資金の流れる先へ②
下記の『資金の流れる先へ』という投稿で、世界中の中央銀行による量的緩和の影響について書いてみましたが、その続編を書いてみようと思います。
銀行再編や金融関連の過去投稿に関しては、下記をご確認ください。
-危機時の中銀対応、中銀政策を通じた銀行・生保リスク、銀行再編の道のり、地銀へのメッセージ、地銀再編続編、金融システムの危機時対応、菅官房長官の地銀再編、欧州でも大型銀行再編、不祥事も再編を後押し?、気付いているvs.気づいてない、地銀再編は進んでいる?、量的緩和の影響、世界株高と今後
①コロナ禍において、日本や米国、欧州も含めた先進国を中心に、冬の季節性も含めたウイルス感染拡大を止められず、ECB(欧州中央銀行)は追加の量的緩和政策を発表した。詳細は下記をご確認ください。
コロナ危機に対応する資産購入の特別枠(PEPP)を1兆8500億ユーロ(約230兆円)へと、現在の1兆3500億ユーロから5000億ユーロ(約60兆円)増額することが柱だ。同枠での資産購入の期限も2021年6月末から22年3月末へと延長する。政策金利は据え置いた。ECBは銀行にマイナス1%という超低利で資金を貸し出す制度(TLTRO)については、期限を22年6月まで1年延長する。
②量的緩和の影響で多くのお金が向かう先の代表的な例は、やはりIPO市場。ソフトバンクが筆頭株主である、料理配達(出前館、みたいな会社)を手掛けるドアダッシュは2020年12月9日に上場し、公開価格102米ドルであったものの、初日の終値は189.51米ドルとなり、ソフトバンクに1兆円以上の株式価値を提供。同じく世界中で民泊事業を営むAirbnbは、翌日の12月10日に上場し、公開買い付け価格(68米ドル)の2倍以上(144米ドル)で初日の取引を終え、なんと一時は時価総額が10兆円以上となった模様。
③日銀による量的緩和政策の影響が様々な点で散見されている、と感じる。その例として下記が挙げられる。
1)日銀の社債購入プログラムに該当する、という見立てから、格付けの低い、年限が3-5年以下の社債が買われる傾向が見られ、結果として低格付け社債の利回り低下(信用の高い高格付け社債より、利回りが下回る、という現象)になっている模様。
2)日銀が2010年から行っている日本の株式ETFを継続的に購入していることから、日経株価を下支えしている、とは従来から言われている。日銀のみならず世界中の中央銀行による、国債や社債購入、そして日銀による株式購入を含めた量的緩和により、世界中の株価も上昇し、それに伴って日本の株価もちゃんと上昇。今や含み益が3割、となった模様。巡り巡ってちゃんと利益を出せる構造、となっている、点がなんとも興味深い、というか、なんというか。。。
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