矢田石材店

愛知県岡崎市で1955(昭和30)年に創業。 理想のお墓づくりをお手伝いします。 「は…

矢田石材店

愛知県岡崎市で1955(昭和30)年に創業。 理想のお墓づくりをお手伝いします。 「はなえみ墓園」「お寺でおみおくり」「愛知県石材リサイクルセンター」などを運営。 お寺さまと一緒にみなさまの不安を解消していきます。 ☞https://www.yatasekizai.com

最近の記事

誠実に、ていねいに。23歳の想い

 愛知県豊田市、信光寺の本田龍樹住職は23歳。大卒の会社員なら、まだキャリアをスタートさせたばかりという若さだ。この年齢で、市内山間部の松平地区にある古いお寺を一人で守っている。高い志はもちろん、不安もある。期待も感じる。若き住職に正直な胸の内をうかがった。 無住のお寺を引き継ぐ  ――信光寺はご実家ですか?  「いいえ、住職のいないお寺を引き継ぐことになり、昨年の8月、ちょうど23歳になった誕生日に信光寺の住職になりました。  今は岡崎市にある真宗大谷派の三河別院で研

    • <第2章:その3>妻の実家のお墓そうじをする

       何度も言うように、私も父が事業に失敗したとき、たいへんな貧乏生活に陥って、しかも長く続きました。そのうちに、妻の実家から、 「帰ってきてもいいよ。そんなに苦労する必要はないよ」  と妻に言ってきたのです。子どももまだ生まれていないときでしたから、妻の両親としては見るに見かねてといった按配だったのでしょう。  でも、私は私で、墓石屋として必ず成功すると確信を持っていました。おじいちゃんの墓前にぬかずいて誓ったことでもありました。残念ながら、自分では自信を持っていても、商売とし

      • 葬儀用品から見える移り変わり

         愛知県尾張旭市の日本トレード株式会社は、ありとあらゆる葬儀用品を販売している会社。矢田石材店も、お寺の本堂で開くお葬式をサポートする事業「お寺でおみおくり」でお世話になっています。長くこの業界に携わってきた松井茂樹社長(54)にお話をうかがうと、葬儀用品を通してお葬式の移り変わりが見えてきました。 月間800基の棺を納品  ――葬儀用品というと、どんなものですか。  「いちばん、みなさんが思い浮かべられるのは棺でしょうね。月に平均して700~800基を葬儀会社などに納

        • 『Hanaemi』2024夏を発行

           矢田石材店の季刊誌『Hanaemi』の2024夏号を発行しました。7月にパリ・オリンピックが開幕するということで、巻頭の連載企画『ココロ、やどる。』はスポーツ界から登場していただきました。2004年アテネ・オリンピックで41歳のメダリストになって「中年の星」といわれたアーチェリーの山本博さんです。寺院関係者のインタビューは、愛知県一宮市の妙泰寺の松永寿康住職にお話をうかがいました。 「中年の星」から20年  山本さんのアテネでの銀メダルは、1984年ロサンゼルス大会での

        誠実に、ていねいに。23歳の想い

          離島で気づいた「僕しかできないこと」

           愛知県豊田市の顯正寺にはヤギがいる。住職の中根浩正さん(54)は、大学生時代に沖縄でシカの生態を研究していたという経歴の持ち主で、ペット供養もしている。動物だけではなく、2010年に7代目の住職となって以来、境内でさまざまなイベントも開く。「去る者は追わず、来る者は拒まず」という姿勢で、お寺の再生に取り組んでいる。 「ヤギを見たい」と、お寺訪問  ――ヤギを飼っているんですね。いつからですか?  「5年くらい前からかなあ。坊守(妻)の友だちがヤギを飼っていて『子ヤギが

          離島で気づいた「僕しかできないこと」

          <第2章:その2>妻から離婚届を突き付けられて

           お墓参りで人生が好転したはじめのエピソードに入る前に、ひとつ考えていただきたいことがあります。  それは、私たちがふだん、家庭や社会、学校、地域などで集団生活を送っていますが、 そのような中で人が人に対して誠意を見せる、いちばんよい方法はなんでしょうか、ということです。  これは、けっこう難しい課題です。言葉も重要ですが、必ずしも言葉が信頼されているとは限りませんし、むしろ軽いと受け取られる可能性もあります。  やはり、行動で気持ちを示すしかありません。  その行動の中で、

          <第2章:その2>妻から離婚届を突き付けられて

          亡き人の想いや願いを想って

           愛知県岡崎市の浄土宗西山深草派の寺院、欣浄寺(ごんじょうじ)に「岡崎本宿はなえみ墓園」がオープンしました。欣浄寺と矢田石材店が共同で運営するお墓です。矢田石材店がお寺でのお葬式をサポートする「お寺でおみおくり」の賛同寺院としてインタビューをした、住職の祖父江義典さんに、もう一度、お墓をテーマにお話をうかがいました。 お墓の心配を解消する魅力  ――前回のインタビューでは、欣浄寺の歴史や浄土宗西山深草派の宗旨にのっとって開いた模擬葬儀のこと、お寺でお葬式をする意義などにつ

          亡き人の想いや願いを想って

          <第2章:その1>心の闇が埋まる

           お墓参りすることによって、実際に人生の難問を解決し、事態を好転させた人々はたくさんいます。  すでに述べたように私自身、どうにもならない壁にぶち当たったときに、母のお墓にお参りして苦境から徐々に立ち直りました。はじめはただ「お母さんに会いたい」との幼い願いだけで墓所に向かったのですが、徐々に目に見えない母と対話を始めていたのでした。  ひとりでお墓に向かっていると、おもしろいもので、矢印が外に向かう(何ごとも他人のせいにする=他罰的になる)よりは、自分に向かってくる(自罰的

          <第2章:その1>心の闇が埋まる

          吉良の歴史と自然に囲まれて

           愛知県西尾市吉良町の花岳寺は「吉良先祖の菩提寺」。忠臣蔵で知られる江戸時代の吉良氏よりも前の時代に、分家していた三河吉良の東条吉良氏の菩提を弔う、歴史ある臨済宗のお寺だ。今春、西尾吉良はなえみ墓園を矢田石材店とともにオープンさせたご住職の鈴木孝敏さん(60)にお話をうかがった。 金星山の僧房が発祥か  ――花岳寺の創建はいつですか。  「1200年代のころ、花岳寺のあたりを金星山と呼んでいて、そこにあったお堂に薬師如来が祀られていたそうです。花岳寺に薬師如来があるので

          吉良の歴史と自然に囲まれて

          <第1章:その6>お墓はいちばんのパワースポット

           私も有名なお寺で座禅を組んだり瞑想したことがあります。座禅や瞑想も体系化されていますから、自分の心の浄化という点で効力があります。  ただ、お墓参りの場合には、気軽に、すぐに行くことができますし、先祖や身近な故人と対話ができます。  お墓参りというと、年配の方がするものというイメージを抱きがちですが、むしろ必要なのは20代から40代の人たちです。それについては、次の第2章で具体的な事例を紹介しながら考えていきます。  若い世代が積極的にお墓参りをしていくことによって、自分が

          <第1章:その6>お墓はいちばんのパワースポット

          「原酒でも水割でも、肝心なのはウイスキーを味わうこと」

           愛知県岡崎市にある西福寺の山下存亮住職(58)は、ユーモアを交えながらも、「お寺の本筋を外してはならない」ときっぱり語る。市井の人々にはなかなかとっつきにくい仏教の教えを、どうしたら伝えられるのか、と考える。 鎌倉時代の創建か?  ――西福寺について教えていただけますか。  「名鉄美合駅の近くにある浄土真宗本願寺派のお寺です。創建ははっきりとわかっていません。戦国時代と、先の大戦の岡崎空襲との、2回の火事で資料が失われてしまいました。私のひいおじいさんが言い伝えをまと

          「原酒でも水割でも、肝心なのはウイスキーを味わうこと」

          矢田石材店も、此処に在り?

           愛知のお墓といえば、「はなえみ墓園」の矢田石材店!なんだけど、もちろん扱う石はお墓だけではない。  いろんな石の加工の依頼にこたえている矢田石材店はこのほど、会社にゆかりのある仕事をした。自衛隊の駐屯地に大きな記念碑をつくった。 陸自豊川駐屯地に記念碑  つくったのは、陸上自衛隊豊川駐屯地(愛知県豊川市)でこの春に廃止となった部隊「第10特科連隊」の記念碑だ。  第10特科連隊は大砲(FH70)を扱う部隊。愛知県東部の三河地区18市町村の防衛警備、災害派遣を担当し、今年

          矢田石材店も、此処に在り?

          「古さ」に身を寄せて俯瞰する

           オリンピックイヤーの2024年、カヌー・スラロームの羽根田卓也選手(36)は5度目の大舞台を迎えます。若くして海外へ飛び出し、オリンピックのメダル獲得で、「ハネタク」は日本ではマイナースポーツと言えるカヌーに目を向けさせました。新型コロナウイルスの世界的流行の中で地元開催のオリンピックが延期されるという稀有な経験を経て、夏のパリオリンピックへ臨みます。気持ちを込めたものや経験、場所などについて話してもらう連載『ココロ、やどる。』です。(文・松本行弘、写真・川津陽一) 東

          「古さ」に身を寄せて俯瞰する

          <第1章:その5>祖父との対話で立ち直る

           いちばん大きな決断と言えば、父が失敗して倒産したときに墓石屋を続けるのか、それとも別の会社に入ってしまうのかどうか、の選択でした。父には大きな借金(帳簿上で1億円くらい)もありましたし、当然、妻も生活のために働いてほしいと言いますし、ひじょうに迷ったのは事実です。  借金は父の借金ですから私は知らぬ顔で別の会社に入って生活してもよかったでしょうが(事実、友人たちからは、そちらをすすめましたが)、知り合いに借金を残したまま、のうのうと私だけが暮らしていくことはできません。  

          <第1章:その5>祖父との対話で立ち直る

          <第1章:その4>お墓の前で心を浄化する

           現代人はさまざまなストレスを抱えています。先の見えないもやもや感、不安感、焦燥感は、昔の人に比べて、絶対に多くなっていると思います。  父の会社が潰れた話はしましたが、そのときに私自身も半年くらいまったくお金を稼げず、たいへんな貧乏をしました。結婚していましたが、生活費にも事欠いた時期がありました。妻が車をぶつけられて、補償でもらったお金で食べているようなときもあったほどです。  そんなある日、たまたま妻と買い物に行ったときに、流行の小龍包屋さんがあって入ったのですが、結構

          <第1章:その4>お墓の前で心を浄化する

          「転ばぬ先の杖」となる

          江戸時代に栄えた尾張名古屋の寺町に高顕寺はある。大きな寺院や歴史ある神社など、多くの神社仏閣が集まる地域の一角で生まれ育った、38歳の加納慈孝副住職は、「仏教は面白い」という。「仏教離れ」「寺離れ」などと言われる昨今、仏教は「転ばぬ先の杖」と穏やかに語り、お寺にいろんな人たちを迎え入れたいと考えている。 清州越と尾張徳川家 ――高顕寺は伏見通に面して、西大須交差点のすぐ南と、名古屋市の中心部にありますね。 「この辺りは寺町として整備された地域で、高顕寺はその中ではちょっ

          「転ばぬ先の杖」となる