<第2章:その3>妻の実家のお墓そうじをする
何度も言うように、私も父が事業に失敗したとき、たいへんな貧乏生活に陥って、しかも長く続きました。そのうちに、妻の実家から、
「帰ってきてもいいよ。そんなに苦労する必要はないよ」
と妻に言ってきたのです。子どももまだ生まれていないときでしたから、妻の両親としては見るに見かねてといった按配だったのでしょう。
でも、私は私で、墓石屋として必ず成功すると確信を持っていました。おじいちゃんの墓前にぬかずいて誓ったことでもありました。残念ながら、自分では自信を持っていても、商売とし