのがこのタイトルだそうです。

人は見た目が9割
伝え方が9割

9割がついている本はなんとなく目が向きやすいですよね。

9割をつけることで「人は話し方で決まる」という強い意味を持たせることができますが、意味ほどの圧迫感を与えずキャッチーなフレーズに成り立っています。

また、過去にヒットした作品があることで、「この本も面白いのだろう」という予測効果も働きます。

まさにヒット間違いなしのタイトルだったのです。

最初の波の作り方

最後の理由としては、編集部の方の努力によって最初の波を作ったことで、この大ヒットは生まれました。

このnoteでは、編集部の方がどうやって売り出したのかが書かれているのですが、とても戦略的だったことが分かります。

購買客層のデータを詳細に分析し、40代女性がメイン客層と特定
⇨女性の目に触れるように、書店での配置を工夫
キャッチャーなタイトルなので、人の目に触れることを意識
⇨店頭入口でランキング展開している本屋を意識して営業

上記のような戦略を取ることで最初のブームを生み出したそうです。

本に限らずヒットを生むには「いかに最初の波を作るか」が重要です。

なぜなら、「売れているもの」に対して人間は興味を持ち、手を取る確率も増えるからです。

実際僕も「2020年に一番売れた本なら読んでおくか」という理由でこの本を手に取りました。

編集部の方の詳細な分析・工夫、そして地道な営業活動により最初の波を作り出した

ベストセラー本には中身だけでは語れない要素があると感じました。

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さて本日は「人は話し方が9割」が大ヒットを生んだ理由について考察してきました。

ベストセラー本はなるべく読むようにしていますが、内容はもちろんのこと「どうして売れたのか」考えてみると結構面白いです。

まだ読んだことがない方がいれば、内容を楽しむと共にどうして売れたのかにも注目しながら読んでみてください。

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【「売れているもの」が売れるハロー効果について】





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