見出し画像

本の棚 #166 『稼ぐまちが地方を変える』

元気な地方がたくさんある国。

そんな未来を描くために

都会でビジネスの基礎を学ぶ。

そういったスタンスの人が増えてくる、

いや、すでに増えているのではないか。

「地元を元気にしたい」

そんな思いをもっていたとしても

実際に何ができるのか。

著者がたくさんのチャレンジから得た

地方創生のための鉄則を学ぶ。

−−−−−−−−−−−−−−

天から降ってきたお金は、地域の問題を解決するどころか、かえって災いの元となる。

補助金という名の災い、と言ったら

少し過激だろうか。

お金というものはそれ自体は

特に性質は持たないけど、

使う人によって表情が変わるように思う。

また「何の対価としてのお金か」ということも

そのお金を使うときには影響する。

事業、ビジネスで得た、つまりは

世の中になんらかの価値を提供したことによる対価

毎月買っている宝くじで得た1億円

全国民に配布された10万円

同じお金というものではあるけれど

いざ使うぞってなったときの

責任感?みたいなものは違うだろう。

じゃあ地方の持続的な発展を促すのは

一体どんなお金なんだということ。

補助金だって簡単に得られるようなものではないと思うけど

それはあくまで一時的なものでしかない。

お金は一回は循環するかもしれないけど

その後が続かないかもしれない。

まちの再生に必要なのは「経済」

血の巡りが悪いと身体は不調をきたす。

お金の巡りが悪いとまちは衰退していく。

経済をぐるぐるまわすこと、つまり

まち全体で「稼ぐ」ことが

再生して、持続していくということである。

まちを一つの会社として考え

どんなリソースがあるのか、

どこに投資するのか、どこで利益を得るのか、

そうやって住民が知恵を絞る…

これはわくわくするやつだ。

「いかに行政にお金を支払えるか」

「まちづくりは行政の仕事」という

昔ながらの思い込みを捨てて

官と民で「公」をよくしていくという

そんな発想に切り替えていく。

お役所に文句を言うことばかりしていても

誰も得をしない。

小さくてもいいから事業を始めて

きちんと納税、つまり行政にお金を払う。

事業がうまくいくということは

提供する商品やサービスなどが

利用されていることを意味する。

それを考えるのは民間企業のほうが

得意とする分野ではないか。

得意なことを得意なほうがすればいい。

シンプルにこの考えでいくと

変なお金に頼らずに、自分たちでやっていく

自立したまちづくりがスタートする。


「撤退ライン」は最初に決めておけ

10ある鉄則のうちの8番目。

事業は3ヶ月ごとに点検して

利益が出ているか確認するのだ。

「いつか好転する」

そんな甘い夢をみていてはいけない。

早く小さく始めて、早く判断する。

これで貴重な時間とお金を守る。

早く判断するためには

「撤退ラインを明確に示しておく」

という準備が欠かせない。

これがないと中途半端に成功していると

なかなかやめられずに、発展することもなく

ズルズルとすすんで、気づいたら赤字になる。

なにかのプロジェクトを始めるときは

「撤退ライン」を決めておこう。

「民間には高い公共意識」、「行政には高い経営意識」が求められている

双方に求められる意識と行動。

どちらも世の中がよくなる、

社会がよくなるために、ということでは

方向性は変わらないはずだ。

さいごに、これはそのとおりだと思う。

「何かをやりたい」と本気で思った時、人は衝動的に行動を起こします。「やりたいけど、リスクがあるからどうしようかな」なんて迷っているようなら、それはたいしてやりたくないことです。

動いていないなら、それは本気で取り組めることじゃない。


−−−−−−−−−−−−−−

#読書 #推薦図書 #田舎 #地方創生

#ビジネス #利益 #再生  

#まちづくり #木下斉

この記事が参加している募集

サポート頂いた分は全て書籍代として本屋さんに還元します!