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本の棚 #195 『リーダーシップの旅』ー見えないものを見るー

誰もが自分の人生においては

リーダーと言えるのではないだろうか?

これほど「刺さった!」と感じたのは

小学生の時に大好きな魚の煮付けを

欲張ってがっついたときに

まぁまぁ大きめの骨がのどの奥のほうに

サクッと刺さったとき以来…

白ごはんを丸のみしたら骨がとれるという

何の根拠もない、いやむしろ

もっと深く刺さるんじゃないか

という疑問さえ生まれてくるような父親の声に

それまで食べていた白ごはんの

倍の量を飲み込む始末。

刺さったら、なかなか抜けないあの骨のように

リーダーシップという言葉に魅せられて

本書を手にとって見たわけだ。

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リーダーを目指してリーダーになった人はいない

散歩をしていて富士山に登った人はいない

これなら聞いたことがあるけど…

リーダーはリーダーを目指していたわけではなく

結果としてリーダーになるのだそうだ。

これは、なんとなくわかる気がする。

のちにリーダーと呼ばれる人は

最初は一人旅なのだ。

その過程でいろいろな人が賛同したり

ときには着いてきたりして

鬼ヶ島についたときには

なかなかの大所帯になったりしている。
※きびだんご効果は大きい

結果を出していないのにリーダーシップがある

そんなことはあまり聞かない。

何かしらの結果を残して始めて

「あの人はリーダーシップあるよね」

とどこかの誰かに知ったふうに言われる。

リーダーがフォロワーを動かし、フォロワーがついてきてくれる重みによってリーダーがその思いを強め、高めていく。

これをリーダーシップの共振現象という。

その相互作用的な側面がリーダーシップには

あるという点は重要だ。

「動かし」という部分についても

走ってて振り返ったらついてきていた、

そんなニュアンスだ。

フォロワーによって、

リーダーの信念がさらに磨かれて

キラキラと輝き出す。

そしてフォロワーもその信念を

自分の信念、と感じるようになる。


「リーダーは創造と変革を扱う」

見えるものをやりくりするのがマネージャー

見えないものを見ようとして新しい世界をつくりだすのがリーダー。

勘違いしてはならない点は

マネージャーがリーダーより劣るとか

そんな話ではないことだ。

どちらも重要な役割を担っていて

稀にどちらも優れた人が現れたりする。

組織であれば役割分担をしていることもあるだろう。

マネージャーの特技が「問題解決」ならば

リーダーは「問題発見、創造」かもしれない。

この二つをごっちゃにしないように

言葉選びには気をつけたい。

目の前のドアを開けるためには、後ろのドアを閉じなくてはならない

ここでいう後ろのドアとは

蓄積した信用。

日々の行動と結果で信用を集めた人は

積立貯金がたまっている状態。

「信頼貯金、信頼の土台」という表現をされることもある。

それを次のイノベーションのためにおろしたり

あえて捨てるという行為をとらないと

かえってフォロワーからの信用を失いかねない。

後ろのドアを閉める勇気。

これこそがリーダーがネクストステップへ

進むための一つの要素だろう。

ドアを閉めることで見ようとしていた未来が

もっと明確に見えるようになることもある。


「夢なんか実現しっこないと言う人もいるが、実は夢しか実現しない」

素敵なことばだ。

CCCの増田社長のことばらしい。

夢があるって、人間らしくていい。

人の夢と書いて「儚い」と読むセンス。

いくつになっても追いかけていたいものだ。

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