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本の棚 #45 『それ、パワハラです』

『それ、パワハラです』
何がアウトで、何がセーフか
笹山尚人

「ん?これパワハラか?」

そんなことを考えたことがある。

これは被害者側という視点だけでなく

加害者側としてもそうだ。

日々の言動について振り返ったとき

悪意をもって、というわけではなくて

何気ないコミュニケーションのなかに

ハラスメントは潜んでいる。

悪意がある、意図的なものは問題外で

誰が見てもアウトデラックスだと思うけど

「そんなつもりは…」

みたいなことがトラブルにつながることは

よくあるんだと思う。

コミュニケーションは受けとる側の捉え方が

ある意味全てである。

だから伝える側はどう受け取ってもらえるかを

考えるわけで、そのズレが大きくなればなるほど

お互いにとって残念な結末が待っている。

ことパワハラにおいては意外と知識不足の状態で

交通事故にあう人がたくさんいるのではないか。

赤信号は止まる、というのは

暴言を吐かない、というレベルで例えられるが

黄信号はどうだろう?

気づかないでゆっくり渡っていたら

赤信号に変わってしまうかもしれない。

要はこの黄信号〜赤信号の明確なサインを

知っておくことが自分を、そして周りを

大切に守っていくことにつながるんだ。


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精神疾患はレントゲンに映らない

骨折のような症状であれば完治したかどうか

誰が見てもわかるものだ。

しかしパワハラによる精神疾患は状態が見えない。

ヒビなのか、完全に折れているのか

骨ならわかるのに、心になるとわからない。

完治したかどうか、そもそも完治というものが

存在するのかもわからない。

それが引き金になって自ら命をたつ人も

日本にはたくさんいると聞く。

世のために、人のために働く現場で

なぜそんなことが起き続けるのだろうか。

世の中の怒りや鬱憤みたいなものが

溜まりに溜まった負のエネルギーが

溢れ出しているように、思えてならない。


長時間労働はパワハラか

過大な業務の強要の結果として生まれる

長時間労働は、真面目で責任感の強い人ほど

知らぬ間に精神を蝕まれかねない。

部下の労働時間を把握していながら

ただ「がんばっているな」と傍観していたり

管理職だからというような口実で

その社員の労働時間に対してはなにも指導しない。

それが組織的な文化になっていくと

改善するのに大変な苦労を要するだろう。

長時間労働によって肉体的な疲労は溜まり

それでも働き続けると精神を病むことになる。

気づいたときには職場に復帰できないほどの

症状に陥っていることも多々あるという。

この点に関しては労働に関する法律を学び

無茶苦茶な労働を防がなければならない。

さもなければ「安全配慮義務違反」に問われ

罰せられることになる。


最強ツール「ICレコーダー」

パワハラでも特に多いのが「言葉の暴力」

動物の中でこんなに高度に音を使い分けるものは

人間の他にいないだろう(たぶん)

その素晴らしい力を他人を攻撃することに

傷つけることに使ってしまう。

しかしこの手のパワハラには防災グッズ的存在

ICレコーダーがある。

「相手の承諾を得ずに録音してもいいのか」

という疑問に対して著者は回答は

「かまわない」

そうなのか!それを恐れている人は多いはず。

この音声記録があったから解決した案件が

たくさんあるそうだ。

迷わず録音。覚えておこう。

今ではスマホで録音できるから

いつでもどこでも会話は録音されてしまう。

恐いけど、そうやって自分の言動に気を配り

アウトのラインを超えないようにするで

相手を、自分を守ることにつながる。

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